KORANIKATARU

子らに語る時々日記

土曜午後、男四人で野球観戦

武庫川を走って一時間。

カラダを十分に温めて裏庭に出た。

 

長ズボンに長袖シャツ、そして首にタオルを巻いて帽子を被った。

これで準備万端。

 

ほんの少し放置していただけ。

そんな感覚であったが草木伸び放題となり、なかには隣家の境界をまたぐ背になる木もあって落ち葉などで近所に迷惑かからぬようする必要があった。

 

軍手をはめ、何でも切れるという触れ込みの万能目と万能鋏をそれぞれ左右の手で握りしめた。

 

前日、コーナンで買い求めた。

怒ったランボーならこれだけで敵を殲滅させることができるであろう鋭利なナイフと鉄線でも軽く断ち切る堅牢な刃を持つハサミ。

 

こういったものを手にすると人格に変化が生じる。

レジに並んだ時点で眼光鋭くなり、唸りのようなものが腹に宿った。

会計を済ませた後、肩で風切って歩いたがこのとき天敵に出くわさず幸いであった。

 

裏庭に出て、さあいよいよ待ちに待った快刀乱麻の時間。

 

木々の枝を万能目でぶった切り、生い茂る草木を根こそぎにし、絡まる蔓を万能鋏でブッチブチに切断していった。

 

手当たり次第に切り刻んで一時間。

裏庭が整然となって日の光がさんさんと差し風が四方へと自在に吹き抜け、散髪後のようなスッキリ感を覚えた。

 

人というものは不意に自身の適性に気付くことになるようだ。

わたしは庭仕事に向いている。

この作業を通じそんな確信を得た。

 

家内が帰ってきたら、植えて育てる種と苗木を選び裏庭再生作業に乗り出そう。

そう思うと気がはやり、ガーデナーとなる日が待ち遠しくなってくる。

 

生きる喜びをひとつ得て、風呂に入って家を出た。

 

途中、名店鳥よしで焼鳥を見繕う。

種々12本を1セットとし4セット買い求めた。

 

そこから歩いて甲子園球場まで30分もかからない。

空が分厚い曇で覆われはじめるが、雨降る気配はない。

 

野球観戦するならこれくらいの方が楽で過ごしやすい。

 

この日の広島戦、松本亘くんがチケットを手配してくれた。

彼が企画者で、そこに姜昌勲くん、石本佳之くんを含めた計4人でバックネット裏の特等席からタイガースに声援を送った。

 

全員が大阪星光の33期。

ここでわたしは彼らを「くん」づけで気軽に呼ぶが、彼らが身を置く世界ではいずれも先生と敬意表される存在であるから、これまたいかにも星光らしい話と言える。

 

試合については記憶にないが、隣席の二人連れ男性の会話が印象的だった。

 

一人が言った。

なんでタイガース・チアガールに美人がいないか分かるか。

 

間髪入れず相方が答えた。

美人はもっと楽で稼ぎのいい仕事を選ぶから。

 

不正解。

グランドは狼どころか虎だらけ。

もしブラックピンクみたいな美人がグランドで足高く上げて踊るとなれば、選手がすぐに手を出し必ずスキャンダルに発展する。

だから応募してもどれだけダンスが上手でも、美人は絶対にチアガールに選ばれない。

 

その正解を聞き、相方だけでなく周囲に座る全男性がおーなるほどと頷いた。

心ない関西人ジョークの貴重な典型例として、この話は必ず日記に残しておきべきだろう。

 

そしてもうひとつ特筆は、33期柴田昌彦くんの会社が販売元の『フクラスくん』

 

野球ファンを泣かせてきた風船の悩みが、これですべて解決をみるスグレモノである。

 

『フクラスくん』を使って風船を膨らませれば、空気が逆流することなく口を離してもしぼむことがない。

だから、雑談しながらまたはビール飲みながらあるいは咳き込みながらでも気軽に風船が作れて、かつ幾つも作り置きもでき、しかも衛生的。

 

トランペット吹くみたいに顔面を真っ赤にして一心不乱、風船と格闘した観戦の日々は『フクラスくん』によって遠い昔日の思い出となった。

 

次は「ロイヤルスイート」席を確保してミニ同窓会を行おうと亘くんが言ったので、遠くない将来実現するのだろう。

球場を一望するバルコニー席からジェット風船をわんさか飛ばせば、人生後半戦のいい景気づけになるような気がする。

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2019年5月18日 ポンデザールからルーヴル

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Henri Matisse, Célébration Parisienne

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2019年5月18日15:42 直後凄まじい打撃音残し特大左越え本塁打