KORANIKATARU

子らに語る時々日記

拝んで祈って命乞いする

地面が揺れると為す術がない。

週明け月曜の朝、肩慣らし程度に仕事し始めたところであった。

無慈悲な揺れに襲われて、こわばった。

 

カラダ鍛えていようが所詮は水風船のようなもの。

建物が倒壊すれば抗えるはずがない。

 

自らの無力をリアルに思い知らされつつ、揺られるまま窓を開け、室内履きから靴に履き替え、携帯や財布など小物携え、外に出た。

 

揺れは収まったがいつ何時再来するか分からない。

内にいるより外の方が安心だと思え、しばらく外をうろついた。

 

日頃はどこまでも真ん丸な太平楽。

災禍と無縁。

水風船は根拠なくそう確信している。

 

その虚妄を思い知らされ、足が竦む。

思えば、地震到来ははるか以前から繰り返し言われていたことであった。

それは来る、とてつもない規模で。

そう警告されても体感するまではピンとこないのだから本当にいい気なものである。

 

風呂に入っていようがジムで走っていようがトイレで過ごしていようがクルマを走らせていようが、地震はこちらのTPOに配慮などしてくれない。

 

揺れればその状態で命あずけるしかなく、拝んで祈って命乞いするほかない。

 

電車は動かず職員はやってこず、わたしは一人で対応に追われ、予定の変更を余儀なくされた。

 

子らが通う学校はともに休校となって、長男は学校で待機しており、二男は徒歩で梅田まで出て電車が動くのを待っている。

家内は家で帰りを待つ。

 

地面が揺れれば安全な場所などどこにも存在しない。

 

もう揺れないでほしい。

嘆願するみたいに祈る以外にできることがない。