KORANIKATARU

子らに語る時々日記

2021-08-01から1ヶ月間の記事一覧

貧乏が良き導き手となった

最初に頼んだウーロン茶のグラスがまもなく空いた。 店員が二男に声をかけた。 お飲み物はいかがいたしましょうか? 二男は言った。 お冷やをください。 何でも好きなものを頼めばいい。 わたしはそう水を向けるが二男は首を振った。 特に飲みたいものはない…

京都にて十年一昔を肌で感じた

昨年の夏は長男。 今年の夏は二男を連れて京都に向かった。 まずは開店と同時、「にし田」を訪れた。 すでに幾組もの客が順番を待っていた。 ありふれた佇まいに見えて人を魅了してやまない。 他とは一線を画す店であると、ひと目で二男にも理解できたに違い…

遊んで更に結束が強まった

昨夏は帰省した長男を連れ明石の寿司大和を訪れた。 今年は二男を伴った。 昼を前に出発し玉津ICで高速を降り片道約一時間。 予約してあった座敷に陣取った。 小さい頃、二男が食べることができたのはマグロと玉子だけだった。 いまは何でもよく食べる。 し…

一緒に楽しく頑張れる人

いま毎日が楽しいが、それなり苦労も伴った。 女房がいたから乗り越えられた。 土山人へと向かう車中、息子とそんな話になった。 女房が誰かで人生が変わる。 周囲に生きた実例が幾つもある。 目を凝らせばそれら女性の奥に潜む本質がチラと見えることだろう…

最後の頁をきちんと閉じてからの話

早朝、寝床のなか。 目が覚め、徐々に意識が起動していった。 前日マッサージを受けたからだろう。 快調と感じた。 そろそろ起きよう。 そう思いつつ、ふと考えた。 はい、ここまで。 もしいま唐突に人生終了の時を告げられたとしたら。 半睡半醒のまま想像…

無心となった瞬間、時間が飛んだ

珍しく朝の10時には家を出た。 昼前の打ち合わせ1件を皮切りに、午後に3件、夜に1件と予定が立て込んでいた。 日に5件も訪問が詰まる日など滅多にないことだった。 さあ頑張ろう。 そう思う一方で一日を思って気重さも同時に感じた。 電車に揺られながら…

50歳がひとつの終焉

節目というよりひとつの終焉。 男子50歳はそういった地点だと感じる。 そこを過ぎるともう何も身につかない。 精進したところで押し寄せる若手に伍するレベルまでには至らない。 それまでに培って身に宿った「実」以外、頼りになるものは何もない。 もはや、…

その瞬間、すべてが一変する

週が明けると忙しい。 日中、怒涛の業務をくぐり抜け、ようやく夜になって憩いの時間が訪れた。 弛緩のクライマックスは寝床での読書。 届いたばかりの「二月の勝者」第12巻を手に取った。 空調が効いて、洗いたてのシーツの感触が実にいい。 生きて在ること…

「誰かのため」が積み重なって足元が固まった

日曜であってもやらねばならないことが幾つもある。 あらかじめタスクノートにも記載しているから、こなしたくて仕方がない。 朝4時半に目が覚めたとき、ひとりでにカラダが動いた。 軽いものからこなしていく。 近くの給油所にまずはクルマを走らせガソリ…

気候風土の異なる国に暮らすようなもの

用が済めば疎くなる。 二男の大学受験から半年、長男の大学受験からは二年半が経過した。 受験について考えることがなくなって、これは幸せなことと言えるだろう。 二男がこのたび帰省して先日友人らと再会した。 メンバーは大学生と浪人生が半々といった構…

父が先輩で子が後輩

せっかくだから歯のケアをしてもらおう。 母校の部活に顔を出した後、二男はそう思い立った。 夕刻、予約の時間に合わせ西田辺に向かい、きじ歯科を訪れた。 優しい歯科衛生士さんがたっぷり時間をかけ歯を隅々まできれいにしてくれた。 またねと礼を言って…

通底していたのは子への愛

カリスマの手によるヘッドスパだけでなく、足と腕も含め計2時間の施術を受けたというから、後は楽をさせてあげねばならない。 夕飯は外で済まそうと話し、塚口の「ふじ鮨」に連絡を入れた。 店主が出たので予約したい旨を告げるが、緊急事態宣言を受け9月…

毎回キョトンと顔を見合わせる

父が先。 誰もがそう思っていた。 だから顔を合わせる度、父本人を含め毎回ピンとこない感情のなかに放り込まれることになる。 残された母を皆で孝行する。 そんな図が残るはずの実家に、父がいてわたしがいて、母がいない。 解けない謎に父子で揃って首を傾…

人生でいちばん楽しかった頃のこと

朝、疲労を覚えた。 開店と同時、駅前のマッサージ屋を訪れた。 施術を受ける間、これまでの人生でいちばん楽しかった頃のことを考えた。 時は10年以上も遡るから、この日記を始める前のことになる。 当時、子ども達は小さかった。 仕事はたいへんだったし懐…

まあこれでええんちゃう

結果的にはこれで良かった。 大学受験を経た後、息子二人に何かをこじらせたような跡はなく、各自胸を張って生きている。 親としてほっとするところである。 こだわりを手放せないまま過去を引き摺ると、時に認知が歪む。 繰り言が話題の先頭に来るような人…

常軌を逸した地上の美

昼になってようやく雨があがった。 分厚く空を覆っていた黒雲はきれいに取っ払われて、青々とした空が視界の涯まで広がった。 所々に点在する雲は真っ白で、空の青をより鮮やかに際立たせていた。 涼風に樹々が憩い、ハッピーエンドの穏やかさに包まれる街を…

ピンもあればキリもある

容赦なく雨が降り続き、せっかくの休日だがどこかに出かけようという気にならない。 かといってずっと家に閉じこもっていても気が塞ぐ。 結局、食材の買い出しだけはしようとなった。 伊丹に道の駅があって、品揃えが結構いい。 お盆だからいつにも増して混…

食べて涙がこぼれ出た

昼になって雨脚が弱まった。 うなぎを買うため、ひとり野田阪神に向かった。 お盆だから案の定、川繁には列ができていた。 普段、行列の類には見向きもしないがその一角に甘んじるのは息子のため。 息子が喜ぶと思えば、ただ突っ立って過ごす時間も親は厭わ…

随所で格差に拍車がかかる

雨が小降りになったのを見計らって家内と買い物に出た。 天気予報によればこの先もずっと雨であり、所により災害級の雨量になるとのこと。 物騒なことをニュースは告げるが、見渡す街に不穏な気配はどこにもない。 続いてコロナについてのニュースとなった。…

ファイティングポーズが基本型

ようやく人並み。 ここ数年、衣食住についてはなんとか事足りるようになった。 いまやそれが当たり前のようになって、だから衣食住自体は今の幸福度にさして寄与しない。 この日、家内は二男を連れてアウトレットに向かった。 東京で暮らす若い男子には着衣…

若き星の動きが一望できる

朝、いつもと同様に家内が朝食を整え甲斐甲斐しく用事をし始めたのでその流れのまま、わたしは出勤した。 この火曜からお盆休み。 そう告げることが呑気なことに思え言い出せなかった。 どのみち他にすることもない。 事務所に着くと皆がすでに仕事を始めて…

二日作業し一時退却

駅前の商店街で日用品を買い足し、消耗品といった部類の衣服をユニクロで買い替え、ベッドを動かし床全面を隈なく拭き取り、風呂・トイレ・キッチンといった水まわりをピカピカに磨き上げ、不要物をまとめてゴミに出し、家内は洗濯機を何度も回し食事を作り…

上りの行程を三時間ほどで踏破した

台風10号は日曜午前には関東を通り過ぎる。 そうと知ればじっとしていられない。 家にいてもどうせ後片付けや掃除にかかるだけである。 それなら今夏の帰省が叶わぬ長男の部屋をきれいにし食事の支度を整えてあげたい。 家内はそう思った。 猛暑のなか連日ラ…

息子がいる喜び

土曜日の朝一番、二男が帰省した。 ワクチン接種の二回目を終えた翌日、始発で帰ってきたのだった。 副反応はないとのことで、家に着くなり彼は武庫川を走った。 そして、家内は張り切った。 ありあわせのものでまずは朝食を作った。 夜は、28期松井教授から…

できれば詳しく聞いてみたい

この土曜から多くの事業所が夏季休暇に入る。 わたしも世間並みに休む予定であったが、初日は仕事に充てることにした。 いつもより早く家を出て、JR神戸線で南森町まで行き、コンビニでサンドイッチを買ってから谷町線に乗り換えた。 道中、様々なことが頭に…

時間が止まり人の動きも止まる

この三連休を使って上京し息子らと過ごす予定にしていた。 しかし、東京ではコロナ感染者数が増加の一途をたどる。 一介の小市民であっても最低限の社会性を踏まえる必要があるだろう。 ノコノコ行って帰って、感染拡大を引き起こす当事者になっている場合で…

夢のたすき掛け構造

うちの兄弟姉妹は仲がいい。 小さい頃はよく下町の路地で一緒に遊んだ。 別々に暮らすようになって久しいが、母を見送ったあと以前にも増して頻繁に連絡を取り合うようになった。 仕事の合間、昨日は実家で弟とも妹とも顔を合わせた。 母の子どもたちは下町…

戦う土俵を変えれば結果も変わる

新たに体重計を購入し、毎朝それに乗るようになった。 かれこれ3か月継続し、いまでは欠かせない習慣として根付いた。 朝、どのような数字と対面することになるのか。 それが意識の端にあるから、自ずと食べる分量に気を配るようになった。 数字がアメとな…

憧れの先の先に置かれた旧き良き価値

事務所を出て地下鉄と阪急電車を乗り継ぎ高槻駅で降りた。 業務を終えて晴れて終業。 夕刻、やわらいだ日差しを受けながらのんびり歩く。 雑多な雰囲気の盛り場を抜けJRの駅に向かった。 電車に乗ると家内からメッセージが届いた。 いま天王寺にいるという。…

これもひとつの副反応2

夫婦揃って38℃まで熱が出た。 家内の様子は普段と何ら変わりなかったが、わたしは青息吐息でふらふら。 寝床についてもうなされて、深夜1時にロキソニンを一粒服んだ。 朝が訪れても同様。 全身がだるく下肢に力が入らないから動けない。 だからソファに寝…