KORANIKATARU

子らに語る時々日記

たにぐちクリニック院長直伝のシンプル・ダイエット、成功者続出。


日曜夜、阪急電車に乗って武庫之荘に向かう。
待ち合わせは7時。

車内、男の子二人連れの母親が斜め前に立っている。
小さな子らは母にもたれるようにしている。
母は時折左右に視線を送り何か話しかける。
その度に子らが笑って、母も柔らか微笑み返す。

そこで身を寄せ合う三人の姿は幸福そのものだ。

兄弟はお揃いのシューズを履いている。
兄が黄色で弟がオレンジ。
シューズの発色がいいだけでなく、全体的に身なりがいい。

母の楚々とした雰囲気と美しい顔立ちを子らはそのままに受け継いでいて、とても可愛らしい。

ふと想像してみる。
静か満ち足りたような目の前の三人が私の家族であれば、どんな人生なのだろうか。

と、すぐに愛しい我が長男と二男の顔が浮かび、その空想を上書きしていく。
不細工だが愛嬌ある顔立ちの悪童二人の方に私の人生は属しているのだった。

まもなく武庫之荘駅に到着した。
阪急電車ならではという平和な光景を後にする。


真闇な道を南へ歩いて5分ほど。
「魚楽唐唐」が左手に見えた。

洒落た店構えが街の上品な景観にとてもよく馴染んでいる。
店内も清潔で広々としている。
開放感があって心くつろげる。
接客も丁寧で心地いい。

さすが33期の岡本くん、店のチョイスにハズレがない。

まずは高岡先生が現れた。
大の大人が手持ち無沙汰で待つのも興醒めなことであるので、二人で先に始めることにする。

ビールで乾杯し、日頃家族が歯の治療で世話になっていることの礼を述べなどしていると、まもなくして谷口くんと岡本くんが揃ってやってきた。

今日は大阪星光医師の会の例会があって一緒に参加してきたのだという。
33期の出席はこの二人だけだったらしい。
貴重な日曜日、時間の調整は簡単なことではないのだろう。


ところで、この日記のビジターのため簡単に紹介しておかねばならないだろう。

高岡先生というのは、尼崎大物の歯科医院、たかおか歯科クリニックの院長である。
心優しい人柄は星光当時から微塵も変わっておらず、懇切丁寧な治療で地域に貢献している。
高岡先生を信頼し最近では遠方からの患者さんも増えてきた。

岡本くんは整形外科医。
数学に卓越しいまも研鑽欠かさず各種のコンペティションで名を馳せて、語学も堪能、とくに今はドイツ語を磨き上げていて、さらに加えて社会情勢などにも詳しく、知的関心の赴くまま日夜活動領域を広げ深めて交友関係も豊かなものにし続けている。

そして、谷口くんは、たにぐちクリニックの院長である。
尼崎のキューズモールに近接した場所、セントラルスポーツの建物の並びにある。
イギリス滞在が長く、ケンブリッジ大学の研究員として彼の国屈指と言われるアデンブルクス病院で働いていた。
世界レベルの学識と臨床経験ある内科医が現在は尼崎で地域医療に尽力しているという訳である。

ここまで書いて気づいたが、高岡先生と岡本くんはアメリカ、谷口くんはイギリス、揃いも揃って皆海外赴任経験者だ。


「魚楽唐唐」は素晴らしい店であった。

出される料理のどれもこれもが息呑むほどの美味しさで、4人で小さな歓声上げながら堪能し続けた。
おいしすぎて私などガッツポーズまでしてしまったほどである。

聞けば、関西労災の先生らがよく利用していて、岡本はそのツテで知ったのだという。

刺し身はもちろん、焼いても揚げても、出てくる料理の全部が全部やたらと美味い。
何か種や仕掛けがあるとしか思えない。

感銘覚えるほどおいしい店がこんなに近くにあるとは知らなかった。

私は、家内を連れてこようと決め、そして西宮で耳鼻咽喉科を構える鷲尾先生も誘おうと心に誓った。
近隣に住んでいて、この店を知らずに済ませる訳にはいかない。


盛りだくさんの日曜であったが、この日最大の収穫は、谷口院長からダイエット法について直々にレクチャーを受けたことであろう。

メタボ研究に長けた医師だけあって、数々の知見踏まえ実例に基づいた情報を豊富に有している。

その谷口院長が言う。
成功者続出、リバウンドなく、健康を害することもない。
呆気にとられるほどシンプル極まりないダイエット法だ。

朝はスムージーなど野菜ジュースを1杯だけ飲む。
糖分補給としてもそれでちょうどいい。

昼は蕎麦かうどんを一人前だけ食べる。
コンビニなどで売っている出来合いのものでいい。

そして、夜は自由。

内容がシンプルであるから、誰でもできるし、いろいろ迷って振り出しに戻るということがない。

谷口の深みある声音で言われると説得力が増し、私にもできるような気がするだけでなく、もうすでに痩せた気分となって、〆の茶そばをすすった。

明けて月曜。

谷口の言うとおり、朝はコンビニの野菜ジュース、昼はコンビニのざる蕎麦だけで済ませた。
意外なことにそれでも十分動けて仕事に支障もない。

夜は自由だ、さあ、何にしようと思考を弾ませるが、結局は手軽にコンビニのサンドイッチを選ぶことになった。

仕事後の宵のうち、裏庭の虫の声に静か聞き入りながら、ダイエットに成功していく自らの姿に笑み浮かべサンドイッチにかぶりつく。
明日以降、せめて夜くらいはもっとましなものを食べようと思いつつ。

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