KORANIKATARU

子らに語る時々日記

謹賀新年

この年最後の風呂を済ませ実家に向かう。
手にどっさりとビールを引っ提げる。
大晦日はいつもそう。

父母と弟の4人で紅白を見ながら夕飯をとる。
男3人はビールを飲み続け、そのかたわら母は正月料理の支度に余念がない。
わたしが生まれる前からずっとそう。

まもなく妹が子らを引き連れ実家を訪れる。
母を連れ向かうはお風呂。
娘と孫と大晦日の夜に風呂でくつろぐ母を思うとほっとするような気持ちになる。

きちんと家族として成り立っている。
大晦日と正月に家族のあり様が明らかとなる。

缶ビールが1ダース空いて、ではそろそろとおいとまする。

閑散とした環状線に乗って家路につく。
地元の駅で降り家に足は向かわず少し飲み直そうと思うがさすがに大晦日である。
店はどこも開いてない。
日頃は商売に精を出す店主らもこのときばかりは家族とくつろぎ過ごしているのだろう。

仕方ないので駅前のコンビニでビールを買い、その2階の飲食スペースに陣取った。
窓の向こうに見える駅舎をぼんやり眺めながらチビリチビリとビールを喉に流し込む。

奥では一人、高校生が懸命に勉強に取り組んでいる。
家ではとても集中できない。
入試本番が間近に迫る。
そういった若者にとっても有用なスペースとしてここは機能しているようだ。

ビールも空いてすることがない。
これ以上は飲めないし行くところもない。

よっこらしょと腰を上げ、家に戻る。
年変わりの瞬間を見届けることもなくさっさと寝床に入って眠った。

目覚めたときには西暦2017年、平成29年となっている。
一年かけて根付いた習慣で書類に一年前の日付を書かないよう注意しなければならない。

そして目覚めて第一声。
あけましておめでとうございます。
諸般の事情あって物心ついてはじめて年賀状を一枚も書かずに済ませてしまいました。
他意はなく、きちんと書くにはもはやマンパワーが及ばない域となってしまっての苦渋の選択でした。
送るべき方々の顔を思い浮かべつつ、謹賀新年、ご挨拶させていただきます。

今年もまた踏ん張って参ります。
よろしくお願い申し上げます。