KORANIKATARU

子らに語る時々日記

真っ暗なのも日常の一側面

一気に気温が上昇し、暑いとも感じられた土曜の朝、Tシャツと短パンで武庫川に繰り出した。 空も川も土も緑も、視界のすべてに光があふれていた。 それら光を全身に浴びて走って、カラダは歓喜するかのように発汗した。 家内は朝から料理に掛かりっきりで、…

エンドロールにわたしの名

明石での業務を終えて夕刻。 先日訪れた居酒屋「道場」のことが頭に浮かんだ。 あとは帰るだけ、しかも金曜。 自らをねぎらってもいいのでは。 そんな考えがちらと頭をかすめたが、そのまま電車に乗った。 何でもひたむきに継続してしまう性格である。 ここ…

自分の呼吸、自分の歩幅

前夜の帰りが午前様だったからゆっくり眠った。 幸い木曜はゴミ出しがない。 そんな些細なことが実に嬉しい。 事務所には向かわず、午前中、自宅にて業務を進め午後一時に家を出た。 ぽかぽかとした陽気のもと、がらがらの電車に乗って東大阪まで揺られた。 …

エスケープ・フロム・ガンマGT

このほど検査結果を聞いた。 10月16日時点の数値が79。 人間やればできる。 このとき耳にした長谷クリニック院長の言葉をわたしは生涯忘れることはないだろう。 つい半年前、4月16日に358だったから大改善と言えた。 先日、田中内科クリニックにて129との数…

ほんの少しだけ世界が広がった

長男から家内に電話がかかってきた。 先日送った荷物のお礼だった。 運転しながらわたしは漏れ聞こえる声に耳を澄ませた。 グリーンのポロが気に入ったようで、「緑にはまりそう」との息子の言葉に家内はたいそう喜んだ。 長男と話してまだ足りない。 家内は…

白と黒の間でやめておく

これも忘れぬ内に書いておこう。 日曜日、第二阪奈道路をくだっているときのこと。 ある人の話題になって、わたしは批判めいたことを口にして勢いづきかけた。 助手席に座る父が静かに言った。 白と黒の間でやめておけ。 それで気づいた。 うっすらグレーで…

その横をずっと一緒に歩いてきた

朝10時、実家の前にクルマをつけた。 玄関で待っていた父を助手席に乗せ、空晴れ渡る日曜日、クルマを生駒へと走らせた。 母が他界しまもなく半年になる。 が、いないということがまだ信じられない。 みな感じることは同じだが、ともに暮らした家で過ごす父…

小ウソもウソもウソはウソ

最初は頭から信用していた。 人伝てに聞いて、その男の虚言癖を知った。 だんだん何が本当で何が嘘か区別がつかないようになって、ほとんどすべてが嘘なのだと感じるようになった。 信用が第一。 わたしはそんな世界で生きている。 虚言に巻き込まれる訳には…

優先順位は不動

明石公園に差し掛かったとき、ふと思った。 小さい頃の息子たちがここにいる。 タクシーを降りて、しばしその前景を眺めた。 上空に流れ込んだ寒気の影響で肌寒い。 そんな寒さをものともせず、広い園内を息子らが駆け回っている。 当時の時間にひとときひた…

気づけば今年も終盤に差し掛かった

夕刻、電話が鳴った。 二男からだった。 自室にネット回線を売る営業マンがやってきたとのことだった。 すでに他社との契約を済ませあった。 あとは工事を待つばかりであるが、どちらが得か。 自ら即断せずわたしに電話してきたのだった。 飛び込み営業は相…

時間というのはあってないようなもの

日記には日付がある。 だからなんとか前後が分かる。 もし日付を伏せてシャッフルされたら時系列に並べ直すことは難しい。 意識のなか一年前も五年前も「ついこの間」という感覚のもと、同じカテゴリーに属している。 ここに不思議を感じる。 いま、自身の足…

確率ではなく流れ

目に見えて整い始めた。 森林が都市の空気を浄化するがごとく事務所内の男っぽい雑然が整然に変わった。 新しく加わった女子職員はまわりがよく見え動きが早く献身的。 頭が切れて話して明るく仕事の内容も正確で非の打ち所が無い。 有能さを視覚化したよう…

送り先は下北沢と高円寺

肌寒さを感じる季節になったので相応の部屋着を探した。 アマゾンに安くて評価の高い品があり、試しに買ってみた。 届いて早速袖を通した。 かなり着心地がいい。 すぐに息子二人の分も注文した。 送り先は下北沢と高円寺。 翌日、長男から「最高」、二男か…

生きることはイカゲーム

日曜日だから身軽で気楽。 電話はかかってこないし、対応すべき課題もない。 ああ、肩が軽くて呼吸も楽。 しかも快晴。 胸がすく。 まず朝一番、生きて在る喜びにひたって武庫川を走った。 ほんのりと陽が差し、空気はほどよく冷えて疲弊した心身がみるみる…

まずは相手の話を受け入れる

先日のこと。 家内はご近所さんに招かれ夕飯をともにした。 途中、その家のご主人が帰宅した。 手にファミチキを携え、さあ、どうぞと食卓に添えたという。 家内にとっては物珍しい品である。 で、悪気もなく、はじめて目にしたと言って、手はつけなかった。…