KORANIKATARU

子らに語る時々日記

2017-03-01から1ヶ月間の記事一覧

小舟の船長の目先の喜び

やれやれ今日で一段落。まるで旅行にでも出かける日のように、早くに目が覚めた。このところは、気重な寝起きが続いていた。まるで磁石のNとN。起き抜けのカラダは顔も見たくないような現実にまずは押し返され、寝床で気持ち整えようやく這い出せる、そん…

お酒耐性は退化の一途

この夜は近鉄八尾。予定の時間より早くに着いた。一日の勤めを終え迎えのクルマ待つおじさんらに混ざって、駅前に立つ。次々、奥さん運転のクルマが横付けされて、おじさんらをピックアップしていく。クルマに乗り込む際、夫婦互いの一日を労うような言葉が…

ルーティンの作業が準備体操となる

ルーティンの作業から一日が始まる。コーヒーを飲み、新聞をめくる。忙しいときはめくる暇もなく、そのままタスクノートに今日の予定を書き入れていく。どうでもいいようなルーティン自体もタスクの勘定に入れていく。取り掛かるべき作業を赤で囲んで、片付…

ライバル集う学び舎

塾に行けば昔の仲間に再会できる。中学受験に向けかつて同じ教室でしのぎを削った仲。連帯感のようなものはまだ根強い。甲陽、洛南、東大寺、四天王寺、神戸女学院、清風南海。進んだ学校はバラバラだが、ルーツたどれば同じ塾。抜きつ抜かれつガチンコで奮…

大阪人がする大阪見物

道頓堀川を渡る人影は引きも切らない。何か祭事でも行われているかのようにごった返している。食事しつつ目をやっていると、突如雨が降り出した。眼下、一斉に傘が開いて景色が様変わりした。無数の人が雨で右往左往しごちゃまぜになって、真下の雑踏が河川…

がんばれ大阪星光

今年の大学進学実績は、それを価値の第一に置かない学校であるにしても見劣りするものであった。学力において抜きん出た強みあってこその地の塩、世の光であるはずで、そこが脆弱化すれば理念の標榜も憚られるというようなものだろう。もちろん今回の結果の…

つながりを生む場所

帰宅すると長男の友人らが遊びに来ていた。家内が腕をふるった夕飯も済んでリビングはくつろぎのなかにあった。こうなれば、お風呂係であるわたしの出番であろう。彼らを乗せ総勢5名で熊野の郷に向けクルマを走らせた。先月二男の友人らを連れたときは烏な…

では、お先

春なのに、なんだか不思議と忙しい。仕事に埋没し気づけば日暮れ、そんな毎日が続いている。忙しいのには慣れている。やるべき業務が次から次へと湧いて出て、一息つける岸辺は遠ざかっていくばかりだが、淡々粛々、ポーカーフェイスで一つ一つ片付けていく…

子によって増す時間濃度

腰据えてデスクワークに集中するつもりが、朝一番に急な案件が入ってバタバタするうち不意の来客も続き、着手の時間が大幅に遅れることになった。ごく若い頃であれば、もう今日は仕方がない、捲土重来、明日出直しだと先延ばしにしたであろうが、ベテランに…

ひとり渚に佇むべきなのは男子の方

仕事を終え長男に電話するが繋がらない。しばらくして、いまスポーツジムでトレーニング中だとの折り返しのメールが入った。家内も一緒だという。微笑ましい光景が目に浮かぶ。女の子のないママは負け組、以前そんな話を聞かされたが、長男とジムに行ったり…

望まず、あてにせず、期待せず

望まず、あてにせず、期待せず。父の口癖である。このところ、事あるごとに「望まず、あてにせず、期待せず」という言葉がわたしの頭をよぎるようになった。子らと過ごし生活の実感に満たされているようなとき、どちらかと言えば拒絶的でネガティブな響き持…

退屈が小さな痛みと化してくる

好天に恵まれたからであろう。空の黄ばみが際立つ三連休であった。間近のビルでさえ霞んで見える。花粉対策でなくてもマスクが不可欠。そう感じさせるほど空気が淀んでいる。澄み渡った青空が恋しい。そんな風に思いながら、春の街をウォーキングして過ごし…

負け組だってそんなに悪くない

近所の料理屋にぶらりと寄ってそこで夕飯とする。 カウンター席に二人並んで座った。 注文の決定権はわたしにない。 わたしは単に希望を述べることができるだけであり、聞き入れられるかどうかは家内の胸三寸にかかっている。 今日のおすすめどころを家内が…

友だちの喜びもまたわたしの喜び

昨日の日記にあるとおり、「それからそれから」とその先にある何かを期待し帰宅した。楽しみにしただけの価値はあった。この先一生忘れられないような光景を目にすることができた。一寸先は福袋。だから生きることはやめられない。和らかの湯で疲れを癒やし…

「それからそれから」と自身に一声かけてみる

漫画を読んでいてふと気付く。続きはどうなるんだろう。数歩先を急くように、素朴に楽しんでいる自分がいる。読み始めた「リングにかけろ」は中盤を過ぎ、一気に現実世界から離陸していく。そこからは荒唐無稽とも言える高度を航行する物語となるが、だから…

だんだんと、あとを託していく要素ばかりが濃くなっていく

夜9時。小雨降り出すが寒くはない。帰宅するや家内に連れ出され近所を歩く。わたしはうんうん頷く役割。DJ家内のいちリスナーに徹する。街中を練り歩き、足を運ぶことのべ10,000歩。ここにいたってようやく解放の身となった。風呂に入って寝支度を済ませベ…

子ども時代の幸福を再体験

年甲斐もなくここ数日、漫画を読むのが楽しみになっている。夜寝る前、眠くなるまでベッドでページ繰るのが従来からの習慣だが、このところは眠くなってもページを閉じるのが忍び難い。手にしているのは「リングにかけろ」。つい先日、子の課題図書として買…

単に何かを一緒に食べたという以上の共通体験

北新地駅で待ち合わせ、堂島方面へ向かう。途中、子の土産に音羽巻を買いダルマイヤーで子のおやつを見繕う。それでもまだ時間があったのでライトアップされた中之島ガーデンブリッジに足を向け途中まで渡った。春の風に吹かれつつ堂島川をぼんやり眺めてひ…

各自が役割を担った日曜ディナー

日曜夜、久々家族揃っての食事となった。ラ・ラ・ランドのサントラを流す。わたしを除き既に家族3人が観賞済みだ。もう一回観たいと家族皆が口を揃える映画はそうそうない。携帯がいつ鳴り出すか、気が気でないのでわたしは滅多に映画館には足を運ばない。…

映画ばかりみて過ごした至福の土曜日

土曜日夕刻、ひとりの時間。セミフ・カプランオール監督のユフス三部作がちょうど手持ち時間の尺に合う。3つ合わせて300分。世界的に高い評価を受けたトルコ映画である。「蜂蜜」を皮切りに公開年度の新しいものから順にみていくことにした。序盤から映し出…

春の課題図書は『リングにかけろ』

家に着きクルマを停めたちょうどそのとき、家内と二男も帰ってきた。前夜わたしが訪れた焼鳥名店わびさびで二人して夕食を済ませてきたという。一品一品が凝っている、家内はそう評し、ぜんぶ美味しかった、二男はそう感想を述べた。たとえば、うずらを半熟…

星光愛が遠く遠くへと伝播していく

甲子園口で合流し向かうは焼鳥わびさび。南側ロータリーから歩いて30秒もかからない。寒さぶり返す春の夜、飲み屋は近いに越したことはない。奥のテーブルに案内され向き合って座る。松井先生は西宮で鬱病についての講演を終えたばかり。まずはビールで乾杯…

ニュースペック・フルモデルチェンジの生まれ変わり

試験期間は非日常。普段と異なることが起きる。寝ていると、長男がわたしの寝床にもぐりこんできて目が覚めた。夜の一時に起こして欲しい。そう言い残すや否や彼は眠りの淵へと沈んでいった。わたしは歩く目覚まし時計。思った時間の通り、自在に起きること…

特技あるのは素晴らしい

夕飯の後、ウォーキングに誘われた。午後の陽気がウソのよう。寒気に覆われ夜は真冬並みの冷え込みである。白い息を吐きながら家内に付き従って界隈を歩く。途中スーパーに寄る。広告の品は一人2個まで。家庭用洗剤などが大安売りとなっている。なるほど、…

待機してる間に浦島太郎

食事を終え三階の自室に向かう。渡り廊下を歩いていると吹き抜けの下、二階の食卓に座る長男と目が合った。「カラダ大事にしてや」息子が言った。おまえもな。わたしは冗談めかして返したが、自分でも気づかぬうちそろそろ健康を案じられる歳に差し掛かった…

弁当箱を開けると光あふれた

夕飯までまだ間があった。ウォーキングしようと連れ出され日曜夕刻、自宅界隈を並んで歩いた。ふんわり春の匂いが漂って、気持ちがほのぼのなごんでいく。この街で迎える何度目の春だろう。地元神社に差し掛かり、鳥居くぐって二人して手を合わせた。またこ…

努力のない人には価値観がない

毎日新聞のコラムに40歳を過ぎたいまも亡き母に追いかけられる夢をみるという話が載っていた。計算や漢字ドリルをやらされ間違うと手を上げられ、逃げたところで逃げ場はなく、捕まっては余計に叩かれるという恐怖の子ども時代であったというから不憫な話だ…

悪気はなかったのだが、もう取り返しがつかない

運転の合間、一息入れようとコンビニに入った。ぐるり回って、最上段に所狭しと置かれた納豆ペヤングに目が留まった。つぶさに見れば納豆ペヤングだけではなかった。棚の下にはペヤング・ペペロンチーノがありペヤング・わかめMAXという兄弟分も次の出番を待…

宝探しのオリエンテーリング

親が思い描いたとおりの子育てなど、あり得ないことだろう。生まれ落ちたとき、すでに子は固有の内実を抱え持っている。才能が開花するよう進むべき方向性がセットされ、何に喜び何を嫌がるかもあらかじめチューニングが済んでいる。親は、その小さな種子の…

黄金に輝くアンポンタン2人

長距離運転が連日続く。運転の合間、テレビを眺める。朝も昼も大阪の幼稚園が取り沙汰されている。年端もいかない子どもたちが大人に言わされるがまま、ずいぶんとおませなことを口にしている。意味など分からずただ一生懸命に唱和する姿に罪はなく、その無…