KORANIKATARU

子らに語る時々日記

まもなく夏本番

月末押し詰まる日、電車で奈良葛城へ向かう。
いくつも清流を越える。
せせらぎの音に耳を澄ませる。
川は高架のはるか先、遠く離れ過ぎて聞こえるはずもない。
次第に景色は山深く、夏至過ぎて今がたけなわの深緑に目が吸い寄せられていく。

仕事に向かう途中なのに、心が浮き立ってくる。
まもなく、夏本番。
不滅の夏がやってくる。

そろそろアブラゼミが鳴き始め、時を移さずツクツクボウシ、ヒグラシが後に続いて輪唱が始まる。
夏祭りの人いきれ、夜空を彩る花火、日焼けしたカラダに浴びる冷たいシャワー、何もかもが鮮烈となる夏である。

四季折々、日本においてはどの季節も趣き深いが、私にとっては夏が一番。
夏に旅した各所のシーンがコラージュのように折り重なって眼前に浮かぶ。

心はやる。
子らを引き連れ、またもや夏に繰り出し飛びかかる。
この夏も命躍動、生きて在る喜びを蝉に負けじと謳歌する。

誰にとってもやがては終わるにせよ、それまでは余すことなく夏を味わい尽くすのだ。

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