土曜朝、大阪市に大雨警報が発令されて学校は休みとなった。
だから当然、校内に生徒の姿はない。
午後5時、息子と待ち合わせし三者面談に臨んだ。
一体これまで何度、長男の学校に足を運んだことだろう。
大阪星光は度々訪れるが、二男を交えての三者面談は家内に任せわたしが出たことは一度もない。
一方、西大和の方はもっぱらわたし。
役員会や懇親会などであれば家内が皆勤で出席し、三者面談になるとわたしの出番となる。
定期のものだけでなく随時の面談も含めれば、通った回数は数えきれない。
みっちり担任の先生と話をして一時間。
学校を後にして息子と二人、バス停のベンチに腰掛けた。
そろそろ腹の減る夕飯時。
焼肉でも食おうか。
そう水を向けるが、息子は塾の自習室に行くという。
それでやむなく途中で別れ、わたしは家内に連絡することになった。
夏休みの打ち上げでもしよう。
焼肉などどうだろう。
ヨガのレッスンを受け終えたばかりの家内は帰途にあった。
つまり誘ったタイミングがドンピシャ。
焼肉屋で合流することで話が決まった。
わたしは「焼肉やっちゃん」に電話してみた。
評判高くかねてより注目している焼肉屋だった。
幸運にも空席があった。
店の前で待ち合わせし、午後7時、夫婦並んでカウンターに腰掛けた。
店は満席で切り盛りは一人。
早めの注文が賢明、そう判断しめぼしいところを一気に注文した。
上タン塩、上ハラミ、上バラ、上ミノ、アカセン、そしてニンニク焼き。
タレなど不要。
ワサビと塩をつけるだけで十分おいしい。
それほど上質な肉だった。
二人で肩寄せ一枚一枚ゆっくりと肉を焼く。
その肉が息を呑むほどの美味しさ。
今まで食べたなかで一番。
そう言ってもいいくらいであった。
隣席は名古屋からの客。
大阪に来たならここ、そう決めてあったと店主に語ってじゃんじゃん肉を焼きうまいうまいと頬張っている。
夫婦で思うことは同じ。
今度は長男を連れて、二男を連れて。
二人の喜ぶ顔を想像しつつ、まずは夫婦が先発隊として幸福な時間を満喫した。