KORANIKATARU

子らに語る時々日記

明け方の熊野神社

7月1日、今年後半が始まった。


明け方4時、事務所に向か う前に地元の熊野神社に立ち寄った。



お参りを終えた私と入れ替わり、参拝道の脇からご老人が現れ神前に進み出る。



腕に結構大柄のわんちゃんを抱えている。

犬は眠っているのだろうか。



すれ違ってから振り返ってみた。


ご老人はわんちゃんを抱いたままの姿勢で拝礼している。



エンジンをかけその場を離れる。



だんだんと空が白みはじめ辺りに光が満ちてくる。



あんなでかい犬を抱っこしたまま神社でお参りするってどういうことなのだろう。

あの犬は具合が悪かったのだろうか。

神社の前に停まっていた自転車のことが頭をよぎる。

眠っている犬を静か運べるような造作などなかった。

まさかもう死んでいたのだろうか。

死んだ犬を前のカゴに横たわらせ片手で支え真夜中自転車を漕ぐ老人、そのようなシュールな映像が浮かぶ。



灯籠だけに照らされた薄明かりのなか、自分がついさっき目にした光景の現実感が遠のいていく。