KORANIKATARU

子らに語る時々日記

疲労のケアと自分のキャパ


月末にかけ疲労感が増してくる。
朝、一気に起き上がれない。
この「もたつき感」こそ疲労の兆し。

疲労は思索の故郷である。
平素の負荷と今後の見通しについて考える。
ちょうどいい感じのしんどさの毎日だ、そのような結論が出る。

寝床での自問自答の末、まとわりつく疲労を払いのけ仕事に出れば、いつしか活性が疲労を土俵の外に押しやって、いつもどおりの作業を遂行できる。

しかし、これでいいのだとうっちゃって疲労を放置し過ぎると、いつの間にか活性と疲労が膠着し、作業水準が知らず知らず低下するということになる。

活性度が下がってダラダラと長時間仕事を余儀なくされるより、さっさと仕切り直ししてシャキシャキ仕事、颯爽と自由の王国を滑走できる方がいい。

だから早めに手を打って、草木の手入れするみたいに、心身をケアすることになる。


日曜朝一番、野田のリラクでマッサージを受ける。
運良く施術者のエース、シャロットに当たった。

ここ野田のリラクはシャロット以外にも腕利きが揃う。
シャロット以外でも、十分納得の施術を受けられるが、安定感はシャロットが一番というのは確かなことであろう。

マッサージを受ける間もシャロット指名の予約電話がかかってくる。

開店10分ほどで、シャロットについて本日ラストまでの予約が埋まったようだった。
揉まれて私は楽になるが、揉む側、シャロットはえらいごっつい、しんどい話であろう。

明けて月曜午後。
江坂の客先から天王寺に向かい、田中内科クリニックに寄る。

各種数値について助言を受けた後、採血そしてニンニク注射を受ける。

カラダに幸もたらす「エキス」は、血管から直接注入してもらうのが効果的だ。

精鋭のビタミン類が高速で肌、内蔵、筋肉すみずみまで行き渡り、各所で本領発揮。
心身が再生される。

口から服んだところで、大半は、もう一方の開口部から外部に流出してしまう。
それでは勿体ない。

シャロット&阿倍野ニンニク注射で、当月の疲労の除去は完了した。

このように私は人知れず努力して疲労を撃退、日々を刷新しているのであった。


火曜日午後、神戸で仕事を終え事務所へ戻る帰途。

iPhoneで現在位置を確認すると、地図の端に、風呂屋が表示されている。

汗ばむ夏日。
一汗流すのも悪くない。

目についたセブン-イレブンで手ぬぐいを買って、灘温泉の暖簾をくぐった。

午後3時過ぎ、昼日中の風呂ほど気持ちのいいものはない。
天然温泉の湯船に肩まで浸かる。
ああ、極楽の15分。

風呂あがり、さっきよりも往来が涼し気に感じられる。
陽光キラキラ降り注ぐなか、南へ歩を進める。

二号線を越えたところに公園があって、そこを横切る。
風が心地いい。

路面に映る木立の影が風に揺れる。
陽光がこぼれるようにあふれ、私の影も同じく揺れるかのようだ。

このとき私は夾雑物ゼロ、地上を行く単なる一個の感覚器官と化している。
太古より、このように在ることだけで素晴らしい。

私自身の幸福の基準点は、この程度。
この程度で、十分満足。

野心も大志も特にない。

クルクルパーにならない程度の日常の負荷のもと、時折、疲労を抜いて、この地点に還ってくる。

この積み重ねがどこへ私を導くのか、そんなことは知ったことではない。
「感覚器官」の与り知らぬ範疇のことであろう。


事務所に戻ると家内が現れた。
長男の運動会が大阪ドームで行われ、その帰途、家内が事務所に寄ったのだ。

飯を食べようと、近所の活菜へ向かう。

いつにも増して混んでいる。
そう言えば、世間は給料日直後。
皆が皆、くつろいだように、魚料理をつついて酒酌み交わしている。

家内とカウンターに腰掛け、今日のおすすめのラインナップをなぞっていく。
子らの話題で盛り上がり、ビールを飲んでハイボール

そうそう、この程度、この程度で十分満足。
これ以上望むものなどなにもない。
これが私のキャパなのだ、自信満々でそう思う。

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