ほっと一息つける日があるからやっていける。 月末から十月序盤にかけては目も回る忙しさだった。 ここ二日ほどは武庫川を走る暇もなく、カラダ全体の鈍重感が増していた。 だから数時間の軽作業で課題が終わるこの木曜は、待ちに待った安息日のようなものと…
ある程度のところまでくれば楽になる。 が、なんであれ最初はしんどい。 駆け出しの時代、出先でよく顔を合わせる若手がいた。 日々の労苦が分かるから、会うたび互いをねぎらい励まし合った。 数年前、独立したとの挨拶状が届いたが、いつしか出先に足を運…
日曜の朝、J-WAVEを聴きながら武庫川を走り、午前中には家内とクルマで家を出た。 快晴の2号線を神戸方面に向いて、まもなく芦屋のロイヤルホスト。 窓側の席に腰を落ち着けた。 ファミレスは作業にうってつけ。 いつのことだったか、星光33期の姜昌勲くん…
下町で生まれ育ったから身に沁みて理解している。 うな丼に松竹梅があるように、社会には階層がある。 良し悪しはともかく、あるものはある。 物心ついたときにはすでに序列が存在し、同じ国語を使っているから語感に意味が伴ってその観念が身の深奥に縫い込…
朝5時、家内が誰よりも先に起き朝食の支度を始めた。 家庭教師のバイトが10時から。 だから朝6時半には出発しなければならない。 ひとりの東大生がそう言ったから、早朝からの準備となった。 朝食はセルフ・サンドイッチ。 手間はさほどではなかったがそれ…
土曜日の朝8時半、家内を助手席に乗せたクルマが家を出た。 ちょうどラルフの割引ハガキが届いていた。 東京に帰る前に冬に向けての服を買い、ついでに兄も分も持ち帰ればいい。 それで三田のアウトレットが行き先に決まったのだった。 行き帰りを通じ二男…
各点が一箇所に集結。 そうなる日が楽しみだと昨日の日記に書いた。 やはりどうやら、書けば叶う。 運転免許合宿を終えた男子らが今夜うちに集まり一泊することになった。 一日遅れで筑駒の二人が今日北播での合宿を終える。 夕刻、うちに荷物を置いて皆で梅…
自身はさておき、友だちが揃いも揃ってみな優秀。 そんな状況がわたしと瓜二つであるのがおもしろい。 そうなるよう父子で何か受け継ぐものがあったのかもしれない。 わたしも息子たちも中学受験と大学受験という奮闘を一応は経た。 傍流の側にあるから学歴…
夜、風が涼しい。 ベッドに横になり秋の空気を満喫しつつ本の頁を繰る。 隣の家から家族団欒の声が聞こえてくる。 左隣からは母娘で何か一緒に歌う声。 歌番組でも観ているのだろう。 一方、右隣からは父娘の歓声が届く。 こちらはスポーツ観戦だろうか。 そ…
記憶は定かではない。 神戸でピザを食べた帰りだろう。 ということは長男が5歳で二男が3歳。 どこか建物の前で二人がおどけて踊っている。 ともに笑顔。 そんな写真を自室のデスク横に貼ってある。 仕事を終え武庫川を走り先ほど宅急便の再配達を受け取り…
近所に越してきた奥さんが、知らぬ顔をする。 顔を合わすたび会釈するのに無視されるから気が悪い。 そんな話を父から聞いていたので、当然、わたしは会釈すらしない。 実家に寄る際、その奥さんをしばしば見かける。 わたしがとおりかかるときには夫もいて…
日曜の午後、雨があがるのを見越して武庫川に出た。 が、走り始めた途端、雨脚が強まった。 今更、引き返せない。 天気の回復をあてこんでそのまま走った。 急に秋めいて風がひんやりとし、そのうえ雨。 人影はなく、視界には勢いを増す川の流れと雨滴とわた…
土曜日は朝から夕刻までデスクワークに勤しんだ。 普段は外出が多いのでそのようなことは珍しい。 かなり捗った。 仕事にかかる前の気重さが消え去って、心は晴れ渡った。 頭を使うのは楽ではない。 だから相手がデスクであっても立ち向かっていく際には幾許…
敬老の日、実家に寄ってひととき父と過ごした。 二人でぽつりぽつりと会話する。 少しでも前向きな話題にしよう、そうわたしは心がける。 いい季節になる。 孫が元気に過ごしている。 時間の射程を長めにしそこにも良いことを散りばめる。 そのうちコロナ禍…
昼前には出かけると家内が言うので、午前中に武庫川を走った。 日差しはずいぶん和らいで、風が気持ちいいからへばることがない。 ちょうど一時間走ってシャワーを浴びた。 ほどよい疲れのまま家でのんびり過ごしたいとも思ったが自身を励まし支度した。 向…