梅田で仕事を終えて携帯をみると、家内からメッセージが入っていた。
夕飯でも食べて帰ろう、とあった。
大阪駅へと続く歩行者デッキで待ち合わせた。
ルクアの地下に面白そうな店がたくさんあるというのでつき従った。
ルクア地下2階。
確かに興味そそられる店が目白押しであったが、なにせ混み過ぎていた。
安くて美味しい。
大阪人の心の琴線に触れてこの賑わい、わたしたちは気圧されるばかりであった。
金曜夜、せっかく夫婦で待ち合わせ何も列に並ぶことはないだろう。
10階のポンテベッキオに行こうと方針転換し、エレベータを降りまた驚いた。
このフロアも大盛況。
どこも待ち客で溢れている。
日本経済に曇りなし、そう窺えた。
やはり予約が必須。
時計を見ると8時過ぎ。
どの店に行こうか話し合い、わたしの頭に五鉄が浮かんだので駄目で元々と電話した。
わたしたちはついていた。
8時半なら席が用意できるという。
久々の五鉄。
ヨガ帰りの家内と仕事帰りのわたしはにわか活気づくことになった。
北新地方面へと足を向け、予約の時間までそこらを散策することにした。
夜になっても日中の蒸し暑さは一切やわらぐことなく、少し歩くだけでも汗ばむが、五鉄の料理が待っていると思えば、これも一興と言えた。
当然、散策がてら子らの夜食の定番、音羽巻の調達も忘れない。
雨がぱらつきはじめたところで、ちょうど時間。
わたしたちは五鉄カウンターに場所を移した。
湯葉豆腐、刺し身、おでん、焼き鳥数種、仕上げに肉を焼いてもらった。
どれもこれも奇跡の域の絶品で食べて幸せ、お酒もすすむ。
ビールから始め、各種日本酒、赤ワイン、それにハイボール。
わたしも飲んだが家内も飲んだ。
料理を堪能しつつ夏の旅行について話し合う。
家族一丸となるべき年なので、見送るかそれとも近場に留めるか。
近場なら道後温泉あたりはどうだろうとわたしたちの話が松山界隈に及んだところで、五鉄厨房のマエストロが松山出身だと分かって、クルマで行くなら香川経由がストレスレスであると助言を受けた。
締めは定番、にゅう麺を二人で分けた。
夫婦して大満足の食事となった。
店を後にし地下に入って駅に向かう。
駅を降りると雨が本降りになっていたが酔っているので気にならない。
普通のペースで並んで歩き普通に話しながら音羽巻待つ子らのもとへと夫婦で帰った。