ストップと言わない限り延々。
まさに手を変え品を変え、趣向に富んだ串カツが眼前に置かれ続ける。
同じペースでビールを飲み、だいたい同じピッチで串カツを頬張り、そして足が止まるのも同時だった。
どちらが早いかストップと声揃えるように店員に言い、ジョッキに残ったビールを飲み干してお開き。
飲んで食べて大満足。
男なら誰もが同意見。
ナニワ飲み場の原点は串カツをおいて他にない。
串カツだからか、その名は活。
店を出てそこで鷲尾先生と別れた。
梅田三番街を抜けわたしはJRの駅へと向かった。
神戸線の電車が発車間際。
駆けて飛び乗り電車に揺られた。
混み合う電車のなか夕刻以降に届いたメールをチェックしていく。
上の妹から届いたメールのところで吊り革掴む左腕に力が入ってガッツポーズするみたいになった。
姪っ子の吉報がただただ嬉しい。
うちの息子と同い年のいとこ同士、来春には東京で仲良く楽しく助け合う姿が目に浮かぶ。
すぐさま家内に伝え喜びを分かち合った。
帰宅し風呂を終え前夜に引き続きヘッドマッサを受ける。
これがあるのとないのとでは大違い。
人間の幸不幸は、寝起きの瞬間にほの見える。
浮かぬ寝起きの人生よりは弾む寝起きの方が好ましい。
後者の朝を得るうえで家内のヘッドマッサが欠かせない。
施術を受けつつうっすら目を開けてみる。
手元灯の光がその輪郭をやわらかに照らし、後光差すように見えた。