KORANIKATARU

子らに語る時々日記

兵庫県春季大会が開幕し、久々ラグビーを観戦した。


春の陽気に恵まれた日曜日。
午前中早めに用事を終えクルマ走らせ自宅に急ぐ。

家内をピックアップし、向かうは神鋼灘浜グランド。
この日、統一地方選挙も第18回なら、兵庫県中学生春季フットボール大会も第18回。
その初戦が行われるのであった。

所属チームはどちらかと言えば斜陽にあって強豪ではなく、私たちが応援する選手についても息子であるから動静見守り手に汗握るのであって決して名選手だからというわけではない。

しかし、たいした娯楽もなくひたすら地味に質素に生きる私たち夫婦にとって息子が試合に出るのであれば、これは大イベントというべきものであり、嬉々馳せ参じることになる。

そして、テレビの黎明期、力道山の活躍ぶりに昭和の民がかじりついたように、我ら夫婦は一人の凡庸な歳若いフォワードに熱い視線を送るのだ。

ラグビーをはじめた小学生の当初から出場機会には恵まれ続けたので、それだけで子は親孝行を果たしているとも言えるだろう。


対戦相手は、姫路。
けんか祭りで有名なあの姫路である。
真っ赤なユニフォームが姫路の血気ほとばしる様を際立たせている。

こんな体躯の者と一緒にいればどんな街角を歩こうとも安心安寧であるだろう。
そう思わせるガタイの中学生が姫路チームにズラリ7〜8人居並ぶ。

対する西宮チーム。
なんと主力級が修学旅行で留守だという。拮抗できそうな体格の者は2〜3人。
勝てるはずがないだろう。

力の差は明確でやはり敗れはしたものの、随所、見せ場を作った。
勇敢に当たって、ねっばっこく相手にしがみついた。
相手に楽をさせることはなかった。

負けて、よしよしと喝采は送らぬが、奮闘ぶりは見届けた。

来週は三田戦。
ちょっとはマシなカメラを買おうかと帰途、家内と話し合った。
写真見つつ試合を振り返り、貴重なシーンの数々がとても愛おしくなったのであった。


いったん引き返し、日本史上屈指のホラーと聞こえ高い「震える舌」を家で観ていた二男を拾って長田へ向かう。
試合後の長男はカラダ動かず、自宅で静養。

二男にとって、中学始まって以来、最初の日曜日。
小学5年までは毎週ラグビー、6年では塾があって、ストレスレスで過ごす日曜とは無縁の二男であった。

今日久々、安息日としての日曜を堪能できたようであった。
日曜って最高やな、と二男が言う。

そのようにしみじみその価値を肌で感じることこそ大切なことであろう。

そして、長田の牛車で炭火囲んで肉を焼く。
ここ牛車はラグビー観戦の日の定番となりつつある。

前菜のユッケを平らげてタンを焼き、一人前限定のハラミを焼いて、そしてロース、山カルビ、海鮮盛り合わせと焼き続け、仕上げはホルモン盛り合わせ、もちろんニンニクのツブとスライスも添えて焼くこと忘れない。

デザートのテールスープを堪能しながら長男用の持ち帰りを焼いていると、焼肉通の間では知らぬ人のない牛車のママ御自ら、私たちに肉のおいしい焼き方をレクチャーしてくれる。
7回裏返す、これが肉を焼く真髄だという。

結局、長男の土産分まで食べることになり、再注文し更に焼くことになった。
家内が7回裏返す。

この真髄、我が家代々受け継がれることになるだろう。

 

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