KORANIKATARU

子らに語る時々日記

2021-01-01から1年間の記事一覧

過去と未来、両方の記憶に挟まれる

日曜の朝、武庫川を走った後で断捨離を手伝った。 場所は一階の和室。 テレビで流すのは007/スカイフォール。 長男が無事中学受験を終えた後、梅田に出かけ家族四人で観た映画であるから懐かしい。 収納の奥の奥からちびっ子だった彼らが着たラルフのジャン…

奇跡の人が世界を鮮やか彩る

前夜飲みすぎた。 お酒がカラダにかける過負荷を実感しつつ、それを跳ね除け早朝から始動した。 自室にて業務にかかり、この日は土曜日、一段落した頃合いこの身を解き放った。 今年一番の冷え込みだった。 身を切る寒さであったから、日の当たる場所を選ん…

うまい、との声が翌日まで響き渡った

記念すべき第一回目は2020年12月19日の土曜日。 苦楽園の「鮨たかまさ」に集まった。 今回ようやく二回目にこぎつけた。 2021年11月26日金曜日、北新地の「緒乃」での集合となった。 ほぼ一年ぶりの再結集。 が、前回いつだったか。 空での記憶はあやふや。 …

良き記憶が更に大きく膨らんだ

駅に到着し、わたしたちは第1ターミナルのガレリア3階に向かった。 寿司幸のカウンターに座り、家内は白ワイン、わたしはノンアルを頼んだ。 広々ゆったりとした空間に心が落ち着く。 喧騒からもほど遠い。 「こちら」から「あちら」。 世界をまたぐ際には…

送る側より去る側の方が寂しい

羽田に向かうため、品川駅で乗り換えた。 空港行きの列車を待ちホームに並んだ。 横を見ると、家族連れの姿があった。 青年が両親を見送りに来ている、そんな風に見えた。 東京で暮らす息子に会って数日一緒に過ごしたのだろう。 息子は笑顔であったが、母は…

芝生の上、芦ラグ出身者を注視した

前日の雨模様とは打って変わってこの日は晴天に恵まれた。 朝9時前にはホテルを出て、自転車を借りた。 3人で縦列になり冷気を切って東京の街を疾走した。 まずは朝食。 代官山にあるIVY PLACEを目指した。 案内された席が店中央の、どちらかと言えば魅力…

東京の雨は光り輝いていた

息子の部屋は掃除が行き届いていた。 憩いの空間として整っていて安心。 雨音が遠くに感じられた。 家内が水回りなど確認し、滞在は時間にして10分足らず。 二男を伴い食事に出た。 雨の商店街を三人で並んで南へと進んだ。 新高円寺駅もほど近い。 そこから…

痛々しい時間を塗り替える

東京滞在の二日目は雨。 家内は朝から買い物に出かけ、いつもの平日と同様わたしは業務に勤しんだ。 昼をまわり一段落したところでホテルの部屋を出た。 いま伊勢丹にいると家内が言うので、副都心線で新宿三丁目に向かった。 レストランフロアで待ち合わせ…

いついつまでも家内にとってはオムツ・ベイビー

息子たちに会える。 母親にとってこれほど胸躍ることはない。 上京に備え前日から家内は大量に肉を焼き、その他手料理をこしらえた。 終始、上機嫌。 子らがオムツをつけていた昔日のことまで懐かしみ、饒舌を奮った。 新大阪も近いがタクシーを使えば伊丹も…

失って得たもの

結婚当初、家内はほとんどお酒が飲めなかった。 一方のわたしは習慣飲酒者。 飲兵衛にとって、お酒は一種の句読点みたいな役割を果たす。 一日の終わりにそれは欠かせない。 ともに暮せば句読点が一致する。 つまり、家内の暮らしにお酒を持ち込んだのはわた…

真っ暗なのも日常の一側面

一気に気温が上昇し、暑いとも感じられた土曜の朝、Tシャツと短パンで武庫川に繰り出した。 空も川も土も緑も、視界のすべてに光があふれていた。 それら光を全身に浴びて走って、カラダは歓喜するかのように発汗した。 家内は朝から料理に掛かりっきりで、…

エンドロールにわたしの名

明石での業務を終えて夕刻。 先日訪れた居酒屋「道場」のことが頭に浮かんだ。 あとは帰るだけ、しかも金曜。 自らをねぎらってもいいのでは。 そんな考えがちらと頭をかすめたが、そのまま電車に乗った。 何でもひたむきに継続してしまう性格である。 ここ…

自分の呼吸、自分の歩幅

前夜の帰りが午前様だったからゆっくり眠った。 幸い木曜はゴミ出しがない。 そんな些細なことが実に嬉しい。 事務所には向かわず、午前中、自宅にて業務を進め午後一時に家を出た。 ぽかぽかとした陽気のもと、がらがらの電車に乗って東大阪まで揺られた。 …

エスケープ・フロム・ガンマGT

このほど検査結果を聞いた。 10月16日時点の数値が79。 人間やればできる。 このとき耳にした長谷クリニック院長の言葉をわたしは生涯忘れることはないだろう。 つい半年前、4月16日に358だったから大改善と言えた。 先日、田中内科クリニックにて129との数…

ほんの少しだけ世界が広がった

長男から家内に電話がかかってきた。 先日送った荷物のお礼だった。 運転しながらわたしは漏れ聞こえる声に耳を澄ませた。 グリーンのポロが気に入ったようで、「緑にはまりそう」との息子の言葉に家内はたいそう喜んだ。 長男と話してまだ足りない。 家内は…

白と黒の間でやめておく

これも忘れぬ内に書いておこう。 日曜日、第二阪奈道路をくだっているときのこと。 ある人の話題になって、わたしは批判めいたことを口にして勢いづきかけた。 助手席に座る父が静かに言った。 白と黒の間でやめておけ。 それで気づいた。 うっすらグレーで…

その横をずっと一緒に歩いてきた

朝10時、実家の前にクルマをつけた。 玄関で待っていた父を助手席に乗せ、空晴れ渡る日曜日、クルマを生駒へと走らせた。 母が他界しまもなく半年になる。 が、いないということがまだ信じられない。 みな感じることは同じだが、ともに暮らした家で過ごす父…

小ウソもウソもウソはウソ

最初は頭から信用していた。 人伝てに聞いて、その男の虚言癖を知った。 だんだん何が本当で何が嘘か区別がつかないようになって、ほとんどすべてが嘘なのだと感じるようになった。 信用が第一。 わたしはそんな世界で生きている。 虚言に巻き込まれる訳には…

優先順位は不動

明石公園に差し掛かったとき、ふと思った。 小さい頃の息子たちがここにいる。 タクシーを降りて、しばしその前景を眺めた。 上空に流れ込んだ寒気の影響で肌寒い。 そんな寒さをものともせず、広い園内を息子らが駆け回っている。 当時の時間にひとときひた…

気づけば今年も終盤に差し掛かった

夕刻、電話が鳴った。 二男からだった。 自室にネット回線を売る営業マンがやってきたとのことだった。 すでに他社との契約を済ませあった。 あとは工事を待つばかりであるが、どちらが得か。 自ら即断せずわたしに電話してきたのだった。 飛び込み営業は相…

時間というのはあってないようなもの

日記には日付がある。 だからなんとか前後が分かる。 もし日付を伏せてシャッフルされたら時系列に並べ直すことは難しい。 意識のなか一年前も五年前も「ついこの間」という感覚のもと、同じカテゴリーに属している。 ここに不思議を感じる。 いま、自身の足…

確率ではなく流れ

目に見えて整い始めた。 森林が都市の空気を浄化するがごとく事務所内の男っぽい雑然が整然に変わった。 新しく加わった女子職員はまわりがよく見え動きが早く献身的。 頭が切れて話して明るく仕事の内容も正確で非の打ち所が無い。 有能さを視覚化したよう…

送り先は下北沢と高円寺

肌寒さを感じる季節になったので相応の部屋着を探した。 アマゾンに安くて評価の高い品があり、試しに買ってみた。 届いて早速袖を通した。 かなり着心地がいい。 すぐに息子二人の分も注文した。 送り先は下北沢と高円寺。 翌日、長男から「最高」、二男か…

生きることはイカゲーム

日曜日だから身軽で気楽。 電話はかかってこないし、対応すべき課題もない。 ああ、肩が軽くて呼吸も楽。 しかも快晴。 胸がすく。 まず朝一番、生きて在る喜びにひたって武庫川を走った。 ほんのりと陽が差し、空気はほどよく冷えて疲弊した心身がみるみる…

まずは相手の話を受け入れる

先日のこと。 家内はご近所さんに招かれ夕飯をともにした。 途中、その家のご主人が帰宅した。 手にファミチキを携え、さあ、どうぞと食卓に添えたという。 家内にとっては物珍しい品である。 で、悪気もなく、はじめて目にしたと言って、手はつけなかった。…

この人とのこの場を大事にする

明石辺りには縁がある。 お客さんが複数いて、その最西端は加古川。 その最西端の事業主から声がかかり、間をとって明石で待ち合わせることにした。 時刻は夕刻。 久々会って、率いられるようにして駅近くの飲み屋の暖簾をくぐった。 ノンアルを頼もうとして…

窓の向こうを見て飽きない

ひとりで過ごすと思い出にふける時間が多くなる。 例えば移動のとき。 車窓の向こうに映るのは昔のことばかり。 過去の集積が列車に揺られているようなものである。 気が滅入るような思い出が浮かべば、もぐら叩きの要領ですぐさま意識の地中深くへと叩き返…

ただただ休んだ日の記録

一昔前なら仕事に出ただろう。 週の真ん中に祝日があっても当時のわたしには意味がなく、これ幸い、じっくりデスクワークに勤しんだに違いない。 が、いつしか業務負担は減少し人並みに休むことができるようになった。 休養も大事。 休むようになってはじめ…

気持ちを初心で上書きすれば勢いづく

今月はうちがゴミ当番になる。 朝いちばんでゴミ用ネットのセッティングを行い、ゴミが回収された後、ネットを畳む。 それが役割であるが、日頃から朝一番でわたしがネットを広げているから、ゴミ当番と言っても畳む工程が増えるだけのことである。 そんなこ…

似た者どうしでめでたしめでたし

海域によって棲む魚は様変わりする。 伊勢と淡路島は人の感覚からすれば離れているが、同じ南海トラフ上にあって魚にとっては同じ場所。 このように海には海の区分があって、ここら近海には南海トラフの他、瀬戸内、大阪湾、太平洋沖合など全く異なる海が4…