KORANIKATARU

子らに語る時々日記

暴走タクシー

話す内容からすれば1時間で済むはずだった。しかし私は話す側ではなくレクチャーを受ける側であったようだった。そして話がたいへんに興味深い。お相手は東京からお見えである。1時間経過するが離席するタイミングが見計らえない。

1時間20分経過し、次の予定が鼻先まで迫る。唐突に席を立ち失礼を詫び往来に飛び出す。ドラマみたいに目の前にタクシーがやってくる。手をあげ乗り込み行き先を告げる。5時までに間に合うようにと付け加える。

短髪の演歌歌手みたいな運転手は混んでるから厳しいと言って、しかしスイッチが入ったみたいにすぐに向き直りクルマを発進させた。

高速乗り口までで既にクルマが長蛇の列をなしている。運転手は車列に直列に接続せず、迂回し垂直に割り込み、それを二度繰り返し、それでも高速入口まで遠いと睨むと右車線に移動し、二車線ある右折ラインの一番右端レーンで距離をできるだけゲインしていく。

そしてクラクションならされながら右折車をせきとめたまま交差点で左側2つ向こうの直進レーンに移動したのであった。

まるでメッシのよう。

高速でも車線変更を繰り返し見る見るゲインしていく。

10分遅れの見込みであったが、結局5分早く到着した。

世の中、このような仕事人によってうまくまわっているのだった。