KORANIKATARU

子らに語る時々日記

百年や千年もの厚みがあるかのように抱きしめる

仕事を終え天王寺から電車に乗って実家に向かった。 もちろん日本酒も忘れない。 先日、姫路で買った八重垣をこの日は携えた。 夜8時。 夕飯も終わった頃合い、テレビを見て過ごす両親の炬燵に混ざった。 うちは結婚20年目だが、こちらは51年目。 年季が違…

ありふれた日常もなかなかのもの

朝から家内とともに神戸。 昼を前に家内がラーメンを食べたいと言うので南京町に向かった。 家内の口からラーメンという言葉が出るなど珍しいことだった。 午前11時。 通り両側に軒を連ねる店舗がぼちぼち開店し始め、中華街全体に活気が兆した。 まずは子ら…

ホモ・サピエンスの母子物語

午後10時、二人の息子はまだ戻ってこない。下の息子は朝5時に出発し、日中は試合に出場し走り回って夜は塾。上の息子も朝から晩まで飽きもせず塾で過ごす。 丈夫で元気。それが何より。 息子の帰りに合わせ家内は夜食の支度をはじめ、彼らが起き始める時間に…

何が起こっているのかまずは見ようとすること

誰かが感情をハイジャックされたとき、うっかりすればその状態にこちらも感染し、作用に対し反作用、感情を応酬し合うという原始的にもほどがある泥仕合が勃発しかねない。 そんなとき、距離を置けるのであれば、そっとバッターボックスから離れるみたいに感…

たとえ黒でも真白に見える

家内がヨガを終えたのが先で、わたしがジムで走る間に夕飯の買物がとっくに済んでいた。 その荷物を全部引き受け一緒に帰る。 途中、上の息子からリクエストがあったうなぎを買うため名店川繁に寄った。 大ぶりのものを2尾選び、運良く肝もあったので2舟も…

働いたあ、働いたあ

二男が所望し、家内が家族人数分の淡路島バーガーを買ってきた。 が、わたしの分がどこにもない。 見ると二男が笑っている。 わたしの帰宅を前に、ラージサイズ2つを彼がぺろりと平らげていたのだった。 その食べっぷりが微笑ましい。 代わりにマグロの漬け…

たまには女房と待ち合わせ

午後5時過ぎ、梅田地下のケーニヒスクローネの前に立った。 待ち合わせは午後5時半。 時間があるので入り口付近の壁にもたれて文庫本のページを繰る。 時刻はまもなく午後5時半。 しかし待ち人は現れない。 少し経ってからメールが入った。 相方は阪神百…

正しいことだけが楽しい

この歳になると、正しいことだけが楽しいという境地になってくる。 昨日、カネちゃんがそう言った。 なるほど、とわたしは頷いた。 若い時分は腰が座らず目移りし、あっちふらふら、こっちふらふらとなるかもしれない。 が、中年にもなると分別ついて、自身…

男二人、遠く瞬く灯を共有した夜

学園前を訪れたのは何年ぶりのことだろう。 快速電車の乗客の大半がここで降り、その人の流れに従い改札に向かった。 駅を出ると周囲全面に商業ビルが立ち並び、街全体が明るく輝ききらびやかに見えた。 学園前が奈良の芦屋、と言われる所以を実感した瞬間で…

やはりわたしが一足先に

お年寄りに道を聞かれ、知っている場所なので一緒に歩いて案内することにした。 家内からのメールに、それは正しいことだと思う、と返事したとき河内小阪駅に着いた。 一路南へと歩を進める。 商店街を抜けるとあたりはすっかり暗くなり、冷え込みも増すもの…

2019年仕事始めの日の朝

なにはどうあれ休日の懐に抱かれて過ごすことは心地いい。 ふんわりとした肌ざわりの時間に相好崩し、いつまでもこんな風であればと叶わぬ夢を思い描きつつ、しかし予感したとおり、終わりはやってくるのだった。 仕事始めとなったこの日、明け方から神経高…

こんな日がもっとたくさんあってもよかった

イカのアヒージョをからめて軽く炒めたパスタとサラダ。 そこにデザートとして紅まどんなが添えられた。 三ヶ日が過ぎ日常が戻り、家内の食事作りもぼちぼち本格化し始めた。 長男と二男を送り出した後、朝9時にわたしたちも家を出た。 阪神高速を東に向い…

カゴの中にいるも同然

家内が友人夫婦をうちに招き歓待するというので邪魔にならぬようわたしは事務所に出た。 1月4日金曜は平日であるはずだがまだ電車はがら空きで閉まっている店も目立ち依然として世間は正月休みの真っ最中であるようだった。 実際、事務所にはわたし一人し…

音楽が心の奥深くに潜む美を表出させる

クルマだと渋滞に巻き込まれかねない。 だから姫路へは電車を使うことにした。 美味しい牡蠣を食べよう。 昨年末、夫婦でそう話し合っていた。 が、あれやこれや忙しくて延ばし延ばしとなり、結局実現は年をまたいだこの日に至った。 どこで食べようか。 新…

いたって地味で静かな正月

朝9時に出発し実家で両親をピックアップした。 二日は新春恒例の墓参りの日である。 風はひんやり冷たいが、空晴れ渡り陽射しは暖か。 あたり一帯の墓全てに色とりどりの花が添えられ、青空に映えて鮮やか壮観。 朝10時で既に人出多く、手を合わせたり、線…

交流促進の功労者

上の息子を送り出し、行きのハンドルをわたしが握って実家に向かう。 大晦日を義父宅で過ごした下の息子はそこから直接実家にやってくる。 年明けの挨拶を済ませ軽く食事し、下の妹家族とともに実家を後にした。 直後、下の息子が急に思い立った。 東京に行…

過去が渦となってよみがえる

電車に乗って思案する。 どこで買物を済ませよう。 千日前線の駅を頭に巡らせ、昨日のことを思い出す。 キジくんがこの日記を読んでくれていると言った。 そして谷くんもこの日記を読んでくれている。 わたしは谷九で降り近鉄百貨店に足を向けた。 そこに至…

2018年大阪星光33期冬会無事終了

午後4時。 谷町線平野駅で電車を降りた。 待ち合わせの場所はそこから歩いて1分、かねしろ内科クリニック。 工事ははじまっておらず、まだ中は空っぽのままである。 1階から2階を見て回り、設備についてタコちゃんがカネちゃんにアドバイスしていく。 そ…

群れが必須であると知る

明日は日曜だから学校は休みである。 そう言うと、元旦を除き年末年始も学校があるという。 わたしは感心させられた。 わずか数日であっても、群れる場が維持されることは案外大事なことに違いない。 一種の近親憎悪か、群れという語がネガティブな含意で用…

職場としての田中内科クリニック

仕事納めとなった28日、最終地点は南森町であった。 夕刻の大阪天満宮で手を合わせ一年の業務を締め括った。 事務所に戻って後片付けを終えるとそろそろ午後7時。 田中内科クリニック忘年会の開宴は午後7時半。 千日前線を使ってミナミへと向かった。 行き…

平穏がなにより

前菜はタイ風春巻き。 細かく刻んだ野菜がたっぷり入って、作る手間が推し量れた。 鮮やかな赤をたたえる手製のナンプラーにしっかりとつけ頬張った。 一瞬甘みを感じるがじわじわと辛さが広がり、口から火が出た。 白ワインでは鎮火できず、炭酸水を階下の…

巨大で強靭な人間の輪

駅の要所に教職員が立ち、いつもわたしが出入りする裏門は固く閉ざされ、表から入る際には父兄用の名札の提示を求められた。 先ごろのSNSの件があって、いつもと様相異なる西大和であった。 昨年は師走の27日、今年は26日が懇談の日となった。 家内は地元夜…

万正に母を招いて焼肉三昧

電話をかけると駅前にいるという。 改札を出て商店街に向いて歩くとすぐに二男を見つけることができた。 並んで歩いて目的地に向かう。 試験が終われば焼肉をご馳走する。 そう約束して2週間ほどが過ぎていた。 午後5時20分。 開店を前にすでに行列がで…

今夜もメリークリスマス2

子らが小さいときはクリスマスらしく過ごすこともあった。 結構大きめのクリスマスツリーを飾って点灯もさせていたし、クリスマスイブの日はケーキも買った。 ところが、上の息子が小5のときのこと。 彼は学校の友人らからサンタの真実について告げ知らされ…

カメの歩みを奉る

あまりにとろけて見えたので中トロを3ブロック持ち帰った。 予定狂ったのか、その取り扱いに困った様子を見せた家内であったが、一瞬後、明るい笑顔になって言った。 美味しい沢庵があるからトロたくの手巻きを作る。 パクチーソースで味付けした鶏肉サラダ…

内にある光に目を向ける

遠い昔のこと。 うちの妹家族らが公園で遊んでいた。 たまたまその様子を見かけ、家内はある人物に言われたそうだ。 わたしの妹たちは野暮ったく、その子どもたちは難民の子みたい。 以来何年も経つがその話を忘れたことはなく、ときおり思い出しては考える…

ふたりの間にいることだけは間違いなかった

大した雨ではなかったので傘を持たず家路についた。 夜9時過ぎ、電車の吊り革につかまって一日を振り返る。 午後、大阪の事業所で引き継ぎがあった。 前任の担当は80歳過ぎ。 このところ仕事に精彩なくミスを連発していたという。 このままでは深刻な事態に…

結婚は人生の墓場、彼らは口々にそう言った

この夜は、北堀江にある和食「いし津」。 若き30代の事業主4名に囲まれた。 仕事の話もそこそこに、いつしかテーマは結婚へと移っていった。 相手の両親にそろそろ挨拶をしようと思う。 一人の若者がそう言って、他の若手がそれを諌めた。 早まるとろくなこ…

女房を大事にしようと皆で話し合った

この夜は本町のベルギービール専門店。 男5人が集まった。 ビール飲み放題で、コースのつまみは、バゲッド、ピザ、パスタ、ポテト。 家内がいれば制止必至。 わたしは一口もありつけなかっただろう。 そんなことを考えていると、一人が言った。 最も身近な…

賢い親ではなく子も天才からはほど遠い

環状線に遅れが生じていた。 東西線を使うことにした。 快速に乗り換えるためいったん尼崎で電車を降りた。 待ち時間があったので構内の本屋をちらとのぞいた。 『すべての子どもは天才になれる、親の行動で』とのタイトルに目が留まり、明石までの道中、手…