KORANIKATARU

子らに語る時々日記

歌声に宿る魔力

FMCOCOLOでは今月Elton Johnの曲がヘビロテされている。

帰り支度しているとI Guess That's Why They Call It The Bluesが流れて手がとまった。

しばし聴き入る。

 

帰途、SpotifyでElton Johnの曲を流しながら電車に揺られた。

 

学生時代の思い出がいくつもよみがえる。

当時は暇だった。

学校通うのに一人暮らしする野方から高田馬場までしばしば歩いた。

 

一時間強の道のりであるから、歩き続けるうち意識の風通しが良くなって次第放心したようになる。

耳に流す音楽が一層深く入り込むということになる。

 

だから、Elton Johnの曲はどれもこれも当時の様々なシーンと深く密接に繋がり合い、そこに寄り添って存在していた感情ともダイレクトに結びついている。

 

二児の父となり、子らを送迎する際にはクルマで懐かしの音楽を山ほど流した。

もちろんそこにElton Johnも含まれる。

 

息子にとってもElton Johnの歌声は、一つの時代を喚起させる特別な魔力を有しているはずである。

耳にすればチビッ子当時の心模様が明瞭に浮かんで、隣に誰がいたかも鮮明に思い出すことになるだろう。

 

この先いつの日か、父子二人してグラス傾けるという場面が訪れる。

たとえばそんなときにElton JohnのI Guess That's Why They Call It The Bluesなど流れたら、わたしについては学生時代にひとり歩いた時間から現在地点までの記憶が一斉に呼び覚まされ、息子についても何かが呼び覚まされて、父子互い顔見合わせ涙腺緩むといったようなことがあるかもしれない。

Elton Johnの歌声にはそんな魔力が宿っているように思える。

f:id:KORANIKATARUTOKIDOKI:20180518082237j:plain

2018年5月18日午前5:30 JR神戸線