KORANIKATARU

子らに語る時々日記

2016-06-01から1ヶ月間の記事一覧

のたうちまわって知る平穏のありがたみ

まもなく文月だというのに明け方はかなり冷え込む。はたと目覚めて、わたしは半身を起こした。開け放しであった窓を締め、その場でうずくまる。頭のなかドンパチでも起こっているかのような痛みを覚える。寝冷えしたのかもしれない。頭痛の切っ先が鋭くなっ…

ソファに寝転んで「これ」に気付く

自らを過信しすぎていた。親方さんに勧められるままビールを飲み焼酎を飲み、まだまだ大丈夫だと思いつつ、しかしカラダは欺けない。これ以上飲めば明日に響きかねない。まだ宵の口であったが、急用思い出したかのように振る舞ってその場を辞した。家に帰っ…

煩忙、煩忙。

文章を書くというのは綿菓子を作るのに似ている。最初に必要なのは割り箸一本。割り箸一本かざせば言葉が綿のように集まり始める。割り箸が最初の取っ掛かり。それが言葉を吸い寄せ、それら言葉が更に次から次へと言葉を引き連れてくる。そうやって言葉が膨…

歯を食いしばって持ちこたえてきた者らがあってこそ

右車線で右折待ちしていると、助手席に座る二男が左車線前方を指差した。直進レーンでうちのクルマが信号待ちしている。私たちは右に曲がって川に沿う道を選ぶが家内はまっすぐ進んで街中を通るつもりのようだ。さあ、どっちが早いか。二男がけしかける。家…

ファンタジスタの動きから生産性の何たるかを知る

この一週間で暮らしのリズムがやや乱れた。今日日曜をその回復に充てる。いつもどおり早朝に起き事務所に入る。散らかった書類や文具を定位置に戻すなどして身の回りを片付ける。伸び放題になった髪をきれいに整えるようなものであってこれだけでも清々しい…

お家が楽しい

このところ帰宅が遅く外食が続いたが今夜は久々家族揃っての夕飯となる。子らの話を聞いて家内の話を聞く。積もる話は尽きぬほどもあるだろう。わたしにも話すことが山ほどある。ニュースやら映画やら町で見かけた光景や仕事のあれこれ、思い浮かべればキリ…

仕事に向き合うスピリット

西天満からの帰途、ぱらつく程度だった雨がだしぬけ本降りとなった。雨宿りにと一杯飲み屋の暖簾をくぐった。金曜の夜、大衆酒場は混み合って相席となった。二人テーブルの片方の丸椅子に腰掛ける。前に座るご老人は年の頃80後半といったところだろうか。80…

ブラック企業対問題社員

ブレイス法律事務所、渡邉直貴所長弁護士から頂戴した。「ブラック企業対問題社員」。101個紡がれた労働現場についての短編集。どんな書物より如実鮮やか世相の一断面が描かれる。世はすべて陰陽一対。手に取れば、ブラック企業と対を成す「問題社員」という…

自分より下の存在を人は欲する

三宮西口の待ち合わせ定番スポットと言えばマクドナルド。阪急の改札を抜けると真ん前にある。指定された時間より15分も早く到着してしまった。仕事あがりの夕刻時、マクドを背にし待ち人待つ人らの数は次第次第増えていく。そこに混ざってしばらく過ごす。…

田中内科クリニックでニンニク注射を受け嵐の夜を過ごした

堺筋線は天王寺駅をかすりもしない。途中でそう気づいて動物園前駅で降りた。阿倍野の田中内科クリニックの最寄駅は天王寺駅だが動物園前駅からでも至近であることは変わらない。5分歩くのも8分歩くのも同じようなものである。ただ街並みは少なからず異な…

しかとその良きものを受け止めた

先代を野辺に送った翌朝早朝、若き二代目は決然と仕事に向かった。朝8時から関係先各所へ電話で挨拶し仕事の再開を告げた。わたしも朝一番で電話をもらった。今日最初の訪問先の玄関にちょうど入ったところだった。先代の男気が二代目に受け継がれたことを…

フラッシュモブのように突如、英語が行き交いはじめた

久宝寺で区間快速に乗り換えた。天王寺駅で5分ほど停車する間、外国人が乗ってくるのがちらほら見える。韓国や中国といった顔立ちではない。どこかアジアの国々、東南アジアあたりからの観光客だろう。大阪環状線外回りの列車がゆっくりと動き始める。下町…

一点の曇りもない完全無欠な無

3つのフェーズから成る話であったので、自身の頭部に1つを格納し、胸部に1つ、腹部に1つを対応させ、各部に内蔵した話を内面の目で覗きこむようにして、上から下へとなぞって話をつなげる。カラダを地図にするとメモを見ずとも話すときに要点を外すこと…

誰であれ社会的感受性が欠かせない

仕事終えたときには夜8時を過ぎていた。食事を済ませてから帰ろうと店を物色する。根っからの下町気質であって貧乏性。わたしなんか、、、という深層意識が棹さして敷居高いような店だと気が引ける。高貴な出自ぶって紳士淑女然と気取って振る舞うような俗…

夜の北新地はミステリアス・ウェイズで始まった

1久方ぶり、朝の定食に納豆を選んだ。ほかほかの白飯に生卵を落とし、よくかき混ぜた納豆にネギを添えて投入する。飯をかき込んだ途端、まさにプルースト効果、過去が鮮やか蘇った。東京で暮らしていたときのことであった。そもそもわたしは大阪の下町育ち…

筋の通った静かな暮らし

雨のなか最寄駅までクルマで送ってもらった。ヘッドライトに照らされる雨滴の軌跡はまさに横殴りであり、傘を差そうが気休めにもならない。ひと気少なく暗くて細いこの道は究極的に心寂しく、もし歩いたのだとすれば、ずぶ濡れになって冷えて震えて何もかも…

子らの第一声は毎回決まって、腹減った

息子二人が食卓で向かい合う。氷水で締めた手打ちうどんがざるに盛られ二人の前に置かれる。今や遅しと身構えていた二人の手が伸びたのは同時だった。揚げたてあつあつのなすや玉ねぎ、ぷりぷりの海老など天ぷらも真横に添えられるがしばらくは見向きもされ…

夢と現の縫い目をまたいで

生駒山沿いを北から南へと縦に動く。太古の昔、このあたりは海岸だった。山を背に河内湾があったはずの方角に目をやる。一万年の時を経て、いまは平野となりその上にビルが不均一乱雑に林立している。霞んだようにみえるのは曇天のせいというより、大気に混…

勉強が仕事へと地続き繋がる。

ある方が退職した。ロッカーは空っぽだったが、私の名刺だけが一枚残されていたという。わたしは役目を終え、その方はもはや私に用がない。長くに渡ったやりとりを思い返す。一つ一つの仕事が過ぎ去ってしかし消え去ることはない。常に現在形で蘇り、折りに…

戦慄にだって意義がある

久々、大阪市立科学館に出かけた二男であったがそこで星光の後輩たちを見かけたという。研修館滞在中の中1だったようだ。プラネタリウムでひととき星を見上げて二男が帰宅したちょうどそのときわたしもジョギングを終え家に戻った。雨降る日曜の午後、リビ…

「嫌」もそのうち屁でもない

土曜日は平日の予備日のようなものであり、用事があれば躊躇いなく仕事の予定を入れる。自営業はよくしたもので仕事の強弱を自在に調整できる。だから、土日が仕事で潰れたところで屁でもない。仕事を終え熱射の川べりをジョギングし、帰途、行きつけの給水…

体力由来のプライドが欠かせない

ひとけのない時間帯を見計らってのことだろう。公園のグランドを砂塵濛々、二男が疾走している。行く手遮るものは何もない。部活を終えてまだ動き足りないのか、あるいは何かテーマを設定しての自主トレか。わたしは立ち止まってその動きを見つめる。子ほど…

いつかは、みんな9回裏

少し歩けば着衣が汗で肌に粘着する。日差し強く無風。不快極まりないほどに蒸し暑い大阪がまた帰ってきた。しばらくはこんな調子の気候が続くのだろう。長引けば霜月にまで及ぶほど大阪の蒸し暑さはねちっこい。直射を避け日陰に入ってもべっとりぬるい空気…

暮らしの粗に蓋したままの人もいる

夕刻早い時間に仕事が終わりまだ明るいうちからジョギングに出た。自営労働者の役得はここにある。始業も終業も自己の裁量。誰かの役に立つ限り、ある程度までは自分本位を貫ける。音楽を聴きつつ思考をオフにし、ひととき自身の内面に沈潜して過ごす。武庫…

ドイツの四半世紀を映画を通じて3時間強で俯瞰する

仕事で遅くなったため一人回転寿司で食事を済ませ帰宅し、寝支度整え夜9時には晴れて自由の身となった。借りてあったDVDのなかから無作為に選んで睡魔のお迎えを待ちつつ二本立て続けに見た。ひとつが『ヒトラー暗殺、13分の誤算』、そしてもうひとつが『顔…

芦屋西宮からも実は目鼻先の名門校

食卓にあった星光のしおりを見て驚いた。在校生の居住地分布が表にまとめられている。高3から中2まではどの学年も芦屋と西宮併せて10名ほどの在籍で推移しているが、今年中1については、どちらも0と記載されている。なんと67期生については芦屋西宮在住…

最後の最後まで、彼らは男の顔を保ち続けた

1雨音だけがしっとりと響く日曜朝5時。長男が静か起き出し支度を始めた。中止ではないのかという私の問いに、さも当然といった風に彼は答えた。ラグビーと同じ。警報でも発令されないかぎり行われる。雨脚は昨晩から衰える気配がない。こんな悪コンディシ…

警報が出ない限り決行

現在、草津の立命館大学フットボール競技場。 二男の運動会は早々に中止が決まったが長男が出場するフラッグフットボールについては警報出ない限り決行ということだったので雨のなか電車とバスを乗り継ぎ家内とやってきた。 間もなく開会の記念撮影が行われ…

黄土色した厭世観に一瞬視界を塞がれた

金曜夕刻、事務所で待ち合わせし家内と帰る。あまりにも疲れていたのでキーを渡し助手席に座った。我が家において運転の腕前は私が現在ナンバー2。ナンバー1とナンバー2を乗せたクルマが大阪を後にし西へと向かう。ここ数日、仕事の依頼が相次いだ。きっ…

福効医院・天六のいんちょのブログ

福音がもたらされたような瞬間であった。第一回選択希望選手、源五郎丸洋。そこには呪力伴う響きがあった。少年たちは暗黒時代の終わりを確信した。これでタイガースが浮上する、その思いとともに以後35年、耳奥に残るその名を誰も忘れることがない。 ameblo…