KORAIGAINIMOKATARU

子らに語る時々日記【抜粋】

Pia's the Padi は奇跡のようなレストランであった

タクシーに揺られ半時間。

島一番のレストランは辺境とも言える地にあった。

 

地味で小さな建物が点在するだけの僻地の村のなか、突如瀟洒な佇まいのレストランが出現する。

中に入ると、趣深く、向こう側に開ける牧草地からさわやかな風が吹き込んでくる。

耳を澄ませばどこか農村で流れるラジオ音楽も風にのって届く。

 

Pia's the Padi は奇跡のようなレストランであった。

ネットで見れば外国人ツーリストの間からの評価は絶大だ。

 

フレンドリーでどこまでもカインドな両親と娘が店を切り盛りする。

心やすらぐいわばカモメ食堂といった雰囲気である。

 

そして、出てくる料理がどれもこれもすばらしいのだった。

 

わたしたちはチーズガーリックトーストに息をのみ、チキンカレーに声を弾ませ、ビーフに唸ってエビにとろけた。

 

神戸や大阪で数々の名品に接してきたわれら食いしん坊家族であるが、これほど意気投合し満場一致で美味しいとうなずきあって賛嘆しあった食事は皆無であった。

 

日本のアニメが好きで日本語を勉強しているという娘さんが給仕してくれる。

 

彼女が言うには日本人はめったに姿を現さないということなので、ピア・ザ・パディ、こぞって行くべき名店であると是非ともおすすめしておかねばならない。

 

店主や娘さん等と話している間に迎えのタクシーがやってきた。

店の前まで勢ぞろいして送ってくれ、手を振っての別れとなった。

 

食事するということの真髄について子らは学んだに違いなかった。

一生の思い出になる夕飯となった。

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