KORANIKATARU

子らに語る時々日記

2023-03-01から1ヶ月間の記事一覧

選択肢が未来に光を灯す

奈良での業務を終えた。 さてこのあとどうしようか。 満開の桜が古都を彩っている。 せっかくだからとぶらり歩いて花見した。 ではこのあとは。 午後も後半に差し掛かり、急ぎの用事はなにもなかった。 わたしは真っ直ぐ家へと帰ることにした。 リビングに上…

選民意識は賎民を必要とする

春分の日を過ぎて、日に日に日が高くなり、降り注ぐ日差しもまた強くなっていく。 日中は汗ばむほどで、だから家内がアロマを調合し携行用のスプレーを持たせてくれた。 ひと吹きすれば、微風にそよぐ新緑みたい。 爽やかな薫りが立ち込めて、そこに含まれる…

花明かりの夜空にすべての時間が同居していた

たまにはいいではないか。 以心伝心、気持ちが通じ合った。 ジャージにまで着替えていたが取りやめた。 わたしたちはジムをサボって夜桜見物へと繰り出した。 さくら夙川駅で下車しまずは苦楽園口まで歩いた。 日が残っていて夜桜となるにはまだ早い。 先に…

雨の日曜、女房と花をみて過ごした

雨が降り止まず、せっかくの日曜なのに何をして遊ぶか方針が定まらない。 ぼんやり過ごそうか。 そんな雰囲気に傾きつつあったが、それではやはり勿体ない。 花見がてらドライブしよう。 そう言う家内に連れられて、わたしたちは家を出た。 まずは夙川方面へ…

向こうで湧いて溢れる活気

走って泳いで筋トレし体調を万全に整えてから家を出た。 土曜夕刻、ミナミは人でごった返していた。 行き交う人はほとんどが外国人観光客で、ミナミの盛り場はどこもかしこも人種の坩堝と化していた。 まっすぐ歩くことさえ困難であったから、密集度の少ない…

旅する気分で地元の雰囲気を楽しんだ

今回横浜を訪れ「刀削麺」との表示がやたらと目に入った。 それで気になっていたから、この日の昼は刀削麺で決まりだった。 食べて昔の記憶がよみがえった。 何年も前のこと。 夫婦で上海を訪れ、そこで気に入ったメニューが刀削麺だった。 日本のラーメンを…

一瞬、言葉に詰まって目には涙が浮かんだ

横浜滞在の三日目は朝から雨となった。 霧がかかって何も見えず、せっかくの眺望も台無しとなった。 前日同様、朝一番でフィットネスに向かった。 泳いで筋トレしサウナに入って、それから業務にかかった。 買い物に出かけると言って家内は一足先に部屋を出…

春の雨には匂いがある

上京しての初日、かなり歩いて草臥れた。 ホテルにチェックインして歩数をみると軽く二万歩を超えていた。 疲労があると寝付けない。 昔はそんな日ばかりだったことを思い出し、いまの暮らしがどれほど安閑としたものなのか思い知った。 それでももちろんい…

夫婦の卒業旅行は横浜界隈

坂越から届いた牡蠣28個をすべてさばき、それで出汁をとってご飯を炊き、特製の牡蠣ご飯が仕上がった。 わたしは息子らに手渡す衣類や靴などを荷詰めして、バッグを背負って手にも提げ、準備完了。 家内とともに家を出た。 祝日だから電車は空いていて、おそ…

老いてなおますます忙しい未来図

博多を旅したのは昨年末のことだった。 雪が舞うなか昼に寿司を食べ、家内の隣には若くて身なりのいいカップルが座っていた。 食べ進むうち、自然な流れで家内が真横に座るかわいい女子に話しかけ、いつしか旧来の仲であるかのように英語での会話が弾んだ。 …

いろいろなところに恩がある

週末、食事に誘われた。 待ち合わせのやりとりをし、改めて思った。 この人との縁がなければ息子たちを芦屋ラグビーに連れて行くことはなかっただろう。 絶対にスポーツをさせる。 それが家内の方針だった。 勉強など二の次。 スポーツしてこその男子。 それ…

団体戦を見越しての大学選び

息子が写真を送ってきた。 多くの友人らと一緒に笑う息子の表情をみてしみじみ思った。 慶應の法を選んだことは彼にとって大正解だった。 わたし自身は理系に進んだ。 理系科目が得意でそれがかしこさの証だと思い込んでいた。 浅はかにもそれが理由で理系を…

さあ、飲むぞとの号令が発せられた

うちには息子が二人いる。 ともに屈強。 大食漢でお酒も強い。 ひさびさ一堂に会するのは東京でか大阪でか。 時期は月をまたぐ頃となるだろう。 メニューは肉の一択で揺らがない。 こちらは家内が二人の時間を調整し、どこかとっておきの店を予約する。 注文…

些細であるが重要な意思決定

会社には独身寮があって月にわずか8千円で住むことができる。 ほぼ新築でジムや食堂、駐車場などの設備も万全に整っている。 だから当初、そこに住むと息子は言った。 諸先輩らとの交流も深まって、第一、ぴかぴかのマンションに月額8千円で住めるなど、新…

アウトプットがインプットになって好循環が引き続く

木曜日はジムが休みなので家内とともに家でイタリア戦を観ることにした。 帰途、十一屋で家内が気に入っている白ワインを2本買い、併せてわたしの食前酒としてサッポロ赤ラベルの瓶ビールを買った。 帰ると料理が整っていた。 結構な見栄えであったから驚い…

子育ての日々は尊い時間だった

家内がメッセージを送った。 お相手には子が2人いて、ともに小学生。 いま子育ての真っ最中である。 うちの子が小学生だった頃のことに触れて相手を励まし、家内は最後にこう締め括った。 過ぎ去って痛感します。 子育ての日々はほんとうに尊い時間でした。…

ふだんは「なかじい」、赤い顔のときは「あかじい」

自分だけおいしいものを食べて済ませる家内ではなかった。 月曜の朝一番、家内はパルヤマトに向けクルマを走らせた。 と、植木の世話をする「なかじい」の姿を道端に見つけた。 いったん通り過ぎてからバックして戻り、家内はクルマを降りて「なかじい」に話…

たまには広々とした景色に身を預けてみる

水平線の向こうに太陽が姿を現し、和室の部屋に日の光が満ち満ちた。 温泉地であるから一日の出だしは当然に風呂で決まりだろう。 夫婦揃って階下に降り男湯と女湯、二手にわかれた。 露天風呂につかって、さっき部屋を照らした太陽を屋外で眺めた。 同じ日…

歳を取り列で並ぶことが苦でなくなった

行列ができるというから朝の7時半には家を出た。 朝食は家内が作ってくれたベーグルサンドで、家内が助手席から差し出してくれるのをハンドルを握りながら頬張った。 9時半に到着し、開店が11時だからいくらなんでも早すぎると思ったが、すでに3〜4組…

要はこれまで運がよかっただけの話

牡蠣が旬のうちにカキオコを食べに行こう。 家内がそう言うから宿を探した。 日生や赤穂周辺でたった一部屋空きがあったから、まずは急ぎそこを押さえた。 そのあとで口コミなど見てまずまずの評価のホテルであったから安心し、そして更にそのあとでかつてこ…

根っこでつながる輪が賑やか再起動される

息子からメールが届いた。 友人が合格したとのことだった。 これで友だち全員の大学入試が片付いた。 彼らはすこぶる仲がいい。 いまもそうだが、その仲は中一のときから始まった。 昼となれば蕉蕪園に集まって、よく一緒に弁当を食べた。 そこで若き戦士た…

あれから四年、彼らの仲はより強固なものとなった

年に2回、成績が発表される。 今回が最後となった。 今年度の1回目の発表日は9月5日だった。 その段階で卒業に必要な単位数を取り終えていた。 しかし、なぜだろう。 卒業との正式な通知がないと一抹の不安が拭えない。 それで前日、慶應大学に電話し問…

夜食の味はあたたかな家庭の味そのもの

たっぷり泳いでプールから上がるとガラス越しに家内の姿が目に入った。 マシンと格闘する家内に手を振ると、向こうも気づいてこちらに笑顔が返ってきた。 ジムスペースで合流し、開口一番、家内が言った。 いいカラダになっているから、水着姿がかっこよかっ…

パワーリストの外れる日が刻一刻と近づく

朝、家内の運転で家を出た。 いつもはすいすいと進む阪神高速がこの日ばかりは混んでいた。 海老江あたりで渋滞の度が増し、夫婦で横に並んで車列の長さに目をやった。 クルマがひしめき合う様子に気が塞ぎ、揃って閉口せざるを得なかった。 渋滞嫌いの家内…

子育てを通じ底意地の悪い人物が浮き彫りとなる

子育てに伴う出費は小さなものではなかった。 特に学費は集計すればかなりの額にのぼるだろう。 しかしどの時点においてもそれを惜しいと感じることは一切なかった。 それどころか喜びであったとさえ言えるかもしれない。 だからそんな支出についていちいち…

ぶらりのんびりとした日曜日

ランニングを終えて家に戻ると家内が言った。 タイ料理を食べよう。 そう言ってすぐ目当ての店に予約の電話を入れた。 家内がハンドルを握って高速を突っ走り、途中、覆面パトカーらしき車影に気づいて機転よく減速し、それでも大阪の新福島まで半時間もかか…

よき日常にバックハグされているようなもの

陽射しが暖かく、帽子や手袋といった防寒具はもはや不要となった。 武庫川に出て走りはじめて、尻上がりに調子がよくなった。 いくらでも走れる。 そう感じたが余力を残そうと65分走ったところで切り上げた。 家に戻ると家内がパンにはさむ具材を色とりどり…

ハイソな街で自らの等身大に立ち返る

女房が不在となって、たったその数日間で体重が2キロも増えた。 かなり運動していたが、それ以上に食べた。 体重計は、わたしの希望的観測に忖度することなく正直にものを言う。 家内が旅先から戻って、わたしの食生活も秩序を取り戻しつつある。 朝は軽く…

走りつつ、意識について考えた

前日と打って変わって冷え込んだ。 が、日脚が伸びて、残照を受けほのか輝く川の流れが春の訪れを告げていた。 夕刻、場所は武庫川。 川面に長く伸びていた自分の影がいつしか薄闇の中へと消え去った。 先日、スキイチが言っていた。 一寸の虫にも五分の魂と…

友だちと再会しよう、それがこの夜の結論となった

東梅田駅で降り北新地へと向かった。 途中、大阪駅前ビルの地下街へと分け入って、軒を連ねる飲み屋の盛況ぶりに驚かされた。 まだ午後6時過ぎなのに、あちこちの店が満杯だった。 路傍に咲く花を見るように飲み客の陽気な笑顔を左右に見渡し思った。 これ…