KORANIKATARU

子らに語る時々日記

何度も何度も東京タワーに目をやった

単発の業務があってこの日家内を伴い東京へと赴いた。 家内は早朝から起き出し息子に差し入れる弁当をこしらえ、そのついで車中でわたしが食べる朝食も作ってくれた。 ただわたしのは息子の弁当に比べ格落ちもいいところで、松竹梅で言えば松と苔くらいの差…

空気を読んで流れを変える

台湾からの来客があって小雨降るなか芦屋へと向かった。 待ち合わせ場所である竹園ホテルを訪れ、通訳を交え打ち合わせを行った。 仕事が立ち上がり、今後あれこれお手伝いすることになった。 そして台湾を起点に今後アジア各方面の案件にも関わっていくこと…

愛らしさが相乗効果で倍加する

帰宅すると夕飯の支度が整っていた。 いい焼き目のステーキがトップバッターで、続いて登場したぶりの照焼も味で並び立ち、ハイボールが進んだ。 締めは前夜のクエ鍋の出汁で作った雑炊で、この日も大満足の夕飯となった。 食事を終えて家内が二男に電話をか…

眼前にいてそこには巨大な隔たりがあった

その人は曲がったことが大嫌いなのだという。 そういうときには異を唱え、その勢いや凄まじい。 だから「曲がった」と解釈された時点で、問答無用となって、とりなす余地は見いだせない。 その人自身の落ち度は棚に上げ、荒っぽい決めつけ口調が時を追うごと…

わたしという現象はいい時間だらけで構成されている

刺すような冷気の中を歩いていたからだろう。 暗がりに向ける視線の向こう、うっすらと赤みかかった色調で先日のあたたかな情景が映し出された。 新世界百貨店のサウナは室温60℃強で物足りなかった。 何人もの男性がこりゃダメだとすぐにサウナから出ていっ…

動いて足掻けば闘志に火がつく

土曜日に引き続き日曜日も旺盛にカラダを動かした。 張り切り過ぎたからだろう。 泳ぎの終盤、通常の動きが乱れて足掻くようなていとなった。 必死のパッチで手足を動かし、生きていることの本質はこうしたあがきにあるのではと思えた。 あがきにあがいて、…

動きの中に居場所がある

慌ただしい一週間が過ぎ、この週末で心身を整える。 そして週明け、忙しさの渦中へとまた身を投じることになる。 まず午前中に走って、午後はジムで過ごした。 自己回復にはやはり運動が最良と感じつつ、気持ちよくカラダを動かした。 走って心地よく、泳い…

次はおれだよ、いやあいつだよ

朝、吹田駅で降り北口に出ると、客待ちのタクシーが1台停車していた。 取り逃さぬよう、歩を早め乗り込んだ。 行き先を告げ、発進してすぐ運転手が切り出した。 冠二郎が亡くなりましたね。 顔が思い浮かばないので言葉に詰まっていると、運転手は次々、こ…

昔日を夫婦で眺めて現在地点へと運ばれた

スローペースで前日を過ごしたから心身にタメができていた。 朝の出だしから快調に飛ばし、面白いくらい仕事が捗った。 瞬く間に時間が経過し気づけば夕刻となってわたしはウメキタへと向かった。 先に着いて店の前で待っているとまもなく家内も現れた。 神…

思い出が身体の各所に仕舞い込まれている

いつも元気はつらつという訳にはいかない。 いろんなことがあるから、たまには消沈することもある。 それでも仕事は待ってくれない。 だから休むのではなく歩を緩め、少しでもいいから前へと進むといったペースに切り替える。 午後早い時間にはデスクワーク…

西天満で夫婦二人の新年会

正月休みの後に祝日があってほんとうに助かる。 迎え酒というのだろうか、休みボケが成人の日という休みによって正される。 多くの人がこのワンクッションの恩恵に与っているに違いない。 成人の日を含む三連休を利用して、先日東京に帰ったばかりの長男が友…

いつもと同じと見えていつもと異なる

祝日の朝一番、家内を助手席に乗せクルマを本町の問屋へと走らせた。 寝具がセールになっているから息子たちのため毛布などを買うのだという。 開店と同時に寝具売場へと直行し大幅に値下げされたふわふわ毛布を息子たちのために選び発送を頼んだ。 そのほか…

改札をくぐる二人の姿が目に焼きついた

具材たっぷりの味噌汁を作り、魚を焼き、そこにだし巻き卵も添えられた。 これで朝食として申し分ないはずだったが、肉が食べたいと息子が言った。 彼らが奈良に向けドライブに出発した後、だからわたしたちは肉を調達するため買い物に出かけたのだった。 芦…

平凡な時の流れに身を浸す

雨模様の朝、武庫川を走ってから家の掃除に取りかかった。 ルンバを走らせながら拭き掃除をし、最後はマキタのコードレス掃除機を使って細部まできれいに仕上げた。 掃除をすると爽快感で胸は満ちるが、お腹は減る。 定食のライスを大盛りにしてもらって昼を…

この日、空はどこまでも青かった

この日が仕事始めだった。 いつもより早く家を出て事務所へと向かった。 駅への道中、空に目を奪われた。 なんて美しいのだろう。 正月休みの間に空気の澱みがすっかり払拭されて、空がどこまでも青く澄み渡っていた。 目からその青が沁み入って、心まで洗わ…

それ以上に強く願望することなど他にない

汽車のチケットは長男同様、事前に手配してあった。 家内手製の昼ごはんを食べ終え、二男が帰京の支度に取り掛かった。 旅先で買い込んだ服と家内が作った食料とで荷物は相当な嵩となった。 玄関前で記念撮影し、家内が地元の駅まで二男を送った。 子どもた…

家がまた静かになっていく

風呂に時間をかけようと朝食は軽く済ませた。 小さな頃ならあれもこれもとビュッフェで多くを楽しむ息子たちであったが、長じてはこれというものだけ選んで他には全く目もくれない。 この日は家族ともども海鮮丼と明石焼きだけ選び、餅つき大会を見学してか…

言わず語らず互いの現在に思いを寄せた

元旦の日の昼、伊勢神宮からの帰りに二男は実家に立ち寄り、一方、長男は正月二日目の朝に実家を訪れ、わたしの父に新年の挨拶を済ませた。 老いた身にとって孫は無上の存在だろう。 父は喜び目を細め、おそらくはそのかたわらに母も現れ、一緒になってその…

こっちはこっちで、そっちはそっちで

元旦の朝、家内が準備してくれた料理をクルマに積んでわたしはひとりで実家に向かった。 以前は親戚中が集まった。 その食事の世話で母はたいへんな労を強いられた。 コロナがあってそんな宴会は取りやめになった。 のんびりと過ごせる正月をたった一度だけ…

家に着いたとき、時刻は夜の9時を過ぎていた

この日も息子二人のジム活が終わるのを待ってホテルを出た。 行き先は釜山南浦で、滞在最終日の朝食はソルロンタンで決まりだった。 朝の9時の時点でほぼ満席だったから人気のほどが窺えた。 目論見どおり、息子たちは喜んで一滴も余さず平らげた。 食後、…

滞在二日目のメモ

息子二人が朝のジム活を終えるのを待って出発した。 イさんのクルマは港町を目指した。 この日はアワビ粥を朝食に選んだ。 ウニ盛りを出だしに各種貝類の刺身を堪能しメインのアワビ粥を息子二人で4人前も平らげたからイさんはその食べっぷりに驚いた。 通…

半年ぶりに四人集結

仕事納めの日の深夜零時のこと。 丸の内にある別の商社の先輩方と三次会に行くとの連絡があった。 流れには逆らえない。 だから明日の朝は無理かもしれない。 長男からのメッセージを読み、わたしは眠れなくなった。 予定では朝7時に本郷を出ないと成田発の…

仕事納めの光景

朝、武庫川を走って家に戻ると家内も早朝から起き出し、二男のための食事の用意を整えていた。 わたしもおこぼれに与った。 料理教室で修得したとおり本場さながらの具材で作った参鶏湯は過去一の美味しさで、二男も絶賛することになった。 まず最初、二男が…

寒々しくも物悲しい視覚効果

各々3万歩を刻んだ土日の東京行脚を終え、月火水と休むことなく夫婦でジムへと通いスムーズに日常を取り戻したと思ったら、はや年末。 年の瀬はいよいよカウントダウンの段階へと差し掛かった。 年末から年始にかけて息子たちと過ごすことになるから、あれ…

振り向けばそこに大阪星光

帰省してすぐ鷲尾先生に診てもらうと二男は言った。 喉に少し違和感があるとのことだった。 家に着くなり支度して彼は「わしお耳鼻咽喉科」へと出かけていった。 そこで親身に診てもらって症状についての説明も分かりやすくほっと胸を撫で下ろした。 二男は…

楽しさの指標は歩数

わたしも家内もカラダを鍛えに鍛えている。 だから平地での歩数が3万を超えたところでどうってことはない。 土曜の夜、銀座のイルミネーションを眺め終えホテルに戻った。 オートロウリュサウナなどコリドーの湯がいいとの評判で予約したホテルであったが、…

夜空を飾った刹那の美

人間だって光に吸い寄せられる。 夜空を照らす街の灯がクリスマスをピークにたわわに実って、都内はどこもかしこも人で溢れ返っていた。 わたしたちは大手町を皮切りに麻布台を経て表参道へと至り、光を見上げ続けて疲労と空腹を覚えたので、そこで夕飯をと…

ぽかぽか陽気のもと、サンタもさすがに汗ばんだ

クリスマスを過ごす場所として一昨年は東京、昨年は博多、そして今年は再び東京を選んだ。 前夜、午前様だったから新幹線では寝て過ごした。 途中、家内が気を利かせて起こしてくれた。 おかげで、今年一番の快晴のもとクッキリと美しい富士山の雄姿をこの目…

暑さ寒さと無縁の世界

気温が零度まで下がった朝、防寒対策をしっかり施し武庫川へと向かった。 前日に比べ、走ったり散歩する人の数は激減していた。 快調に走った後、ヨガへと向かう家内とともに家を出た。 この日は終日デスクワークに勤しんだ。 ちらほら年賀状じまいの便りが…

そんな女性はどこにも見当たらなかった

寒波の影響を侮っていた。 薄手のブルゾンではとても抗えない。 血も涙もないような無慈悲な寒さにうち震える一日となった。 風がいっそう冷たさを増す夕刻、大阪駅で電車を降り一目散で地下街へと駆け込んだ。 帰宅の途につく人混みの流れに逆らって歩き、…