KORANIKATARU

子らに語る時々日記

2013-05-01から1ヶ月間の記事一覧

いずれ朽ちるがそれまでどのように過ごすか。

1 火曜日夕刻、院長先生に明石駅まで送って頂く。 駅舎を横切り、街へ向かう。 仕事後の余白のような時間、まっすぐ帰るのは勿体ない。 涼しい風を受けながら散策し小腹を空かす。 明石と言えば玉子焼だ。 向かうは駅真南にある松竹。 知人に強く薦められた…

ニンニク注射で疲労回復しワイン会(その2)

3 なかなかに思い出深い夕食となった。 こんなに素晴らしいとは想像していなかった。 熟達の舌が感じるようなイタリアの土の香りなどまでは感知することはできなかったが、雰囲気だけでも十分満喫できた。 イタリアと言えば車椅子の有名人が銀座のイタリア…

ニンニク注射で疲労回復しワイン会(その1)

1 夜のワイン会に備え、阿倍野の田中内科クリニックを訪れた。 順番待ちの際、待合室のモニターに映し出される健康情報に自覚を促される。 備え置きのアクアラインの水をがぶ飲みする長男の姿が思い浮かぶ。 長男もちょくちょく寄せてもらうことと思います…

あきらめのついた人生終盤(その3)

4 おそらくツーリングは夜を徹して行われるであろう。 私は翌朝も明け方から仕事である。 挨拶もそこそこに夜9時を回ったところでその場を辞す。 門限の厳しい良家の子女みたいである。 事務所で着替えを済ませ軽装になって帰宅する。 一人になると仕事の…

あきらめのついた人生終盤(その2)

3 翌日も飲みとなった。 ちょうど午後3時頃、クルマで信号待ちしているとシブが堺筋を北上しているのを見かけた。 まさに天使が通る。 顧問先の大社長の隣で緊張していたのだが、シブがシャバの陽射しに顔しかめ眩しそうに歩く姿をみて笑ってしまいそうに…

あきらめのついた人生終盤(その1)

1 待ち合わせの時刻が迫っている。 デスクの後片づけもしないまま野田阪神の駅に向う。 少し早足で歩いただけなのに汗ばむ。 蒸し暑さが居座ったままそよ風さえ吹かない。 これぞナニワ体感ともいうべきむっとするような夕刻である。 ちょうどいい具合に時…

アメリカンドッグを食べながら電車に乗る女子

早朝にクルマで走ったばかりの道路を見下ろしつつ環状線内回りで天王寺へ向かう。 突然の納期変更や煩雑で要件ギリギリの許認可案件のことなど頭痛の種が駆け回る。 お気楽ノー天気では務まらない仕事である。 想定し得る限りの最悪の淵まで降りて、そこで起…

腕白坊主が母の日にした贈り物2

4 クルマでiPhoneに保存してあるpodcastをBTで流す。 福島原発事故についての話が印象に残る。 管総理は3月15日早朝5:35に東電本社に乗り込んだ。 福島からの撤退を申し出る東電幹部に対し憤激し強く語った。 「逃げようとしたのはおまえか、おまえか」と一…

腕白坊主が母の日にした贈り物1

1 連日長距離運転が続き眼がピクピクする。 面談の際、こちらは真剣に話していても眼がピクピクするので何かウソでもついている印象を与えはしないかと心配になる。 まばたきの回数が増えたり、鼻を触るといった仕草からウソが探知できると聞いたことがある…

シャワーを浴びて人生の真実を悟った

仕事後みずき湯に立ち寄り、湯上がりに見た事もないような大ぶりで超豪勢なリクライニングソファで寝そべり西原理恵子の本を読みつつ週末夕刻のひとときを過ごした。 自分がオンナであったらこの人の言葉に強く励まされ力づけられる人生であったろうと想像し…

野球道具を子に買うことには深い意味がある3

(5) 父に野球道具を買ってもらったときのことをよく思い出す。 というより、買物するときは、必ずといっていいほど思い出しているかもしれない。 中学に入りたての頃であった。 父を急かして勝山通りのスポーツ店に出かけた。 軟式のグローブは大体3千円…

野球道具を子に買うことには深い意味がある2

(3) 酒場で「ぼく達はどうやって生きていけばいいんですかね、お先真っ暗じゃないですか」と酔って絡んできた遠縁の青年を思い出す。 そんなことは10代で考えその土台を作る訓練と心の準備はとっくに始めておくものだろう、とは内心思いつつしかしそうと…

野球道具を子に買うことには深い意味がある1

(1) 明け方、クルマで事務所へ向かう。 取りだめしたPodcastを車内で流す。 先日テレビで放送されたというアイスマンの話になって引き込まれていく。 1991年9月、イタリアはエッツ峡谷の氷河で彼は発見された。 その年、ヨーロッパは記録的な猛暑が続いて…

他人の不幸(その3)

その日のお昼に、福島にある中国菜オイルという人気店を家内と訪れていた。 食事のために列に並んだのは学生時代以来のことだ。 日替ランチ、チャーハンランチ、麻婆豆腐ランチと2人で3人分を注文する。 美味しさにも吃驚したが、もっと驚いたのは、後味が…

他人の不幸(その2)

後は寝るだけだ。男三人並んでベッドに仰向け寝転がり、本を読む。我ら共通の就寝儀礼である。長男が二男越し私の本をのぞき込む。私が読むのは角田光代の「森に眠る魚」。ここ数年忙し過ぎて読み通した小説は数えるばかりであり、それもつかえつかえなのだ…

他人の不幸(その1)

帰宅すると我が家に集まっていた子らの友人達はみな退散した後だった。 灘中の文化祭に二男は近所の友達らと、長男は学校の友達らと出かけ、そして時間持て余し、長男も二男も示し合わせた訳ではないのに、昼過ぎには両グループが我が家に集結することになっ…

亀は万年(その2)

(3) 帰途、野田阪神の路上、おばあさんが自転車の脇でうずくまっている。 カラダの具合が悪いのかと近づくと、どうやら道端の排水溝に自転車のカギを落としてそれを探しているようだ。 排水溝はゴミで埋まっている。 カギはどこかに引っかかっているはず…

亀は万年(その1)

(1) 5月だとはとても思えない冷え冷えの一日であった。 昼日中なのに吹きさらす寒風に震えつつ四ツ橋筋を南へ進む。 間もなく目的地ということろ、靱公園の交差点で信州そばという古びた店が視界に入る。 暖を取らねばならない。 家内が作った弁当のこと…