KORANIKATARU

子らに語る時々日記

2017-05-01から1ヶ月間の記事一覧

当たり前の日常が心にしみる

忙しいと余計なことを考える暇がなく、日常の浅瀬をただただ流されるようにして時間が過ぎていく。だから日記も単に目に映ったものを綴るだけとなる。それでも、そんな他愛ない場面のひとかけらであっても書いて残せば後でありありと記憶のなかで再生されて…

思春期のアクが取れた後にこそ深まる

久方ぶり、長男と二人で過ごす時間を持てた。クルマを走らせながら、ぽつりぽつり男同士横並びになって言葉を交わす。明け始めた空に照らされ2号線の車線がどこまでも明瞭に見渡せる。さすがに日曜早朝。視界の及ぶはるか先まで車影はなく、ここに在るのは…

明日も難敵、明後日も。

夜通し胸騒ぎするかのようにし迎えた月曜朝であった。ぐっすり眠れたという爽快感が全くない。うすらぼんやりとしたまま事務所に向かう。一歩入れば仕事に包囲される。このときわたしを支えているのは何とかなるのだろうという経験則のみ。これまで何とかな…

家族で集まって過ごすかのような大阪星光懇親会

同窓会総会の後、いったん仕事に戻ってから会場に向かった。案内には新阪急ホテルのグランド白楽天とある。土曜の梅田は過激なほどの人出でごった返している。行く手遮るかのような人混みをかいくぐり、わたしは新阪急ホテルを目指した。ロビーに入って一直…

寝る子は育つ

親がこれであるからオツムの程度は知れていて、子に対し勉強についてとやかく口をはさむどころか勉強しろとも言ったことがない。勉強に全く関係のない映画や本や漫画を家に持ち帰って彼らに勧めもするので、むしろ勉強の足を引っ張っているといった方が正確…

Boys will be boys.

童顔の面影まだ残る若き事業主らがうちの事務所を訪れた。独立するからには挨拶しておけ。親方にそう言われ、何が何だか分からぬまま真っ先に顔を出したということであった。二十歳そこそこの若者が各自思い定めた屋号を背負って自営することになる。現場で…

今日の出来事もいつの日にか懐かしい

週は7日で構成されるが、そのうち本気で仕事するのは3日ほど。そう語った事業主の言葉をときおり思い出す。週の序盤から終盤まで四六時中働き通しの書類屋であっても、その事業主の真意のようなものがとてもよく理解できる。投手であればクリーンナップに…

子豚の形した貯金箱のようなもの

仕事を終えクルマを発進させる。聴き馴染んだ曲が柔らかな被膜をつくって空間がふんわり人型に閉じる。あれやこれや千々乱れる大立ち回りを経てようやくの安息。あとはもうゆるゆると自分に回帰するだけの時間となる。人型の被膜にカラダを預け揺蕩うように…

百%ええとこ取りの傍観者

同じ稼業の若手と道中をともにすることになった。見るからに疲労困憊といった様子。聞けば、扱う件数多く連日午前様なのだという。同業だからそのたいへんさが我が事のように分かる。じゃあ勉強の時間は週末にしか取れないね。労うようにそう言葉をかけると…

馴染みの顔がここに集う

いくら忙しくても日曜くらいは家で食事しようと明るいうちに帰宅した。夕飯の支度ができるまで久々家の風呂にでもつかろうと思うが、すでに食事の用意は整っていた。新しく仕入れたのだという器がずらり並んでご馳走が盛り付けられている。吹き抜けの窓から…

楽しんでしまえば何とかなる

いつもとは様子が異なる。会議後の懇親会はごく少人数、膝突き合わせての会食となる雲行きだ。重鎮格の国会議員をはじめ錚々たる顔ぶれ。そこに混ざって盃交わすなど、あんただれや?というようなものであり、気詰まりであり気後れ感じる。そう素早く察知し…

盛って飾った上辺の背後に目を凝らす

ネットで配信されたBBCのニュースが目を引いた。英王立公衆衛生協会による調査結果が報じられていて、SNSのうちインスタが若者の心に最も悪影響を及ぼしていることが分かったのだという。不安感、孤独感、劣等感といったネガティブな感情を惹起する負の影響…

可愛い子には旅

十代半ばの通過儀礼。008は雪積もる極寒の地で過ごした。単身旅立ってから三ヶ月後、空港で彼を出迎えがっちり握手した場面が忘れられない。早いもので、今度は005の出番が巡ってきた。005が登場する新作のロケ地は極寒の地から一転。海岸線に近い街が舞台と…

楽しいはずがないのに、楽しい

呆れて開いた口が塞がらない。そんな話ばかりで埋め尽くされる日記である。バカも休み休み言えというようなものだろうが一向に止む気配がなく始末に負えない。ここ最近も無闇矢鱈と忙しい。明けの明星を東の空に見つつ出勤し夜9時のニュースを見ながら家路…

視界良好、さあ今日も締まっていこう

朝早ければ早いほど、おにぎりが威力を発揮する。日の出とともに頂くおにぎりが美味しければ、カラダも発火し力みなぎる。つやつや白飯にパリパリの海苔をまいてガツガツ頬張る。最初から海苔を巻いてしまうと水気を吸って海苔の風味が損なわれる。だから持…

メンタルの面構え

のっけからガツンと一発お見舞いされる滑り出しとなった。が、月曜からそれで足元すくわれひっくり返る訳にはいかない。一瞬ふらくつも即座体勢整え、何事もなかったように前へと踏み出さねばならない。激しいスライディングタックルにびくともしないフォワ…

母の日があるからこそ

花屋の店主に明るい色合いでとだけ答え、黙ってその手際いい作業に目をやる。あっという間、ぱっと華やぐような花束が出来上がった。まさに注文通り。見ているだけで心にも花咲くようであって間違いなく明るくなる。花束を助手席に乗せクルマ走らせ途中で弟…

あとは見守るだけ

夕刻、家内を伴い事務所近くの寿司屋に寄る。市場が近くてネタがいい。カウンターに腰掛け、わたしは烏龍茶を頼む。人生初、もっかピロリ菌の除菌中。この日でボノサップ服用6日目。お酒は厳禁だ。わたしは握りをおまかせで頼み、後は家内に任せる。なす、…

数々の交流が暮らしを彩る

この日、業務の最終地点が六甲道。せっかくなので灘温泉に入ってから帰ることにした。夜八時。たまたまなのか円形湯船にはその筋の一団がずらりと並んでいた。背中の紋様をかき分け一隅に身を置く。湯につかり大の男で輪を作っているようなものであるから、…

この日最大の学び

上海で外科医として働くまっちゃんは大阪星光33期。この夏、まっちゃんに会おう。そう思い立ったが吉日、まっちゃんに連絡し日取りを決めて航空券を買った。あとはホテル。旅行シーズンである。うかうかすれば、いい部屋を取り逃がす。善は急げでネットに向…

何か残ればそれで僥倖

上着を肩に引っ掛け、南森町に向いて天神橋を渡る。午後の日はまだ高く強い陽射しが降り注ぐが、川を吹き渡る風があって橋の上だけは清々しい。すれ違いざま、一人のご老人の姿に目が留まった。見たところ八十は過ぎている。長きに渡っての風雪降り積もり腰…

川の字トリオ再結成

風呂に寄って帰宅する。寝室をのぞくと兄弟二人が並んで寝入っていた。 このところはずっと別々に寝る二人の取り合わせが懐かしい。 二人で寝ころんで話し込み、そのまま眠ってしまったのだろう。 わたしも合流。久方ぶり、川の字トリオの再結成となった。か…

映画を観て何かが変わることもある

映像を通して見知らぬ土地に触れることができる。映画を観る喜びはそれに留まらない。時にはそこに登場する人物に強く何かを喚起される。古代人が神話を必要としたように、現代人には映画が必需と言えるだろう。連休明けの月曜日、仕事を終えて観た映画が大…

気づいたときにはこうなっていた

摂津本山に用があるというので電車に乗って二人で向かった。駅を降り、ものの5分で用事は片付いた。日曜の午後、陽の光がさんさんと降り注ぎ、街はのびやかな空気に満ちている。絶好のウォーキング日和。示し合わせた訳でもないのに駅とは明後日の方向へ二…

いつだって子らが主役

インスタにアップされた一枚の写真が引き金になった。涼しげに佇む冷麺があまりに美しく、その写真を見た瞬間わたしたちの夕飯のメニューが決まったも同然であった。家族3人で連れ立ち、夕刻の新長田駅に降り立った。長田独特の空気を肌で感じつつ歩くこと…

二人して光の列を横目で眺める

大阪市内にて二男をピックアップし阪神高速を神戸方面へとひた走る。二男と車内二人になったのは久方ぶりのことだった。ちょうど薄暮の時刻。対向車のヘッドライトが点灯しはじめた。空の明度がまだ保たれているから視野に直接入っても眩しく感じられない。…

行きつけ定番の店誕生の夜

前日は魚三昧だったので肉を食べようと家内と出かけた。芦屋で降り打出まで歩く。目指すは日韓食菜はた坊。カウンターに並んで腰掛ける。ソファのように椅子がふかふかで座り心地がいい。どこに目をやっても清潔で上品。店の雰囲気に料理のレベルが表れ出て…

マルズの皆さん、ありがとうございました。

姫路港を出て午前中を海上で過ごす。海を渡る風は少しひんやり心地よく、視界さえぎるもののない風景に日頃蓄積した心中の澱が洗い流されていくかのよう。波間近な視線で過ごすからだろう快活な野生がよみがえり、いたってシンプル、喜び基調のメンタルが復…

未知の時間が開くたび驚かされる

五月晴天の朝、高速船に乗って漁場に向かう。場所は姫路沖にある家島。釣りに一家言ある通の間でも名高い屈指の好漁場であるそうだ。その場で食べる魚の美味を思うとニヤけてしまう。駅の改札でオカモトくん一家と待ち合わせ。ご近所さんでもあって、同じく…

大学という母港

近鉄長瀬駅から一斉に掃き出された人波にのって進む。近大前商店街は学生らで埋め尽くされ、若いエネルギーと5月の陽気が相俟ってムサ苦しいほどの活気を放っている。ちょうど昼時。軒を連ねる飯屋はどこも盛況で、人気店の前には人だかりができている。そ…