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頭皮が酷く凝る。
そのような症状が存在することを昨日身を持って知った。
次のアポまでの待ち時間、午後3時頃、ぐったり感があって目についた本町の喫茶店に入った。
業務の流れの都合で、田中内科クリニックの前を通りかかったのがついさっきのこと午後2時。
お昼休みの時間であった。
少し時間を調整し、ニンニク注射を受けるべきであったと後悔しつつ、喫茶店に腰掛け自らのだるさに向き合う。
業務については、ツバメ君効果で消化量が格段に上がった点はプラスだが、反面、私の管理業務量もいや増しとなることになった。
老若のギャップによっても疲労は生じるものなのであろう。
若妻もらうと早死する、見当外れな喩えにも感じるが、あながち大ハズレというわけでもなさそうだ。
失語症状自覚するほど頭スカスカ、しかし、一時的なことに違いない。
1クール終われば、後は楽になる。
そのように思案しつつ、ふとこめかみに手を当ててみた。
単なる接触感を越えた、深く内奥に伝播していくような痛みがひろがっていく。
痛い、ようだが、気持ちいい。
喫茶店の一隅、一人の中年のおっさんが、こめかみをせっせと揉む。
マンガの一休さんなら可愛いが、おっさんであるから、なにやら沈痛な図であったことだろう。
2
その夜はもともと飲みに出ようと思っていたが、ツバメ君の書類チェックもあり、また、疲労もあった。
家で食べるよ、と家内に連絡し、おとなしく仕事だけして帰途につく。
食事の用意が整っている。
タコの酢の物、ホタルイカの沖漬け、たけのことすじ肉の煮込み、さわらの塩焼き、、、
それらを肴にこのところお気に入りの缶ハイボールを、氷たっぷりのグラスに注ぐ。
食後、リビングに家族が集まってくる。
英語のリスニングしながら長男は体幹トレーニングを始め、二男と家内は何やらおしゃべりしている。
同窓会室にあるテーブルサッカーが楽しく、休み時間に中2と対抗戦をした。二男が楽しげに話している。
少しほぐれた。
明日は必ずマッサージ屋できつくカラダを揉んでもらおうと決意しつつ、梅酒をお代わりする。
家ではぐったりできるに越したことはない。
帰宅後、家で用事を課されることが一切ないというのは幸福なことである。
家庭を守る山の神のおかげであると感謝しておかねばならない。