信じないかもしれない。
野田の松屋が見目麗しのギャルらに占拠された。
18ある座席のうち15が眩しいようなギャルで占められ、
他の客は、ボロいチャリンコで乗り付けた草臥れたおじさんと、日焼けしヒゲ伸ばし放題でまるで草むらから出てきたようなおじさんと、そして、わたしの3名のみ。
昼前にして既に松屋は異様な雰囲気で満たされた。
居並ぶギャルに気圧され視線を上げ難い。
チラリ目を上げればそこにズラリキラキラ、ギャルが瞬く。
少女時代in野田松屋とおじさんに説明すれば信じたであろう。
ああ、私は短パンとTシャツ。
定食かきこみながら、自らのみすぼらしさを照らされるかのような心境で、こう見えてもちゃんと家族も家もクルマもあって定職もあるしそれに海外旅行 にも行ったことだってある、とギャルに伝わるわけでもないのに自らに言い聞かせ、瓦解しそうなプライドを何とか保つのであった。
次第に目のやり場が定まって落ち着いてきた。
彼女らは標準語を話している。東京からおいでのイベントギャルか何かのなのであろう。
丸坊主のガタイで見るからに怖そう。典型的な浪速のおっさんとして、私は大阪風景の一部と化すことができた。
東京からの客人に対し、地味ながらちゃんと役割果たせたと思う。