KORANIKATARU

子らに語る時々日記

とどのつまりは後先の話

年齢を重ねるごとに差は歴然となっていく。 拮抗したり抜きつ抜かれつということは少なく、最初は僅かと思えた差が積み上がり、やがて甚大となる。 先日、たまたま同じ空間に居合わせた。 何年ぶりだろう。 こちらは気づき、しかし相手はまったく気づいてい…

最強寒波などどこ吹く風

朝、わたしが気づいた時には家内はすでに息子たちへの発送を済ませていた。 今年最後の食料を朝一番で配送センターに届け、そして家に戻ってすぐまた出かけていった。 朝10時の営業開始と同時、ジム活するのだと家内は言った。 わたしもちょうど出かけようと…

たまには女房と夜京都

業務を終えて天満橋から京阪電車を使って京都へと向かった。 三条駅で降り鴨川を見渡しながら三条大橋を渡り、高瀬川を越えたところで寒さがこらえ難くなった。 これぞ底冷え。 大阪の冷え込みとは比較にならなかった。 寒さをしのぐため商店街に入った。 ア…

汲めども尽きない普遍の平穏

土曜日と打って変わって日曜は朝から晴れ渡った。 雲ひとつないむき出しの地表を寒気が直に覆い、凍てついた。 だから午前中に訪れた梅田の街は、すっかり冬の装いとなった人々で溢れ返っていた。 阪急百貨店で家内の買い物に付き合っているうち、どんどん人…

普通の人と普通に暮らすのが何より

もういくつ寝ると息子たちが帰ってくる。 ホリデーシーズンに差し掛かり、家内の頭を占めるのはやはり息子たちのことであった。 雨が降るとの予報だったので、わたしは朝一番で武庫川を走った。 戻ってくると家内に促されすぐに支度しわたしは助手席に乗り込…

せめて言葉としてでも居残ろう

週の前半で業務をあらかたこなしていた。 だから、金曜には余裕ができた。 朝、実家に寄った。 まもなく年が明ける。 元旦の墓参りについて父と話し合い、お供えの品や時間などを取り決めた。 そのまま墓の話となった。 母の後、やがて父もそこに入る。 しか…

年末、時の流れがどんどん加速してゆく

帰宅すると、家内が家の網戸を根こそぎ取り外し、玄関前で水洗いしていた。 年の瀬なのだとの実感が湧いた。 洗い終わった網戸を一枚ずつわたしが取り付け、取り付ける一面ごと屋内に吹き込む風が清涼になっていった。 そのときまるで風に運ばれるかのように…

よき映像群のなかを遊泳するかのような人生

平日の夕刻、プールはガラ空きだった。 レーンを独占し悠々と泳いだ。 いまや一等地とも言える西宮北口にこれだけ巨大なプールがあって、そこでまだ明るいうちから泳げる。 その幸福に浸るうち、いつしかわたしの頭の中では今年訪れた旅先の場面が去来し始め…

明るさは七難隠す

終日机に座りっぱなしだったから、仕事を終え「走りたい」との衝動がせり上がってきた。 パーソナルの予約がある家内はジムへと向かい、わたしは日暮れ間近の武庫川へと駆けた。 武庫川に差し掛かり、犬の散歩をしていた人とすれ違った。 そして、それが人の…

つまりここは再会の場所

早朝から仕事にかかって忙しく、移動距離も長い一日だった。 業務を終えて草臥れ果てて、カラダが肉と冷麺を欲したから途中下車して新長田の平壌冷麺を訪れた。 滅多にないことだが、この日の夕刻、たまたま店内は空いていた。 わたしは四人がけのテーブルに…

ある師走の日曜日の記録

東の空に並んで輝く明けの明星と有明月を眺めながらクルマを走らせた。 法隆寺で高速を降り大和路を進んでいると、空は白みはじめたが霧が立ち込め、神域が近づきつつあるのだとの実感が伴った。 所要90分、ちょうど朝の7時に間に合ってわたしたちは生まれ…

さあ、いよいよ後半戦が始まった

疲れていようが酔っていようが家内が英会話のオンラインレッスンを欠かすことはない。 一度など東京の静かなカフェでおっ始めようとしたから慌てて制した。 一昨日はマダガスカルの人と話し、小さな島だと思ったところ日本よりはるかにでかいと分かって驚い…

間違いなくそこに実在している

先日の朝日新聞に印象深い記事があった。 聴覚と触覚は同じ遺伝子を介して感覚機能を発揮している。 また、聴覚と触覚で得られた情報はともに脳の側頭葉で処理されている。 そこから聴覚と触覚は密接に結びついていると考えられる。 そんな慶応大学の仲谷准…

百年後も二百年後も楽しみの尽きない人生がずっと続く

午前中に梅田でのジム活を終え、家内は宝塚へとクルマを走らせた。 そこで美容のケアを受け、パルヤマトで買物をしての帰り道、散歩するチャッピーを見かけた。 いったん行き過ぎたが急停車してクルマをバックさせた。 おひさしぶりです。 家内は運転席から…

ミナミを歩いて旅情にひたった

ジムへと向かう支度をしていると家内から電話が入った。 これからヘッドスパを受ける。 終わったあと一緒にご飯を食べよう。 それでわたしはどちらかと言えば喜んでジム道具を放り出した。 大阪駅を経て帰宅ラッシュで混み合う御堂筋線に乗って心斎橋に向か…

この日はたまたま同伴出勤

今にも雨が降り出しそうな曇天の朝、家内とともに駅へと向かった。 9時過ぎだといつも座れるがどういう訳かこの日の電車は混み合っていた。 電車に揺られて運ばれて、一緒に事務所に出勤して思った。 なんて健全な同伴出勤なのだろう。 書類を受け取り家内…

おのずとこうべを垂れて「さん」を付す

日曜に続き月曜の午後も武庫川を走った。 空気がキリリと冷えて、雲間を縫って陽射しがあたたか降り注ぐ。 走るのに最良のコンディションと言えた。 快調に走って家に戻ると家内がちょうど買い物に出かけようとしているところだった。 わたしを見るなり家内…

そこで得られたものは不滅

家内が料理教室へと出かけたのでわたしは家の掃除に取り掛かった。 快晴とまではいかなかったが、晴れ間の絶えない天気だった。 だから掃除に並行して布団を洗い天日干しにした。 これで夜が来ればふわふわで暖かな寝具に包み込まれ、冬の寝床の居心地が最上…

ほんとここはいいところだよ、とても

朝、家内に連れられ9時過ぎには家を出た。 京都へと向かう新快速はたいへんな混みようだった。 大阪駅で大勢の人が降りる間隙を縫って、補助席になんとか座ることができた。 高槻駅でまた大勢の人が乗ってきた。 車内は人で充満し、わたしたちは座りつつも…

たまたま当事者でなく、たまたま爆弾も降ってこない

仕事で遅くなったので、一杯飲んで帰ることにした。 懐メロが流れるなか、ひとりくつろいで過ごしているとニュース速報がiPhoneの画面を横切った。 手に取って内容を見るとガザで戦闘が再開されたとのことだった。 夏にガザの窮状を報じる新聞記事があった。…

暖かな思い出がふっくらと膨らんでいった

ジムが休みだからおそらく家内から誘いの連絡がある。 そう踏んで夕刻まで過ごすが携帯はうんともすんとも言わなかった。 月火水とノンアルで過ごし、この日は飲む気になっていた。 だから夕刻、事務所近くの酒場に寄った。 近くを選んだのは、大阪市内を動…

耳と心は直に繋がっている

怒鳴られるとその残響が耳にこびりついて離れない。 あのときわたしは直接怒鳴られた訳ではなかった。 電話を通じそこで発せられていた怒声を間接的に耳にしただけである。 それでもかなりの程度、心身を穿たれた。 だから地元の駅に着いて、家より先に神社…

人は物語の中を生きている

旅先だとたいてい横に女房がいるから、好き勝手に食べるといったことができない。 そして家内のあとについてひたすら歩く。 結果、おいしいものを食べたところで量も回数も知れているから体重が落ちることになる。 大阪だと単独行動になって、わたしの本性が…

いわば大人の滑り台

三泊四日の東京滞在中、フットマッサを受ける間はなかった。 自転車を使った土曜を除き、連日2万歩以上を闊歩したからカラダは実に切ないくらいにフットマッサを求めていた。 しかしスケジュールが押して、今回は先延ばしにするより他なかった。 だから帰阪…

終わりよければすべてよし、だから近々また上京することになるだろう

朝起きると窓一面に水滴がかかり、向こうに見えるビル群には白っぽく靄がかかっていた。 28階の部屋から路上に目を落とすと道は雨で黒ずみ、ちらほらと傘を差す人の姿が見えた。 自転車に乗るのは諦め、電車で移動することにした。 朝10時にはチェックアウト…

冷え込む土曜、息子たちへアプローチ大作戦

気温が8℃だと手がかじかむ。 前日と打って変わって真冬なみの寒さとなった土曜の朝、家内に率いられ松濤、富ヶ谷あたりを自転車で疾駆した。 お茶休憩のあとは代々木公園へと足を延ばし、サイクリングコースをぐるぐる回った。 銀杏並木をバックに家内の記…

歩きに歩いて27,000歩

陽気に恵まれた一日だった。 昼を前に始動し、渋谷から代々木公園まで歩き昼食をはしごした。 そして渋谷に戻り、駅から電車に乗って新宿駅で乗り換え高円寺で降りた。 そこから歩いて10分もかからない。 二男の部屋に食糧を置いた。 続いて新高円寺駅から丸…

今年は国立競技場へと赴いた

今回でラグビー早慶戦は百戦目を数え、この記念すべき試合は秩父宮ではなく国立競技場で行われた。 わたしが早稲田出身で長男が慶応出身で二男が早稲田に在学中であり、やはり早慶に縁があるのだろう。 チケットを申し込むとプレミアムシートが当たった。 そ…

ダブルで結束を強化された運命共同体

いい夫婦の日、わたしは朝から事務所にこもって夕刻までデスクワークに勤しみ、仕事後はジムへと赴いた。 一方の家内はヨガのレッスンを2本受け、梅田にて美容のケアを受けジム活を行った。 帰宅すると一足先に家に戻った家内が野菜だけの食事を用意してく…

暇を持て余すと自身に刃が向く

梅田の地下街は人流が入り乱れ、常にカオスといった様相を呈している。 特に朝の通勤ラッシュ時の無秩序ぶりは危険を感じるレベルと言っても過言ではないだろう。 大阪駅を降りわたしは東梅田駅へと向かい、阪神百貨店前の角を曲がった。 ちょうどそのとき逆…