一昨日、四万十市を経て竜串そして足摺へとクルマを走らせた。
途中、ナビに言われるまま細い道路に入ったのであったが、この道が戦慄であった。
家族皆が震え上がり叫び不安に怯え運転する私はウブな初心者のように前傾姿勢でハンドルにしがみつき対向車が来ませんようにと祈り続け、しかし対向 車は現れ偶々カーブの膨らみがあったためすれ違うことはできたが、そのような僥倖にいつもいつも恵まれるはずはなく、このときばかりは本当に神様に思いを 伝え続けた。
途中野生のタヌキが脇をすり抜けて行ったけれど牧歌的に反応する余裕は誰にもなく一歩間違えば奈落の底という恐怖に晒され続けた。
顛末見えぬままいつ終わるとも知れず、ようやく40分ほどで広い道に抜けたときの歓喜はこれ以上ないほどビビッドに我々の旅を彩った。