KORANIKATARU

子らに語る時々日記

自分の時間を生きる

家に帰ると親父がいる。 平日なのにしょっちゅう。 子らはそんなわたしの姿をみて育った。 学校も塾も決められた時間まで拘束される。 よって否応なく時間に重さがあることを体感することになる。 時間から解き放たれて見える親父を目にし、彼らなり何か感じ…

あとは彼らが快走する

朝9時を過ぎ、じりじりと暑さが増していった。 が、青い空を背景に浮かぶ真白な雲のふんわり感が愛らしく、なみなみと満ちて流れる清流が目に清涼で、かつ青々と茂った樹々が日差しを受けて嬉々と輝き、そんなビジュアルに四方を囲まれるから気持ちがいい。…

真面目は野暮でダサくて疎まれる

好きなことが書ける。 これが日記のいいところだろう。 カラオケで歌ってすっきりするようなものである。 また、思っていることを残し伝えることができる。 これもまた日記のいいところだろう。 死んだあとでも日記を通じ子らと交流できる。 そう思うと楽し…

わたしの息子は家内の息子

夕刻になると気持ちがやすらぐ。 金曜は特にそう。 家に帰って風呂の支度をしていると、まもなく家内も帰宅した。 午前中に整体を受け午後にヨガ。 そして仕上げに梅田のカリスマによるヘッドスパを受けてきたというから、見るからに家内は元気ハツラツとし…

父から子へと伝える仕事術

昔は起き抜けと同時に仕事にかかっていた。 やるべきことに胸ぐらを掴まれ揺り起こされ、その手から解放されるには仕事に向かう他なかった。 かなり強めのストレスが動力源となっていたと言えるだろう。 「張り」を与えてくれる分にはストレスも善ではあるが…

笑った顔をいつか遠くから眺める

電話が鳴ると身構えた。 快方に向かうと信じつつも、病院から連絡がある度に心が乱れた。 一進か一退。 そのどちらかが告げられた。 一進ならほっと安堵し、一退なら気が塞いだ。 両極端を行きつ戻りつし、その振幅の分、願いの切実度だけが増していった。 …

楽で楽しいのには訳がある

午前中は自宅で仕事をこなす。 これで食生活が様変わりした。 以前は早朝に出勤し、そこらで朝を食べ、家内手作りの弁当とは別にそこらで昼を食べ、遅くなるときにはまたそこらで夕飯を済ませ、かなりの頻度で一杯(たいてい一杯では止まらなかったが)引っ…

平地から高台、そしてまた平地

新しいズボンと靴を選ぶ。 家内がそう言うので、夕刻、職場を抜け本町に向かった。 わたしの着衣は問屋に並ぶ。 アウトレットや百貨店だと落ち着かない。 滅多なことがない限り、わたしは身の丈を超え出ない。 出過ぎた真似は、人生のなか東京で暮らした一時…

互いの没頭が競争心に火をつけた

日が差したのは久方ぶりのことだった。 朝食を終え、家内がベランダに布団を干し始めた。 わたしもつられて、裏庭に布団を運んだ。 これを皮切りに大掃除にかかる日曜となった。 家の南側で布団に陽光を浴びせる間、寝具を洗濯し各所にルンバを走らせ、わた…

長男長女の真面目なチーム

自転車で前を行く家内が時々おどける。 後ろから見て、笑ってしまう。 向かうは、わしお耳鼻咽喉科。 土曜の朝はワクチン接種から始まった。 受付の感じがとてもよく、動き回るスタッフみなが優しくて親切。 安心感に包まれた。 夫婦並んで座って接種は一瞬…

定番の懐メロのごとく同じ話がヘビロテされる

子の中学受験を無事に終えたとき、33期の4人で飲み会を行った。 あれから6年。 晴れて大学受験も終わったが、時はコロナ禍。 飲み会など発想することさえためらわれた。 が、大阪に発出されていた緊急事態宣言は解除され、4人までなら飲んでもいいとお上…

女房とひさびさ明石で寿司

業務を終え電車に乗ったとき、「いま、明石に着いた」とのメッセージが届いた。 10分後、明石駅の改札前で家内と合流した。 兵庫知事選は7月18日。 駅前で候補者が演説をしていたが人はまばら。 候補者の真横をやあといった感じですり抜けて、タクシーに乗…

どちらか迷えば情報の多い方を選ぶ

雨が小降りになって往来を見ると傘を差さず歩く人がちらほら見えた。 窓の外に手をかざすと、水滴がたまに落ちてくる程度。 この瞬間を捉え、わたしは事務所を後にした。 念の為、傘を持って出たのが不幸中の幸いとなった。 堺筋本町にある役所に寄った。 小…

蝉が鳴いて夏到来

朝、蝉が鳴いて、家内と顔を見合わせた。 いよいよ夏が到来したのだった。 だから気分が盛り上がった。 初物となるバックコーラスに心を弾ませ、夏らしく冷やしそうめんをすすった。 蒸し暑さに一服の清涼が添えられて、この風情、まさに日本の夏の光景と言…

この先ずっと見守ってくれる

天気が心配されたが明け方には雨があがって、その後はずっと曇り空が続いた。 午後になって式が始まり、わたしたちは墓前にて手を合わせた。 ふと横をみるとそこに母がいるとしか思えない。 やはりわたしたちはまだその不在を呑み込めていないのだった。 無…