KORANIKATARU

子らに語る時々日記

互いが実にいい話し相手

家族4人がラインで繋がっている。 この日の午後、長男がメッセージを発しそれが合図となって、各自それぞれの場所にて一つの画面に集まった。 大使館でのインターンシップがいよいよ始まる。 様々なスケジュールが組まれるなか、来週は大使に随行し国会議員…

女房と二人、家で食事し映画を観た

日曜日、空晴れ渡る静かな朝。 爽やかな緑風に誘われ窓際に立った。 目の前の公園で、母が子を特訓している。 母が次々とボールを投げ、子が打ち返す。 クッションの弱いボールだから飛距離は出ない。 真芯で捉えたときだけ母の足元までボールが届く。 ここ…

居住する時間の質の変化

誰にだって連続記録というものがある。 今日を含め連続2,169日。 一日も欠かさずこの日記は継続している。 禁煙だって今日で5,427日の継続をみた。 単なる習慣。 続けたから続いた。 それだけのことである。 お酒については、口にしなくなって今日で5日目と…

友がみな我より偉い

つい先日まで受験生の親という立場だったから関心がない訳ではなく、子らが早慶に進んだから、ついつい夫婦揃ってYouTubeで早慶受験といった学歴動画をみてしまう。 この日も家内と夕飯をともにしながらひとつ見て、子ども相手の与太話であるにせよ、なんと…

原初の時間との再会

食べる端から家内がバゲットを切り分けハムとチーズを挟んでくれる。 向かい合って食べ、飲み物はゲロルシュタイナー。 わたしがお酒を飲むから家内も一緒に飲んでいただけであり、わたしが炭酸水を飲むなら家内もそれで構わないのだった。 平穏な夕飯を終え…

子どもの日、子らに学ぶ

息子らとは30ほど歳が離れている。 この30年を振り返り、彼らがわたしの年齢に達する30年を想像してみた。 属する階層を異にする。 そう言うしかないほどの差をありありと感じた。 わたしはと言えば、数々のチャンスを傍観しのんべんだらり無為に過ごしてき…

行って帰って頭に浮かぶのは息子たちのこと

祝日にはこうあってほしいというような晴天。 初夏の陽気に誘われて、武庫川沿いを走った。 水流と土と木々の香りが相まって颯々と吹き渡る風が実に心地いい。 走ること自体の幸福にひたりつつ海へと向かい、いつしか頭に二男のことが浮かんだ。 わたしには…

東京からの声に耳を澄ませる

祝日の朝、ジムにひと気はなく老夫婦が一組いただけだった。 婦人はただバイクをこぎ、夫はあれやこれやマシンを渡り歩いていた。 婦人はただの付添い、そう見えた。 ひととおりのメニューをこなし外に出るとちょうど真ん前。 その老夫婦が信号待ちをしてい…

その昔、浅草での一場面

わたしはその場に居合わせなかった。 浅草でのこと。 仲見世の一角で家内と二男が串団子を買った。 店先の端で食べていると、隣の店主が凄い剣幕で店を飛び出してきた。 「迷惑だ、そこで食べるな」 二男は一喝された。 二男の立ち位置が隣の店に少し被って…

初老夫婦の共通の楽しみ

もともとこのGWは家内と一緒に東京で遊ぶ予定であった。 5月3日にまるで惑星直列、家族4人全員のスケジュールが合致するのだからそれ以外の選択肢はなかった。 その日に合わせ旅程を組んでいた。 が、同時期に非常事態宣言期間が覆い被さった。 家族で話し…

仕事の喜びは相手が喜んでくれること

職住近接。 寝室を出て廊下を跨げば書斎。 朝4時過ぎ、デスクに向かう。 コックピットに入るようなもの。 寝床よりもはるかに落ち着く。 ただただ仕事と向き合う時間を過ごす。 集中度はかなり高い。 ひと仕事終えて朝食を済ませ、もうひと仕事してから事務…

雨降る祝日、カネちゃんが家まで来てくれた

高熱が出て母がうずくまっている。 妹から伝えられる詳細を聞いて水曜夜、急ぎ親元に駆けつけた。 近所の病院の診察だけでは心許ない。 一刻を争う状況なのかもしれない。 救急車を呼ぶべきか。 が、素人同士が話し合ったところで埒は明かない。 金城先生に…

如何ともし難い幸福体質

ジャスミンの香りは夜に増す。 昼、平野の丸徳でにんにくラーメンを食べ、その濃厚な匂いがカラダにまとわりついていたが、リビングに満ちる甘い香りで中和されたような気がした。 ため息でも漏れたのだろう。 帰宅したばかりのわたしの疲労を察知した家内が…

事務所移転の転地効果

陽光を受け新緑が目にも鮮やか涼風にそよぐ。 その向こうは青一色。 あまりに心地よく自転車を漕ぐだけで笑みがこぼれた。 この日、家内は自転車を駆って事務所界隈を縦横無尽に走破した。 その昔、城主に仕える実務家たちが暮らす町であったから、大阪の谷…

思考は巡り巡って自らに向いた

テレビは要らない。 当初から長男がそう言っていたから、テレビを送ったのは上京して数ヶ月も経った8月のことだった。 二男も同様。 テレビは不要と言って欲しがらない。 しかし、このご時世。 何かあったとき、社会の窓として必要になることもあるだろう。…