KORANIKATARU

子らに語る時々日記

2016-08-01から1ヶ月間の記事一覧

親バカの一つ覚え

先日のこと。趣味はと聞かれ、言葉に詰まった。思い巡らせても何だか根暗なような部類のものばかりであり、その場に適し答えて体裁のいい趣味など何一つ思い浮かばなかった。読書、映画、晩酌、サウナ。どれもこれも一人ぼっちの自己完結の世界。いやあ、そ…

同じ時刻と言ってもそこには別の時間が流れていた

同じ時刻と言ってもそこには全く異なる時間が流れていた。わたしは予定に追われながらクルマを運転していたので、その夜についてはいつにも増して時間の記憶が鮮明だ。何時にどこにいて、何時にどこに着き、何時にそこを発ったのか、時計のアナログ盤が逐一…

色で言うなら、いぶし銀

天然の域を逸脱したような色に明け方の空が染まっている。紫がかって、ところどころにゴールドが混ざるド派手な色合い。台風が接近し、まもなく大荒れとなるのだろう。週明け月曜日、始発電車は混み合っている。仕事したくていてもたってもいられないという…

その帰りが待ち遠しい

薄暮にかすか秋風混ざる武庫川を走り終え風呂を上がると食事の用意が整っていた。白ワインを開け乾杯。ちょうど8時を過ぎたところ。花火の打ち上がる音が遠くに聞こえ、それが立て続く。伊丹花火大会が始まったようだった。耳を澄ませて二人で花火に聞き入…

この夜、芦屋で集まった

JR芦屋駅を降り駅のアプローチを北へと進む。ラポルテ沿い、こちらに向かってくる人影に目が留まる。フォーユーの相良さんであった。数多く、医師の開業をガイドして信頼絶大の九州男児。男ならこのような友人が必ず一人あった方がいい。何かあったとき頼り…

足をいたわる

面談するお相手が言った。 このところやたら暑いので外にでるのが億劫になって、知らず知らずデスクワークに偏りがちになる。 しかし血流に若い頃の勢いがないせいか、座っているとどうにもこうにも血行が滞るようでカラダがしゃんとしない。 足は第二の心臓…

この夏、最も印象に残ったシーン

関空で目にした一場面。この夏、最も印象に残ったシーンである。わたしはセキュリティチェックの列に並んでいた。前に家族連れがある。夫がイタリア人で奥さんが日本人。そしてその子どもたち。夏のひとときを日本で過ごし、これからイタリアへ帰るというと…

世には関係のない人もいる

わたしたち男子の足並みは揃っている。 力合わせて真っ直ぐ進む。 歩幅小さく地味ながら一歩ずつ着実に前に向かっている。 この日記はここだけの話。 わたしたちは多くの者らとともにある。 それらが全て。 わたしに友人があり長男にあり二男にもある。 友人…

空いた手すべてで皿まわす

これではフィフティ・フィフティじゃない。ちょっと挨拶がてら水向けただけなのに、相手の話が熱を帯び始めてしまった。書類を受け取って五分程度で引き上げるつもりが、本格的な家庭談議に耳傾けねばならなくなった。出産を機に女房殿が仕事をやめて専業主…

喜びがこの瞬間に凝縮される

人より4時間は早く一日のスタートを切るのでたいてい夕刻には仕事が終わる。仕事後の脱力をほんの少しだけ先延ばしにして、暑さの一段落した川べりを走る。この日はライバルが出現した。後ろから迫ってきたスキンヘッドの彼は、わたしに追いつき、しかし追…

もう一回通うとしても大阪星光学院がいいね

8月最終週、大阪星光の高3は南部での勉強合宿に臨む。もちろん勉強するのは受験間近の高3だけではない。時を同じくして中学2年は黒姫山荘に向かう。朝8時過ぎから夜10時まで、一日に9時間勉強する一週間を過ごすことになる。この夏二度目の黒姫合宿だ。…

社会には厳然と階層が存在する

タクシーの運転手が言う。この20年で日本人観光客が激減した。最盛期には日本語を話せるガイドが島に30人はいたが、いまは5人もないだろう。日本のテレビに紹介してもらうなどランカウイの観光担当は努力を続けているが、奮わない。日本人はどこに行ってしま…

旅すれば自身の日常を再発見できる

飛行機が小さいからだろうか。ランカウイからクアラルンプールへの帰途の空路も頻繁に飛行機が揺れた。雲間の向こうに目をやれば、同じ目線上に星々が鮮やか瞬き、その大きさは地上から見るのと比べ物にならない。下方には漁船がひしめくように点在しそこに…

チョコレート・プレンゼント誕生秘話

腹が減ったと二男が言うので千円札を渡した。時刻は日本時間の深夜零時に差し掛かるところ。場所はクアラルンプール国際空港。わたしたちはトランジットのため2時間ほどをそこで過ごさねばならなかった。マレーシアの通貨であるリンギットについてはランカ…

別世界にて魚群と過ごす

夜明け前、部屋の前に広がるビーチを走る。 iPhoneから流れる日頃聴き馴染んだ音楽がやや場違いに響く。 真っ暗な空が深みある青へと次第に鮮やかさを増していく。 素晴らしい一日が到来する予感にゾクゾクくる。 前日のビュッフェでだいたいの狙い球は絞れ…

Pia’the Padi は奇跡のようなレストランであった

迎えのマイクロバスに揺られ半時間。 周囲のジャングル度合いが増してゆく。 ボートで運ばれカヤックの船着き場に到着した。 インストラクターが英語で話し参加者はいずれも外国人。 デュッセルドルフの青年、ポーランドの女性、クアラルンプールの大学生ら…

上々の幕開け

張り切っていたのか朝4時過ぎには二男が起き出し外へとジョグしに駆けていった。 長男もすでに目を覚ましオリンピックのテニスを観戦している。 まれに見るほどの早起きの朝となった。 近所の神社を経由し遠路はるばる目的地へ向かう。 さすがの大食漢たちで…

息子らと過ごせる幸せ

二男オススメの映画を見て過ごすお盆中日である。マイ・インターンを見て、オデッセイを見たが、なかなかいい。ガーデンズに一人足繁く出かけ、数々のストーリーの中核にあるエッセンスを汲んで学んでいる二男の姿を思って嬉しくなってくる。いい映画見てる…

狭間研至氏の機転にファンタジスタを見た

遅めの時間となったので帰途、回転寿司で夕飯を済ませる。事務所に戻って早速、アマゾンでケプナー・トリゴーの「新・管理者の判断力」を注文した。長く読まれ続ける名著である。わたしが買ったせいで在庫は残り3点となった。この夜、話の流れのなか、学生…

家族揃ってのお墓参り

お盆の時期に差し掛かってほっと一息。周囲が一休みするものだから、勤勉な働きアリも少しばかりはその歩を緩めることができる。目覚めれば仕事という流れを変えて、ここ数日は早朝にジョギングをして過ごしている。朝5時、まもなく日の出。ちょうど空が白…

面白くてあっという間に読み終えた

タイトルに目が留まり手に取った。「君たちが知っておくべきこと 未来のエリートとの対話」新潮社から出ている佐藤優さんの新刊本だ。灘高生を相手にした著者の講義録といった内容だ。世界基準の常識を教えよう、と帯にある。年頃の子を持つ親として関心そそ…

お風呂で知った、知らぬが仏

街全体がお盆ムードに包まれている。どの役所もがら空きだ。わたしは仕事しているが、気分は伝染する。ふんわりくつろいだような空気のなか肩の力が抜けたみたい、楽な感じになってくる。ほどよい閑散が、心をやわらげてくれる。それでも、この暑さからだけ…

ああ哀れ、悪口雑言の氏育ち

日差しの強さが尋常ではない。肌が焼かれる、という言葉が比喩とならない。まるで突き刺さってくるかのよう、身の危険すら覚えるほどの凄まじさだ。こんな熱射が降り注ぐ炎天下、甲子園で野球しているなんてどうかしている。と思いつつ、わたしは午後休憩と…

その時間差が真実の行く手を阻んだ

電話が鳴った。家内と顔を見合わせる。結構遅い時間である、一体誰からの電話だろう。家内が受ける。長男の学校の先生からだった。こんな時間まで仕事しているなんて。熱心なことである。それにしてもうちのバカ坊主は何をやっているのだ。長男は西北で勉強…

間接的な喜びの方が優る

淀川花火大会が開催されるため大渋滞となる2号線は避け43号線を通って帰る。昨年は家族で花火見物に出かけたが一度目にすれば十分。記憶のなか鮮烈なので、あえてまた人混みのなかに入ってまで目にしたいとは思わない。帰途、なんだかとても気分がいい。たこ…

効果抜群、耳つぼマッサ

まずはわたしから。背中をアロマでマッサージしてもらう。肌を通じてアロマの効能が芯まで届くのが分かる。背中各所に居座る疲労が分解されて消えていく。市販の湿布をベタベタと貼ってしのぐより、効果てきめん即効性がある。しかも香りが段違いにいいので…

常識という感度を研ぎ澄ませる

夕飯後、和室で二男とくつろいで過ごす。突如雷鳴が轟いた。雨戸シャッターを開にする。雨戸がゆっくりと上へと持ち上がる。大量の雨が容赦なく窓を打って視界は不鮮明であるが、間断なく空が光って和室を照らし雷鳴がそれに続く。二人で並んで寝そべって明…

もうすぐ夏休み

夏休みまでのカウントダウンが始まった。街のいたるところ、いやでも目に入る。麦わら帽子に短パンにスーツケース。夏の旅路の三種の神器。どの顔も迫り来るバカンスの時の時に喜色満面となりつつあって、こっちまで行楽気分がかき立てられる。思い浮かべる…

ギスギス感には風呂がよく効く

午後に空き時間があった。次の予定まで2時間ある。移動時間を差し引いても1時間は余る。そうだ風呂に入ろう。そう思い立つ。カバンにはいつも洗いたてのタオルを忍ばせてある。グーグルマップで探せばすぐそばに風呂屋が見つかった。カンカン照りの往来を…

家が生活の実質を作る

女性にとっては住む家がアイデンティティとなる。そう聞いて深く納得したことがある。男性にとって仕事がそうであるように、女性にとっては人生の最も大切な部分を家が代表する。大半の時間を外で仕事し過ごす男子にとって家が重要トピックとなることはない…