KORANIKATARU

子らに語る時々日記

要は長期戦


日曜昼下がり、上方温泉一休の露天風呂に寝そべって一面広がる青空を眺める。
雲が綿毛のように風にゆっくりと運ばれ、時の流れもその歩を緩める。

時折は広い景色に身を委ねる。
自らの両肩に乗るものなど微々たるものだと事の真実に気付いて心伸びやか楽になる。

顔を上げ向こうを見ると、同じように二男が寝そべりくつろいでいる。
ふんわり微笑しつつ横たわるその姿は幸福そのもの。

相乗効果で私は更に満たされ、二男もまたなお一層満たされる。


長男の中間が終わり、間を置かず今度は二男の期末が幕を開ける。
ガッツ見せた長男の余勢を駆って二男も意欲を高めているが、中一なのでボチボチでいい。

要は長期戦。
まずは自分のペースを掴んでから強弱見極めていけばいい。

ボチボチ始めようということで、二男を伴い日曜朝5時、事務所に向かった。

まずは腹ごしらえ。
なか卯で朝食として牛小鉢定食を注文するが、二男については育ち盛り。
目玉焼きを1個追加し、冷やし蕎麦を追加し、納豆を追加し、ご飯は大盛りにした。

この数時間後、昼に天洋でにんにくラーメンを食べるのであるが、替え玉は不可欠であり、それでやっと腹八分目だという。

食いっぷりが頼もしい。


夕刻、家に帰還。
家族揃って電車で芦屋に向かう。
家内がラ・バラッカを6時に予約していた。

私の前に長男が座り、右横に二男が座る。
斜め前に座る家内が料理を注文していく。

海外で一人食事したときの失敗談などを子らに話し、家内の米国滞在の話を聞き、子からはそれぞれの学校の話を聞く。

受験に向けて小6でピークに達し、その後、極端に減速してしまって浮上不能となるケースは私の頃と同様で枚挙にいとまがないようだ。
小6の一時期の成績など瞬間風速。
それでその先まで安泰となるわけがないことは誰でも分かる。

要は長期戦。
適切な仕方で長く続けることが、何よりも大事なこととなる。


初めて訪れたイタリアンであった。
お店の雰囲気がとてもいい。
我ら下々の民、ついつい周囲に目をやってしまう。

左右両隣のテーブルも家族連れで、ともに子は男子二人という組み合わせ。
食事待つ間、右隣りの子は塾のプリントに取り組み母親が答え合わせしている。
懐かしいような光景だ。

うちの子らがこの三組の兄弟の中では一番年嵩のようである。

他所のちびっ子とくらべ改めて感じ入る。
大きくなった。

ワイン飲みつつ、遡ること十数年前、バルナバ病院の廊下に響き渡った子らの産声を思い出す。
ともに早朝。
そもそものはじめから、二人揃って早起きであった。


とてもいい食事になった。
家族四人肩を並べ、電車に腰掛け談笑しつつ家路につく。

努力する奴はバカだ。
そんな話を聞かされる。
家内知人の旦那の持論だという。

何の受け売りかは知らないが、まずはどうあれ誰かをバカだ、アホだと言うのは是非ともやめよう。
所詮人間なんて丸ごとみんなバカだしアホだしララララ。
天に唾するような言葉遣いはしない方がいい。

努力できる人生は楽しい。
努力について言うなら、私などはそう思う。

呼吸するよう、ほどよい負荷で努力できたらどれだけ素晴らしいことだろう。
その積み重ねを経て、before・after をいつか将来見比べる。
これほどワクワクするようなことはそうそうない。

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