KORANIKATARU

子らに語る時々日記

兵庫県中学生ラグビー大会一回戦完敗(親バカ日記)


9月7日日曜日、仕事場には向かわずに家にとどまる。
明け方、周辺をジョギングする。
雨上がりで一層濃くなる草木の香を胸深く吸い込みながら朝日で明度増す山の緑を目指し北へ向かう。
やはりこの界隈は素晴らしい。

ひとしきり走って戻り塾がある二男を駅まで送ってから家内と出発する。
向かうは姫路。
新快速に乗れば思ったほど遠く感じない。
座れたものだからちょっとした小旅行気分となる。

御着駅からタクシーで、姫路市立球技スポーツセンターへは10分程度。

今日は第32回兵庫県中学生ラグビー秋季大会(1・2年生の部)開幕の日であった。

メインスタンドではなく、ひと気少ないバックスタンドに陣取る。
キックオフの11:00が迫る。
グランドの外で練習する選手らの様子を眺めつつ、観戦の支度を整える。

夏の日差し降り注ぎ猛暑の日中であるが、日陰に入れば風がとても心地いい。

家内がHDビデオで撮影し、私は肉眼で観戦する。
選手が入場し、撮影が始まった。
私はフォワード1番を凝視する。


学校のあれやこれやで忙しく、土曜も授業があり木曜金曜には放課後に特別講座まであるものだから、正規の練習は欠席がちであったし、思う存分気の済むまでトレーニングをこなすという訳にはいかなかった。

それでも時間をみつけては体を鍛え、少しでも走力がアップするよう夜中なのに走っていたことを知っている。

だからこの試合のフォワード1番に注目していたのであった。

試合開始の笛が吹かれた。
出だし快調、土蹴って一気加速しボールに向かった。

すべてにおいて、ついこの間行われた春の大会の頃の動きを上回っている。

走り負けないようになったからだろう。
振り回されるのではなく、主体的に試合に関わっているというふうに見えた。
少なくとも前線では試合の動きをグリップできていた。

いくつも見せ場があった。
名場面は5つを数える。
映画ダイ・ハードでも見せ場は2つか3つ、007でもせいぜい4つだ。
だから5つも見せれば、上出来すぎる出来栄えと言えるだろう。


撮影している家内の口数が次第に減っていく。
グランドで走り回る我が子の姿は、日常接する姿とはまるで異なり強烈な磁力を発し続けている。
家内は感動でプルプル震え、静か感慨にふけりながら目頭熱くそして少しは泣いていたに違いない。

私だって、深く心揺さぶられ、その動きを目に焼き付けていた。

小学生の頃よりはるかに勇敢にプレーしている。
フォワードとしていち早く拠点に駆けつけ相手にプレッシャー与えるだけでなく手数足数増え相手へのブレーキとして作用する多彩な動きを見せるようになった。

自覚を持って先頭に立ち、相手にまっしぐら走り、時にはステップ踏んでかわしながら、常に味方を引っ張って鼓舞し、時には「かかってこい!」と相手に強い言葉もぶつけて試合のムードを湧き立てていく。

タッパはまだ足らないが、あたりが滅法強くなった。
強烈なだけでなく、タックル後の動きもしつこく重たく頑丈なイカリのように相手をとらえて離さず随所で有効的に相手の動きを封じた。


試合は完敗であった。
チーム全体としてフィジカルとスピードで圧倒的に劣っていた。

フォワードさえかい潜れば相手は好きな様に得点できた。

勝機見出すにはバックスが守りに徹し、パスでは前にゲインできないのでキックで前に転がし、後はファワードに託す、運が良ければトライコースが拓くこともある、そのようなまるでサッカーのような戦術しかなかっただろう。

次回は、9月21日に2・3年生の部が開幕する。
会場は三木防災公園だったろうか。
この日も家内と連れ立って観戦に訪れることにする。
健闘を祈る。


二回戦がなくなったので、食事にしようと球技場を後にする。

バックスタンドの端に陣取って観戦していた日本最強との呼び声高い伊丹ラグビーの選手らの前を通り過ぎる。どこまでも深い緑の練習用Tシャツが凄みさえ漂わせている。

姫路に出るが目ぼしい店もなく、知った店もない。
せっかく遠出してハズレ引いては悔いが残ると家内が明石のチーロにダメ元で電話したみた。

5日以上前からしか予約を受け付けない人気の名店なので日曜に席があるはずがない。

ところが運良いタイミングで一組のキャンセルが出たという。
席が取れたのだった。
さすが家内。
何でも試してみるものである。

明石へ向かう。
かつてたこフェリーのりばがあった場所を右折すると、海に面した場所に、チーロが見える。

私はビールと白ワインを頼み、食事は家内が選ぶ。
どれもこれも絶品であり、頬張るたびに唸ってしまった。

一回戦は完敗したが、食事で挽回。

楽しい子供談義はいつまでもやまず、いくらでもお酒がすすむ幸福な食事となった。

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