KORANIKATARU

子らに語る時々日記

雨の日曜、ひとつの節目を迎えた。


日曜日、降り続いた雨が、昼過ぎにいっとき止んだ。

姫路駅に降り立つ。
まっすぐ前方に姫路城が鎮座しているのが見える。
濃いグレーの空を背景に白が際立ち壮観だ。

家内と少し町をぶらつき弁当を調達し、タクシーに乗って一路、姫路市立球技センターを目指す。

この日、第33回兵庫県中学生ラグビー大会が幕を開ける。
長男が出場する試合のキックオフは昼過ぎだ。


球技場に到着し昨年同様にバックスタンドに陣取る。

午前の試合は雨にたたられたようである。
そこかしこ雨でびしょ濡れだ。

ビニール袋で急ごしらえのシートを作り腰掛けて腹ごしらえ。

金曜、土曜と続いた学校の文化祭において長男は中学精鋭ダンスチームのセンターの任を務め、豪快な踊りっぷりを披露したという。
強く冷たい風に吹かれつつ、その様子を映した動画を家内に見せてもらう。
好評を博したというのも頷ける。

思い切った手足の動きは力強く伸びやかで、何事にも躊躇し逡巡する私とは大違い。
器の違いを感じ、そしてそれが喜ばしい。


強豪が相手、試合は惨敗であった。

学校にはラグビー部がないのでこれで事実上の引退となる。
高校になればクラブチームなどに所属し趣味程度で続けていくのだろうか。

試合後、相手選手らと握手し健闘をたたえ合う姿を見て、これでラグビーの試合は見納めだと実感する。

選手としては一線級に及ばなかったかもしれないが、成長の軌跡にラグビーが存在し、これまでを振り返ったとき、ラグビーで連なる数々の場面が時系列で蘇ってくる。
幼かった頃からいっぱしの面構えとなったこれまでを通じて一つのことに取り組んできた、その積み重ねに満足感のようなものを覚える。

帰途家内と話す。
親として十二分に楽しませてもらった。

親が観戦する試合はこの日が最後。
将来何らかの形で続けるのであれば、いずれは彼女、そしてやがては彼の子供たちが応援に駆けつけることになるのだろう。

一つの節目となる雨の日曜であった。

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