KORANIKATARU

子らに語る時々日記

隠されたアウトサイダー願望

三人寄れば文殊の知恵というが、もしうちに三人目がいたらどうであっただろう。

金曜夜、ジムを終え風呂を済ませ、ひとり居酒屋でビールを飲みつつ想像を巡らせた。

 

上の二人は生真面目からはほど遠いが根は真面目。

だから無軌道になることはなく、この先よほどのことがない限りフェアウェイを外れることはないように思うしそう願う。

 

おそらく三人目も家内の真面目な遺伝子を引き継いで同様となる。

そう考えるのが妥当だろう。

 

が、たとえ遺伝子はそうであっても、上二人の真面目の反動といった作用もあり得るかもしれない。

フェアウェイとは別向きの不良願望のようなものが未成就のまま二人に残っていて親にもそんなものが残存しそれらが妙な具合に三人目に投影されれば、根が真面目な分、皆の期待を背に受けるみたいにその成就に走ってしまうというようなことである。

 

同じ兄弟姉妹なのに、一人だけ軌道を外れているというケースが実際見られる背景にはこのようなメカニズムがあるのではないだろうか。

 

もしそうなると三人目は勉強を拒み遊び歩いて結果低学歴に終わりこれといった技能もなく定職につかず、一見、家族の頭痛の種になるがしかし、奥深いところで家族の隠れた願望を達成しているのかもしれず、満更でもないという遠回しな現状肯定によって事態が家族に追認され続けることになる。

 

ビールをお代わりしたところで、しかし三人目と出会うことはありえない話であり家族が増えるとすれば息子が嫁をもらうときであると気づき、引き続いては嫁について考えることになった。

 

もし結婚を考えるような人と出合ったとき、その人が一見まともな人物に見えてもまず真っ先にすべきは、その家族と会うことだろう。

万が一、他の家族の潜在的なアウトサイダー願望を投影された人物であれば、バックに支援者がいるようなものであるから伴侶として招き入れたが最後、無軌道に突っ走られて、手を焼くといった話では済まされない。

 

その確認を大前提として、そのうえで人生の先輩としてやはり強調しておかねばならないが、顔形はやはり二の次三の次であり、なにより大事なのは真面目で心根よくカラダが丈夫、ということだろう。

 

打ち込んだ趣味やこれまでの経歴から、注いできた努力やくぐりぬけた訓練の過程が垣間見えるだろうから、それらも判断材料として軽視できない。

 

この先、日本はみるみるうちに衰退し、格差は更に拡大していく。

余力ある者などごく一握りとなって、多くは必死のパッチの生活を余儀なくされる。

 

日々の暮らしをつつがなく営み子を育てる。

そんな当たり前が簡単なことではなくなっていくということである。

 

だから、これは男女お互い様の話として、手堅く暮らす知性と好きなだけ働くことのできる能力と体力と気力が不可欠となる。

 

もしかしたら、日本を出たほうがいいという選択さえ検討する局面もあるだろう。

 

伴侶が幼稚すぎその子守りが必要となれば端から落伍は必至。

結婚生活などうまくいくはずがない。

 

だから、真面目で心根よくカラダが丈夫、に加え、頭が良くて英語が話せて、といった条件もあった方がいいのかもしれず、そうなるとますます顔形など四の次五の次といった話になってくる。

 

身近においても周囲見渡せば参考となる事例も少なくないだろう。

 

たとえば至近で言えば、うちの家内などどうであろうか。

いまは家族の後方支援に徹し専業主婦の仮面を被っているが、本気出せば、ばりばり仕事し日本経済をささやか回す逸材に違いない。

 

料理が抜群に上手で英語ができ希少価値ある国家資格があってアロマ耳つぼの腕前はプロの中でも一線級。

 

だから子が巣立った後、留学生らが過ごす破格に快適な住居のランドレディーになることもできるし、その傍ら自らサロンも開けるだろうし、資格を活かして報酬を得ることもできる。

 

パートに出たり、さもしいようなネットワークビジネスに首を突っ込んだりせずとも、自力で十分な糧を得ることができるだろう。

 

3本目のビールを飲み終えたところで、食べ残しはあったが勘定にしてもらう。

 

ぶらり帰りつつ考える。

 

そんな相手は探せばいくらでもいるはずである。

それに、もし万一間違ったとしても互いカバーし合えばなんとかなるので、要はアウトサイダーにだけは気をつけようというのが今夜の結論となるだろう。

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2019年4月19日午後7時 近所の居酒屋