KORANIKATARU

子らに語る時々日記

夜の運転で蘇る思い出

西陽に照らされる水辺は美しく、光の減衰具合を静か味わいつつ月曜夕刻、ひと気ないプールを家内と行きつ戻りつする。

家内を家に送ってその足で二男のお迎えのため大阪に取って返す。

湾岸線に差し掛かる頃には陽はすでに落ち工場地帯の光が真闇な海に浮かぶしずくのように輝いて賑々しい。ぼんやり見とれていたいシーンであるが運転中なので脇見はご法度だ。

ビリー・ジョーのリバーオブドリームズが流れ20年以上も昔の思い出が現在進行で蘇る。
祖母の訃報を聞き着の身着のまま慌てて東京から大阪へと舞い戻った。その頃この曲がリリースされたばかりであり何度も繰り返し聴いていた。

曲によって当時の記憶が呼び戻され更に過去へと意識が向かう。

私の隣席にあの優しい祖母が現れ出たような気持ちになってくる。

間もなく二男が教室から出てくる。祖母が顔をくしゃくしゃにして二男を愛でる様子が思い浮かぶ。

今夜帰路は二男が生まれる9年前に亡くなった祖母の話をしようと思う。