東京滞在の三日目は日曜日だった。 朝、家内に連れられこの日も銀座を訪れた。 開店と同時、三越の二階にあがってラデュレで紅茶を飲んでマカロンを食べた。 のんびり過ごし、そこから六本木に戻った。 昼食にウルフギャングを予約してあった。 正午ちょうど…
昼を済ませて白紙の時間を前にした。 行き先は特にない。 そうなると田舎者の足はそこに向く。 御成門駅で降りル・パン・コティディアンでお茶してから東京タワーに向かった。 しかし、気づいた。 真っ昼間、それはただの鉄塔であり何ら美しさを放つ存在では…
大晦日の夜、先日二男にしたように家内が手巻き寿司を長男に振る舞った。 中トロと牡蠣が具材となってそこに友情出演といった形でステーキが登場し手巻き寿司の向こうを張った。 食後、紅白などではなく007スペクターを大画面で観て、長男が家内に筋立てを解…
朝、クルマを走らせ野田阪神に向かった。 強烈な寒気が押し寄せ、無慈悲とも言えるほどに街は冷え込んだ。 セーターだけでクルマに乗った家内が勝手にわたしのダウンを着て商店街へと進んでいった。 なかなか似合う。 その後をついて歩き、わたしは寒さに震…
つい先日のこと。 東京に遊びにやって来た友人らを二男は歓待した。 全員が京大生で元はと言えば星光生。 焼きそばとたこ焼きを作り母から送られてきた肉を炭火で焼いて振る舞った。 普段から料理の腕を振るう。 日頃泊まりにくるのはもっぱら東大生と一橋生…
仕事納めの日、皆に声を掛けひと足早く事務所を後にした。 途中、郵便局で年賀状を出し追加分を買って谷町四丁目から電車に乗った。 谷町線もJR神戸線も車内はガラガラ。 その様子に年の瀬を感じつつ立花駅で降り、改札で家内の到着を待った。 駅から5分も…
土曜日の朝、銀座で降りまずはゆうゆう窓口を探した。 前夜、和菓子の空也の前を通りかかった。 12月分のもなかはすべて売り切れとの貼り紙をものともせず、家内は店に入っていった。 こういうときにダメ元でも聞いてみるのが家内の流儀で、だからたまたまキ…
空港を出て、凍てつく寒さにたじろいだ。 一目散に駆けタクシーに飛び乗った。 信号待ちの際、隣のクルマに目が行った。 ボンネットに積もった雪がこの寒波の強烈さを物語っていた。 だからだろう、車内では温泉談義で盛り上がった。 城崎より有馬。 ブラン…
家内の銀ブラに付き合った。 普段なら中に入らないが、なにせ寒い。 店内のソファに座って時間をやり過ごした。 隣に若い青年が腰掛けていた。 イヤリングか何かの説明を聞き、つたない日本語で受け答えしていた。 アメリカ人だろうか。 「説明書は英語のも…
クリスマス・イブの朝、空をひとっ飛び、息子らが住む東京の地に降り立った。 朝7時半、駅前でタクシーに乗って9時に伊丹で搭乗し11時には六本木に着いた。 集合場所は六本木ヒルズのグランド・ハイアット。 わたしたちの到着に続き、幾つものクリスマス…
家内が作った手料理をクルマに積んで実家に寄った。 年末年始の過ごし方について父と話す。 大晦日はいつも通り。 実家で紅白でも見ながら父と過ごす。 元旦は墓参りし、そのままうちの家で食事することになった。 母のいない家で正月を迎えるのは寂しい。 …
南森町での業務を終えて事務所に戻ると、ビルの前、家内が自転車で出かけるところだった。 やあとこちらに手を振る家内はとても明るく元気いっぱいだった。 役所に向かうという背を見送って、手を振った。 自室で作業していると、まもなく家内が戻ってわたし…
そろそろ息子らが帰ってくる。 家内の二万語はいつも以上に息子らのことで占められて、彼らを迎える家内の前傾姿勢はその角度を急激に増しつつある。 あれもこれも食べさせようとの話に加え、馬子にも衣装、服も買いに出かけねばならないと行き先が増えてい…
家内に誘われ、仕事を終えてから心斎橋パルコに向かった。 地下にバルができたとはじめて知った。 きじ歯科からの帰りの家内と合流し、スペイン料理マッサのテーブルで向き合った。 スパークリングで乾杯し、前菜を食べ、パエリアで締めたがこれが実に美味し…
月曜夕刻、仕事を切り上げ阪神百貨店の地下で家内と合流した。 地下食で買物を済ませ軽く食事し、帰宅する家内に手を振ってわたしは途中下車してサウナに向かった。 根を詰めて業務に没頭したので草臥れ果てていた。 この日のうちに疲労を抜いておかないと翌…