山の日だから日帰りで山に登った。
そんなメッセージとともに長男から写真が送られてきた。
お盆には帰省する。
そんな考えもあったようだが、あれこれ忙しいようである。
元気で過ごしているなら、それで全然構わない。
以前わたしと話したとき、彼は言った。
「盆と正月くらいは祖父母の顔を見に帰ろうと思う」
彼からそんな言葉が聞けるとは思っていなかった。
いつの間にやら大人になりつつあるということなのだろう。
義理堅いのは正しいが、盆と正月でなくても帰ってきたときに顔を出せばいい。
それで十分である。
第一、近くにいるわたしたちが双方に顔を出している訳ではない。
わたしは父の言葉を彼に伝えた。
自分のことに専念し、こっちには構わなくていい。
十中八九、義父もそのように思っているに違いない。
父方の剛の祖父と母方の柔の祖父、どちらからもほんとうに優しくしてもらいよき影響を受けた二人の息子であった。
わたしが思う以上に彼らにとって二人の祖父の存在は大きく、他の誰よりも比重大きく心の中に息づいているようである。
男同士なのだからそれでわたしは十分だと思う。
また顔を見る機会があるだろう。
年に一度でも顔見せれば、その成長した姿でもってお釣りくるくらいに義理が果たせる。
男子の健やかな成長を一番喜んでくれる者、それは古来から変わらず祖父という種族なのである。