KORANIKATARU

子らに語る時々日記

無名の平穏こそが最上

武庫川をひとっ走りしたあと裏庭の手入れにかかった。

思った以上に骨が折れ汗だくになった。


屋内を受け持ち掃除している家内がベランダから顔を出したので言う。

喉が乾いた。


家内が冷たいお茶を下まで持ってきてくれる。

風呂上がりに飲むビールよりうまいと感じた。


雑草など詰めて締めて10袋。

裏庭が見違えちょっとした庭へと変貌した。


慣れない肉体労働に勤しんだからだろう。

食欲わかず家内とともに昼はスイカだけ食べた。


用事があって家内を横にのせクルマで出かけた。

中途半端な時間にお腹が減って寿司を食べようと話は決まるが近くにある名店とびこめは午後は休憩中で持ち帰りしかできないという。


上握り二人前とトロたくを頼みわたしが受け取りに行った。


ちょうどテレビで早慶戦が放送されていたので一緒に見ながら寿司を食べた。


長男の入学式の際に目立っていた応援指導部の面々が随所に映ってその度家内は指差して喜んだ。


久々に食べたがやはりとびこめの寿司は格別、美味しい食べ物のありがたさが身に沁みた。


なんでもない一日。

二男は運動会のあと部活仲間とグランフロント白雲台に向かい山盛りの肉の写真を送ってきた。

長男は友だちと過ごす一シーンを写真で送ってくるがテーブルの上にあるのがペヤングなので笑ってしまう。


エゴや我執が顔を出す余地なく無色透明。

誰でもない者として味わう無名の平穏こそが最上。

ありふれたことがかけがえのないものと素直に思え家族皆が愛おしく感じられた。

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2019年6月2日午後3時 とびこめ