KORANIKATARU

子らに語る時々日記

2022-03-01から1ヶ月間の記事一覧

夜桜が一年の門出を飾る

吹田で業務を終えて夕刻。 家内から連絡があり谷四で待ち合わせた。 5番出口をあがって、そこで合流した。 そこかしこで桜が盛りで、まだ空が明るい。 仕事が片付き、気持ちも華やぐ。 夫婦で谷町筋を北に向き夕飯の店を探しつつ歩いた。 谷町二丁目の交差…

懐かしのヒール役Part4

生きていれば不安がつきまとい、夢に潜在的な不安が反映される。 定番とも言える夢が幾つかある。 何が心に大きな影を落としていたのか。 夢を通じて理解が促されることになる。 試験前日の場面など、ヘビロテされる夢の筆頭に挙げられる。 明日が試験なのに…

平日夕刻、現実から遠く離れた岩盤の上

ひと汗かいた後、休憩室のソファに腰掛けた。 水分を補給しながら、ニュース番組に目をやった。 カラダが冷え始めたところで、再びわたしは岩盤エリアに戻り寝転がった。 じんわりと温まって汗が噴き出した。 日々つきまとう雑念も一緒に排出されて、この空…

愛着の度が別次元

横を歩くのは二十代の頃、慕っていた先輩であった。 飲んだ帰りで、場所はおそらくミナミだろうか。 とある店の前に差し掛かったとき、暖簾の向こうから星光生がぞくぞくと姿を現した。 えっ、とわたしは驚いた。 なぜなら今夜飲み会があるなど、わたしは知…

週末は夫婦で『パチンコ』

朝方は小雨だったが、昼を過ぎて雨脚が強まった。 することもないので自室で仕事をしていると、買物に行こうと誘われた。 助手席に乗り家内の運転で芦屋に向かった。 先ごろ開店したばかりのビッグビーンズは大盛況だった。 第二駐車場まで満杯に近い。 今回…

あれから八年もの歳月が流れた

週末金曜、わたしは事務所の自室にこもって仕事に勤しんだ。 家内が手伝いに来て、自転車を駆って東奔西走し、事務所に戻っては皆のためお茶を淹れた。 自室の向こうから談笑が聞こえてくる。 お茶がありお菓子がありお弁当があり、なによりたくさんの仕事が…

太ると悲しい

毎朝体重を測っている。 だから、数字として把握していた。 家内が留守の間、食がほんの少しカオスとなった。 それに伴い、体重がほんの少し増加した。 体重測定を日常化して以降、「横ばい時折減少」といった状態を維持していたから、増加したのははじめて…

猛獣使いと猛獣は一心同体

ソ連が崩壊し、冷戦が終わった。 めでたしめでたし。 そう漠然と思っていたが、実際のところロシアの人々は以降、幸せだったのだろうか。 トランプが大統領に選ばれたとき、中間層が没落し怨嗟の念を内に秘める層がアメリカでは増えていると問題視された。 …

記憶が時間を巻き戻した

休日に郵便局を使う用事が生じた。 谷六から地下鉄を使い夕陽ヶ丘で降り、谷町筋を北に進んでわたしは天王寺郵便局を目指した。 うららかな春の日、穏やかな風に吹かれてとても気分がいい。 だからその気分相応の昔の記憶がよみがえった。 2015年1月18日午後…

げに恐ろしきは人間

朝、武庫川を走り、走り終えた後には何もすることがない。 ソファに寝そべり、いつか読もうと抜き取ってあった新聞記事に目を通す。 時折、視線を外す。 休日の空を眺めて目を休め、空に飽くとまた文字へと視線を移した。 単に生きているだけ。 そんな状態と…

良い言葉遣いが未来を切り拓く

一人で過ごすが、一人ではない。 この夜は、二男が電話を掛けてきた。 わたしの上の妹は東京に嫁いだが、この夫がうちの息子らとよく一緒に遊んでくれる。 昨日、その夫が二男をサウナに連れて行ってくれ、その後で蕎麦をご馳走してくれたという。 日暮里に…

目に命の火が灯る

日常がルーティン化して、どの日を取ってもますます似たようなものとなっていく。 日記を通じてそれがよく分かる。 年を追うごと活性が弱化し、どの日もどの日も似たりよったり。 この経年観察により変化の減衰具合が視覚化されているようなものである。 息…

来月は一蓮托生

三連休初日。 仕事でもしようと家を出た。 無人の事務所で業務に励む。 休みの日でも仕事ができる。 これぞ自営業者の喜びというものだろう。 折々、家内からメッセージが届く。 東京滞在中の前半は長男の住む下北沢に通い、後半は二男の住む高円寺の通うと…

一人になって自らの真実に気がついた

ずっと根を詰めて仕事をしていたから、三連休を前に余裕が生まれた。 もはや自由。 いま新幹線に飛び乗れば、連休を家族と過ごすことができる。 が、腰は上がらない。 家でのんびり過ごす心地よさに抗えない。 それでわたしは自身の本質を理解した。 いつか…

夜中の電話で目が覚めた

数日置きには岩盤浴に横たわる。 疲労はなかったが、何事も先手。 この日の夕刻も岩盤浴で過ごした。 いつしか幸福感に満ちて、岩盤浴を終えて湯につかっているときには自然と鼻歌がこぼれ出た。 引き続きクルマで北上し尼崎の阪神百貨店で夕飯とする食料を…

春になって皆の動きはますます快調

寒さに打ち震えていた先頃の日々が嘘のようである。 いつの間にやら冬が舞台袖の奥へと消え去って、春が姿を現した。 空は明るく、暖かな陽射しの匂いが実にいい。 そんな春の日、長男は引き続き東京で過ごし、家内は骨休めを兼ねて上京し、このほど二男が帰…

いつか春のエデンで語り合う

症状が出たのは遥か昔、大学生のときだった。 だからこの時期、二男が鼻炎になればわたしと同様、花粉症とみてまず間違いないだろう。 で、花粉症なら、わしお耳鼻咽喉科。 この日二男は事務所のお使いを終えた後、コナミスポーツで泳ぎ、そして鷲尾先生に診…

在り様は正反対

コツコツと続けてきた勉強が一段落し、家内が羽根を伸ばす。 大阪を発って東京入りし、しばらく気ままに過ごすようである。 ヨガのレッスンに通い、春の街路をサイクリングして各地の名店を巡り、時には押しかけ女房のごとく長男と二男の下宿を訪れて世話を…

一過性であれ不等号が影を落とす

何かを失う訳ではない。 たかだ受験。 子が元気ならそれで十分。 日々の幸福を享受できる。 その価値の巨大を思えば、どっちが上でどっちが下といった世間で取り沙汰される不等号の向きなど些細に過ぎて、視力検査のCの字のごとく、どうであろうがそれで困…

駅前の蕎麦屋に客は絶えない

ある教師が言っていた。 大阪星光は30期台が最も優秀だった。 突如、存在感を顕にし、関西の進学校の一角を占めたのがその時期と重なる。 しかし、そこから更に飛躍することはなかった。 高度を保って安定飛行する旅客機のように以降は現状維持程度に留まっ…

努力や執念がものを言う

午後6時、武庫之荘駅の北口で家族を待った。 日が延びてまだ明るい。 電車が停まり、改札口に向けて大勢の人が押し寄せてくる。 目を凝らすと、電話が鳴った。 家内と二男はすでに目的地に向かって歩いているという。 出し抜かれたわたしは急ぎ足で家族を追…

息子のことを想う場所

もう大学生であるから、着の身着のままという訳にはいかない。 春が到来するこの季節の変わり目、東京で暮らすには新しい装いが必要となる。 それで家内は二男を伴い箕面の問屋を訪れた。 血気盛んな息子らにとって衣服はまだまだ消耗品の域にある。 だから…

親としてこんな嬉しい話はそうそうない

東京にて息子が良き出会いに数多く恵まれた。 それが親として何より嬉しい。 先日、大学の友人がする述懐を耳にする機会があった。 彼はうちの長男のことを親友だと言った。 彼自身は内向的で考え込みやすいタイプなのだという。 一方の「親友」は何事にも積…

相討ちも辞さずグーにはグー

頭に来ると視界が曇って狭くなる。 下町のおじさんなどに顕著で、小さい頃、そんな姿をさんざん目にしてきた。 まぶたを閉じれば、ひっくり返されるちゃぶ台の様子がストップモーションで浮かび上がる。 下町全体を見渡せば、壮観。 無数のちゃぶ台がお茶や…

バカバカしいのも行き過ぎれば恐怖

先日の日記の続きである。 返す返す思う。 ほんとうにくだらない。 話題の質として程度が低く、中身を見れば見るほどバカバカしい。 が、それでもそこに居たたまれぬような怖気を感じるのであるから、一度は正視し何がどうなってのことなのか記しておかねば…

サイズが如実に物語る

離れて暮らし、息子たちとの交流がより一層深まった。 毎日のようにその近況を聞く。 それはこの家に住んでいたときも同じだったが、情報の中身が今の方がはるかに濃い。 上京しなければ出合えなかった世界に彼らは身を置き、日々その世界が目まぐるしい。 …

最強のお世話係がまもなく参上

ノリが異なる。 語数が多く、全く言葉が途絶えない。 やはり、そう。 この日、家内は月一度のヘッドスパを受けていたのだった。 施術師はカリスマ的存在で、一度列から外れると予約が取れない。 だから予約の命脈が尽きぬよう、毎月欠かさず施術を受けるとい…

それぞれにふさわしい場所がある

疲労を覚えた。 だらだらと業務を続けても質が落ち悪循環に陥るだけである。 能率という観点で言えばいったんリフレッシュするのが得策だった。 そのため岩盤浴が必要だった。 仕事を切り上げ、事務所を後にした。 少し帰宅が遅くなる。 家内にメッセージを…

ようやく何でも話せる間柄になった

焼肉でも食べに行こう。 父が電話でそう言ったので、吹田からの帰途、行き先を事務所から実家に変えた。 先日までの寒さが影を潜め、日が長くなり夕刻でも明るい。 この明度が春の到来を明瞭に告げていた。 途中、電話がまた鳴った。 このご時世だからやはり…

雨が降って痛む古傷の一つや二つ

雨の降る夜、西宮北口で家内をピックアップし帰宅した。 家に着くなり家内が即興でパスタを作ってくれた。 息子らは不在。 やわらかな雨音がリビングにひっそりとしのびこんでくる。 自然と会話のトーンはしみじみとしたものになった。 なんとかここまでやっ…