KORANIKATARU

子らに語る時々日記

この感覚はエクスタシーというしかない

家内が昨晩、万代で買物して財布の入ったバッグを置いて帰ってきたという。

現金、クレジットカード、キャッシュカード、免許証、家の鍵にクルマの鍵、全部誰かに持って行かれたことになる。

ガックシうなだれる。買い物しようとヨドバシに向かっていたがそんな気分になれず引き返す。

人生ほど重いパンチはない、というロッキーの言葉が身にしみてくる。

盗難にあったとカード会社や銀行に電話し終わった後になって、家内から電話があった。

叫ぶような声音なので笑っているのか泣いているのかにわかには判別できない。

声が途切れないので大笑いしているのだと分かる。泣いているなら時折は声が途絶えるはずだ。

結論が先に来ず、順を追って話すものだから要領得ないが、徐々に内容が見えてくる。

「財布があった」ということのようだ。

「財布がリビングのテーブルの下にあった」、だんだん具体的に話がわかってくる。

命拾いしたような、安堵感が足先からじわじわと全身にせり上がってくる。

この感覚はエクスタシーというしかない。