KORANIKATARU

子らに語る時々日記

全部取りは全部負けと背中合わせ

移動の車中、訪問先のHPに目を通した。 思った以上に相手がでかい。 で、臆するような気持ちが生じた。 相手がどうあれ、緊張することはあってもこれまで臆するといったことはなかった。 だからわたしにとっては珍しい現象だった。 営業に訪れこれまでけんも…

漢江の向こうへと行って帰ってはじめてのお使い

前夜、食べすぎた。 だからわたしひとり、朝食を抜くことにした。 勿体ないが仕方ない。 朝食後、家内は隣接する百貨店へと買い物に出かけ、一方のわたしはプールにでも行こうと支度して階下へと降りた。 ロッカーで着替えはじめたその瞬間、家内から連絡が…

春の雨降るソウルにて

朝、プールを独占するみたいに夫婦で泳ぎ、お腹を十分に空かせてから朝食をとった。 さすがロッテホテル。 どの一品も素晴らしく、これまで経験したビュッフェのなかナンバーワンだと思えた。 昼過ぎになって江南のロッテワールドタワーへと移動し、家内の後…

普段ゲームに興じる余力はない

朝3時には起き出して業務を片付け、女房と共に5時半に家を出た。 大阪駅で特急はるかに乗り換え関空まで向かい、9時にはアシアナ航空の飛行機が飛び立って仁川からはリムジンバスを利用し昼過ぎにロッテホテルに到着した。 ノンストレスで気づけば明洞と…

自分は自分が思う自分とは全く異なる

業務の最終地点が阿倍野だったから、昔なつかし久しぶり、正宗屋に立ち寄ることにした。 カウンター席の端っこで、ビールを飲んで憩って過ごし、周囲の様子を窺うでもなく窺った。 後ろに座るのは、営業での外回りを終えた上司と部下だろう。 その会話を耳に…

場末の店でその輪に加わった

先日帰省した際、二男は東京の従姉と一緒にうちの実家を訪れた。 その際、ビールと明石焼を持参したという。 突如、孫が姿を現し、父はさぞかし喜んだことだろう。 その証拠、持ち込まれたビールはすぐに空き、冷蔵庫のなかの発泡酒まで飲み尽くされた。 と…

朝の正しい迎え方

仕事が立て込んでいた。 だから朝5時には起きて作業にかかる必要があった。 一昔前は始発電車をも遅いと感じて出勤していたので、朝5時に起きるなどありふれたことだった。 しかしそんな若気の時代はとうに終りを迎え、ここ数年は早起きから解放された。 …

ディフェンス一辺倒でも前へと進む

気持ちとは裏腹。 疲労が取れて、たいていの月曜は快調に仕事が進んで量もこなせる。 ところがこの月曜、出だしから低調だった。 前日、遮二無二掃除した。 普段使わぬ筋肉を酷使して、結果、頭がうすらぼんやりするほどの疲労が残ってしまったのだった。 こ…

美がたんと詰まった旅になる

出張で大阪を訪れていたが、 結局家に寄ることなく長男は土曜夜に帰京した。 日曜朝一で用事があるとのことだった。 一方の二男は日曜の朝、大学の友だちと一緒に東京へと帰っていった。 これでまた夫婦ふたりとなった。 さて何をして過ごそうか。 以心伝心…

大阪星光はいつまで経っても仲がいい

たっぷりジムで運動してから、まだ夏日の火照りが残る夕刻、家内と共に桃谷へと向かった。 もともとは金曜夜に二人で訪れる予定にしていた。 予定を変更したのは、二男が急遽帰省すると知ったからだった。 大将に相談したところ、土曜夜なら三人分の席が取れ…

息子というのは世界を変える

週末は大阪出張とのこと。 それで長男はこっちに帰ってきているが、どこかホテルに宿泊し金曜、土曜と仕事して、うちに顔を出すこともままならない。 土曜夜から日曜にかけちょいと寄るくらいがせいぜいで、久々だからと関西の友人らと会う間もなくまた帰京…

この日のキーワードは苦節十年

朝一番、駅のロータリーで職員をピックアップし新規の客先へと向かった。 小一時間ほど。 そう見込んだ商談は長きにわたり、終わったときには昼間近という時刻に至っていた。 十年の下積みを経て事業主となり艱難辛苦の果て地域のトップへと躍り出たこれまで…

「お後がよろしいようで」と去っていく

料理教室にて出会いが生まれる。 そこで意気投合し食事などに出かけ、そして交流が深まっていく。 ここ最近も仲良くなる人に恵まれた。 そんな話を家内から聞くのがとても楽しい。 2つの出会いがあり、何度か会ううち身の上なども知ることになった。 双方に…

悪い流れといい流れ

ここ最近はSNS警察の取り締まりがキツくなり、以前のように奔放なウソが跋扈し難くなっているのだという。 誰かの画像を剽窃しさも自分の持ち物のように見せびらかせたり、偽ブランドをひけらかせたり、嘘八百の留学経験や経歴を語ったところで、どこで誰が…

行き詰まったら眠ればいい

疲れたときには眠るに限る。 特に雨が降り続くような夜には尚更のこと。 たっぷり10時間。 それくらいの睡眠を取ろうと思って、この日わたしは夜8時過ぎには寝床に就いた。 心身に潜む倦怠感は一掃され、長い夢路を経て、日常では起こり得ないブレイクス…

息子たちが暮らす街でいろんなものが満ち満ちた

フィットネスから戻ると、窓の向こうには青空が広がっていた。 滞在三日目にして晴天に恵まれたのだった。 さっさとホテルをチェックアウトし大手町にて自転車を借りた。 陽気が兆し始め、花の香がかぐわしい東京の街を夫婦で縦横に走った。 昼になって馬喰…

花咲く季節、家族四人で集まった

花曇りの朝、女房と共に皇居あたりを散策し、混み合うスタバでお茶するがよい席にはありつけず、ディーンアンドデルーカへと移動しそこを根城にすることにした。 いつも芦屋のロイヤルホストでするように、そこで今度の旅行について具体的な行程を組み立てて…

昼と夜とで身の程をわきまえた

東京駅に着いてすぐパレスホテルへと向かった。 花冷えの日となって肌寒い。 気温を見ると9℃。 何か羽織ってくるべきだった。 ドレスコードがあるとのことでレストランの入口でジャケットを借りた。 着る必要はなく、手に持てばいいと言う。 素直に従った。…

老後に備えメンタルの土台も構築しておいた方がいい

家内が持たせてくれた焼肉を携え、朝一番で実家に寄った。 座椅子にもたれ朝の情報番組をみる父のかたわらに座って近況を話し、話題が途切れるとテレビに目をやった。 野球選手の通訳が違法賭博に手を染めていたとの話題が取り上げられていて、父は言った。 …

自分が大事にしているものを知る

朝8時、約束どおりお客さんから電話がかかってきた。 業務について打ち合わせしていると、階下から声が聞こえた。 ご飯できたよ。 家内がわたしを呼んでいるのだった。 わたしは電話しながら渡り廊下に出て、階下にいる家内にいま取り込み中であることを指…

別人になることもまた旅の醍醐味

貝の蓋が固く閉じているようなものなのだろう。 普段わたしはそのように内にこもって、だから往来で誰かから声を掛けられるといったことがない。 繁華街の客引きでさえ手をこまねく。 内で思念がむんむん蒸して、そんな様子が如実に伝わるのだと思う。 そん…

ぐるぐると時間のなかを巡って歩く

ジムから戻って食卓に座る。 一日のうちでいちばん心が落ち着くときである。 家内と差し向かいになって日本酒を酌み交わし、今後の旅先の映像などを眺めて夕飯をつまんだ。 ひとつの場所を訪れると、次々と行きたい場所が増えていく。 楽しみが増える訳であ…

庭園にて上質の安らぎが降って湧いた

かなりの人気店なのだろう。 開店前から列ができ始めていた。 慌てて夫婦で並ぶが前から数えて二十番目あたりとなってしまった。 午前8時半、福井マラソンのスタートと同時、名店「はや川」が開店となった。 が、マラソンのようには前へと進まない。 遅々と…

旅情は時間をも縦横に巡る

福井駅の真隣に新しいホテルができた。 夕刻のニュースで紹介されていて、ジムのサウナを出てすぐに予約した。 特に何か観光する訳でもなく、汽車に揺られて福井を訪れただのんびりと過ごす。 是非ともそうしようと思い立ったのだった。 敦賀までのサンダー…

なめてかかればマットに沈む

二十代の頃のこと。 連日飲み歩いていた。 勤め人であることが嫌でたまらなかった。 このままではこのまま。 未来が見通せず、それで憂さ晴らしが必要だったのだと思う。 しかし飲んで何かが前に進む訳はなく、朝の重苦しさが増すばかりで、「このままではこ…

のどかな光景の真ん中でまさかと思って血の気が引いた

電話しながらだったからだろう。 池部駅に停車している電車にそのまま乗って、思ったのとは反対方向へと運ばれた。 単線の電車に乗ることは滅多にない。 その不慣れも手伝ってのアクシデントだった。 タイトな時間を縫うように動いていたから、その時点で次…

ゴールを一点凝視し駆け抜けた

夜は鮨こいき。 それがあるから頑張れた。 豊中を皮切りに業務を開始し伊丹を経て阿波座に移動しここでの業務が長時間に及んだ。 しかし、夜は鮨こいき。 だからへっちゃら、頑張れた。 事務所へと戻って保留にしてあった連絡業務に取り掛かり電話をかけまく…

後ろの方でわいわいがやがや楽しく過ごす後ろ盾

ひさびさ家族四人の予定が合致する。 数年に一回の惑星直列のようなもの。 家内はがぜん張り切って、予約してある焼肉屋に電話を入れ、裏メニューなどとっておきの品について直談判し、肉もいいものを仕入れておいてと念を押した。 そしてまもなく二男からス…

自身の数値を把握していないことには始まらない

月曜日、仕事が早々に片付いた。 帰途に就き電車に揺られて、考えた。 普段ならジムに行く。 しかし、この日に限って気分が乗らない。 何が起こっているのか。 自分の内を凝視した。 ああ、疲労。 どうやらわたしは疲れているのだった。 では、なぜ。 と振り…

どのみちこのみち間違いだらけの人生

雨が降り続き、どこかに出かけようといった気も起きない。 しかもまだまだ肌寒い。 まったり、といった語はすでに死語だろうか。 この日は突如浮かんだそんな懐かしい言葉とともに過ごすことにした。 新聞をめくると高校生が自死したとの記事に目がとまった…