金曜に続き土曜も京都にて業務を行った。
事務所に戻るとすでに夕刻。
休む間もなく地下鉄を使って北浜に向かった。
目指すはル・ポンドシェル。
そこで恒例の新年会が行われる。
そのクリニックにとっては正月元旦のような行事と言える。
午後6時半、わたしはちょうど定刻に到着した。
関係各者集まり2階会場はすでに賑やかな盛り上がりを見せていた。
主催者によれば全出席者のうち3分の1は医師が占めるという。
見渡せば知らぬ方々も多々あったが、自然な流れに任せ若気の頃のように挨拶に回るということはせずにおいた。
この歳になれば性分通りに振る舞うのでいいのではないだろうか。
そもそもが照れ屋で恥ずかしがり屋であり、控え目で遠慮がちな性格。
ビールを注ぎ合った方とは名刺を交換し、もっぱらの時間は見知って久しい臨席の弁護士先生と四方山話に花を咲かせ過ごした。
途中、ゲームがあって昨年はカブトムシを食べ大活躍した私であったが、今年は人間ボーリングで腕をふるって会場の歓声を集めることになり、酔えば酔うほど楽しい宴となった。
だからカネちゃんが、かねしろ内科クリニック開業の挨拶をする段にあっては、会場のボルテージも最高潮に達し、まるでその門出を祝う会といった様相さえ呈した。
宴を締めくくる抽選会ではまたも弁護士先生の引きが良かった。
昨年は一等賞であるリッツカールトンでの食事券が当たって、今年は二等賞として最新型のルンバを手中に収めた。
先日、我が家ではルンバを買い替えたばかり。
だから余裕をもって良かったですねと祝福の言葉を述べ、そしてわたしは自身の抽選の行方に固唾をのんだ。
当たると信じていたが、実際に当たるとこれは嬉しい。
5等の品として、わたしは陳列される賞品のなかもっとも大きいものを選んだ。
昔話のおじいさんとは異なり、わたしはまだまだ壮年。
小さい方を選ぶほど耄碌はしていない。
そして品物を見て、わたしは歓喜した。
なかにあったのは、シャトルシェフだった。
家内の喜ぶ顔が浮かんだ。
自分のことで喜ぶより、その方がはるかに嬉しい。
そしてわたしが歓喜したように、賞品が当たってあちこちで皆が大なり小なり喜んで、酔いも回って幸せ満喫という雰囲気に会場は包まれていた。
だから、相良さんが隣席に座る弁護士先生を次回の飲み会に招いたのも自然な流れであった。
二つ返事で承諾があり、31日のゲストとしてお見えになることになった。
わたしはその日、明石での業務を終えてなんとか時間ギリギリ、店に到着する予定である。