午後になって急に冷え込み、すっかり陽の落ちた街は冬の表情を見せていた。 さくら夙川から北に歩いて5分。 まずはコンセント・マーケットで翌朝のパンを買った。 もとの名はムッシュアッシュ。 JR西宮駅近くでわんさ人を集める人気のパン屋だった。 土曜に…
なかなか塾には行きたがらず、なんとか説き伏せ夏が終わって入塾させたはいいが、勉強に全く身が入らず超低空飛行。 そんな話を聞いて一ヶ月。 一気に算数が伸びて上位に躍進、上六のクラスにも呼ばれるようになった、というのだから、わたしの言ったとおり…
そろそろ機種変更をとの家族の声を受け、ソフトバンクに寄ってiPhoneXの見積もりをもらった。 せっかく近くまで来たので、その足で野田阪神ウイステの地下に降り、鳥清の地鶏タタキを買い求め夕飯のための赤ワインを選んだ。 この地鶏タタキが息子らに好評。…
日曜の夕飯は寿司割烹もり。 家内と二人カウンターに腰掛けた。 石川県のなんとかという冷酒がとても美味しい。 夫婦で注ぎ合い、ひとつひとつ差し出される寿司を心静かに味わった。 寿司も申し分ない。 よく仕込まれた上質なネタと雲井窯で炊いた赤酢のシャ…
懇談のある日、母らが集まる。 場所は学校からほど近いレストラン。 食事しながら様々な意見が交わされた。 兄弟であっても通う学校が異なることは珍しくない。 入試が幕を開けてからの3日間、好不調のバイオリズムが綾となり、時の運というふるいにかけら…
研伸館の先生に話を聞いた。 大阪星光の先生はのんびりしているように感じられる。 西大和とは対照的。 研伸館が西大和の校内で講座を受け持つようになって5年になる。 西大和の前学園長が研伸館を訪れ直談判したのがきっかけだった。 生徒の学力向上が主眼…
ダイヤに乱れが生じていた。宝塚線の踏切確認のためだという。 予定より10分遅れで入ってきた電車はすし詰め。わたしは乗るのを見送った。 予想したとおり、混み具合に偏りが生じていた。次の電車は嘘のようにガラ空きだった。おかげでゆうゆう腰掛け小さな…
種も違えば味も異なる。 いつもより美味しい。 そうおでんについて言及すると、隣家の奥さんと物々交換したのだと家内は言った。 こちらはサラダで、向こうがおでん。 それで取引が成立した。 家内が作ったサラダは好評を博したようである。 つまり、双方が…
王寺駅に着いたのは夕刻5時過ぎ。 雨模様であったがお湿り程度。 そのまま西大和まで歩くことにした。 この日の朝、下駄箱に佇む昔なつかしの靴と目が合ってそれを履いて出た。 きちんと手入れしているので履き心地よく歩くことが全く苦にならない。 19年も…
福島郵便局の裏に風呂屋があるのを最近見つけた。 清潔で湯加減もいいのでしばしば通うようになった。 番台のおばちゃんは年の頃85というところだろうか。 テレビを見て笑っている姿が可愛らしくてその様子に気持ちが和む。 昨晩も仕事帰りにその湯に寄った…
これまで回覧板に注意払うことなどなかった。 そもそも地元で過ごす時間も多くない。 だから地域合同運動会というものが存在することすらわたしは知らなかった。 子育ての手がほんの少し空き、家内は地域に目を向けた。 いろいろな組織があり、さまざまな活…
備前焼まつりに出かけよう。 そう約束していたので、朝5時に起きわたしはスタンバイしていた。 家内も起き出し子らの朝食を整え、後は出発を待つばかり。 しかし日頃の疲労があったのか家内の動きに迷いが見えた。 次の日には地元の公園で地域対抗の運動会…
場所は夙川。午後8時。 駅を降りてまず緑の香を含んだ秋の冷気に心いやされた。清流せせらぐ水の音も心を落ち着かせてくれる。 やはり夙川。出だしから凡百の場所とはおもむき異なる。 アルテシンポジオは川を渡って南に向いてすぐのところにあった。イタリ…
午後になって二手に分かれた。 家内には市内の用事を頼み、わたしは明石へと向かった。 万事つつがなく事が運び、大阪に引き返したときには夕刻。 梅田にいるという家内と阪急百貨店一階で待ち合わせることにした。 せっかくだから夕飯も済ませよう。 そう話…
おいしい蕎麦屋がある。 そういって事業主に連れられたのが、讃州だった。 店は地下鉄あびこ駅から徒歩3分、イズミヤの真ん前にあった。 下町に欠かせない。 そんな風情をまとう、ほどよく枯れた面構えの店である。 天ざるとおにぎり。 事業主がそう注文し…