日曜日の朝。
すでに二男は出かけていて、家はわたしと家内の二人のみ。
師走に入って美食が続いている。
それで家内の生活指導がいよいよ本格化することになった。
朝食は鶏団子の生姜スープのみ。
食後、わたしが運転し向かうはジム。
このところ休日のジム通いが当たり前の習慣となった。
朝9時前、人もまばらと思いきや休日だからかそこそこ人がいる。
まずは筋トレ。
筋トレすると意識が澄んで感情の動きを鋭敏に捉えることができる。
通りかかる家内にしばしば話しかけられ、わたしはそのたび得意な気分になっている自分に気づいた。
ジムで見ると家内は結構見映えがいい。
日頃からトレーニングを欠かさないし食べるものに気を遣い美容にも気を配っている。
ウェアも最先端。
スレンダーなカラダにジャストフィットし、なかなかのもの。
そんな女子に親しく話しかけられるわたしはその夫。
こう見えて風采あがらぬただの中年親父なのではない。
周囲の男性諸君に対し少しばかり誇らしいような思いとなるのも致し方ない話だった。
見てくれはついでの話。
昨日の日記にそう書いたが、撤回せねばならないだろう。
妻の見かけは夫の自尊心と不可分に結びつく。
女房の器量や体型が、もし万一残念な部類に属した場合、もしかしたら夫は、顔を上げては道を歩けず、他者に対して胸張れず、そこらチンピラにいいように小突かれ蹴られ唾吐きかけられても抵抗できないということになるかもしれない。
向かって行くという男子の気概の主要部を女子の見映えが担っているのだとしたら度外視などできるはずがない。
やはり惚れた腫れたというパッション抜きに人生は語れないということだろう。
運動を終えスーパーコーヨーで買物して帰宅。
昼食もまるでアスリート仕様。
サーモンのレアステーキにサバの塩焼き。
メインは鶏むね肉のソテー。
そこにアボガドサラダが添えられた。
どうやら炭水化物ダイエットが再開されたようであった。
手間がかかって家内には苦労かけるが、これも何かのきっかけ。
流れに乗ろうとわたしは思った。
昼食後、家内が作った弁当を二男に届けるため、わたしは梅田に向かった。
弁当もそこそこの分量あるが夜までの長丁場。
何か好物も織り交ぜようと阪神百貨店の地下食をぶらついた。
まずは魚伊の上うなぎ弁当に目が留まった。
二男も大のうなぎ好き。
2,500円と値が張るので一瞬怯むが、このところどこにも食べに連れて行っていない。
それで手に取って、また思う。
夜食にも何かいるだろう。
隣接のさかなやの寿司屋で海鮮丼980円をおやつとして選んだ。
無事息子に手渡し、ひとり梅田をぶらつく。
まもなくクリスマス。
繁華街に行き渡るほんのりとした冷気が心地いい。
ふと、おいしいラーメンでも食べようとの思いが頭に浮かぶ。
が、家内の努力をふいにすることが申し訳なく、何とかその思いを断ち切った。
家に帰宅すると夕飯は鍋。
豆乳ベースの出汁で煮込んだ豚しゃぶの用意が整っていた。
飲み物はカティサークのハイボール。
夫婦で並んで鍋をつついて、M-1グランプリを見て笑う。
かまいたちのUFJとミルクボーイのコンフレークの際には、文字通り抱腹絶倒となって食事どころではなかった。
このようにまた何ら代わり映えのしない日曜日が過ぎていった。