KORANIKATARU

子らに語る時々日記

留学準備は整った


この朝、一気に冷え込んだ。
巨大冷蔵庫の扉でも開けたかのよう。
白く凝結した冷気が地を這うように漂ってあたり一帯をたった一晩で冷え冷えに覆った。

凍えつつ着替えクルマに乗って事務所に向かう。
そしてデスクワークを12時間。

新年に入って一週間。
カラダに馴染んだペースが戻った。

朝5時から行動を共にしていた二男とともに帰途につく。
仕事場にあれば勉強も捗る。

やり切ったという充実感を共有し西九条の大福湯に寄る。
冷え込む日の仕事上がりはサウナに限る。

カラダを熱し水風呂で冷やし、それを繰り返し心身をニュートラルな状態に復元していく。


長男の出発が明日に迫る。
彼の地の寒さはこんなものではないだろう。
零下10℃にもなるというのだから想像を絶する。

防寒具を特に念入りにし準備はほぼ整った。
ステイ先に贈る土産も充実した品揃えだ。

チキンラーメンにポッキーなどの土産定番に加え家事用の器具の他、滞在先には少年らが二人いるのでお遊び用のグローブや簡易なおもちゃ、パーティーグッズも忘れない。
盛り沢山な内容でありこれは間違いなく喜ばれる。

夕飯前、長男を前に渡航にあたっての諸注意などを述べる。

この日のために用意したキャッシュパスポートを渡す。
プリペイド式のマスターカードである。
中学生だとデビットカードを作ることができない。
その代替ツールとしてとても重宝する。
異国に子をやるにあたって心強い。

パスポート、航空券、税関申告書、未成年者単独入国のための両親の同意書、入学許可証、現地後見人の証明書、傷害保険の加入証について説明を加え手渡し、ホストファミリーとやりとりした話の内容について説明する。

武者震いするかのよう、長男の気持ちが昂ぶりはじめたことが分かる。
たった一人で遠くへ旅立つ、その実感が込み上がってきたようだ。

あとはカナダドルの両替を残すのみ。
定期券の払い戻し手続きのついで、それくらいは梅田のチケット屋に行って自分ですればいい。


長男の学校では中学生活の締め括りとして一定以上の成績を満たせば3ヶ月の海外留学が認められる。

留学にあたっては語学学校ではなく現地校に入学し在籍しなければ公欠と認められない。
現地校の選定は学校主催のものの中から選ぶのでもいいが学校以外のプランを独自に探してくるのでも構わない。

学校が斡旋するコースが安心ではあると思うもののどのみち異国に赴くのであれば仲間はいたよりない方が修行としては好ましい。

我が家についてはプランの探索と手続きにあたって東京のアルクに大いに助けられた。
この時期、そこを訪れる酔狂な日本人などないという地。
まさに願ったり叶ったりという条件の学校へとアルクが道を拓いてくれた。

現地の大学などを覗けば幾人か日本人を見つけることはできるだろうが極小の数に違いない。

徒党組むなどありえず、滞在期間中、否応なく日本語という利き腕を使えない状態に置かれることになる。
異空間で体験する非日常がさぞかし彼の意識を活性化することであろう。


留学にあたって、数々の書類を用意しなければならなかった。
アルクの助言に従いつつ、周囲の助力を求めなければならなかった。

人物所見や成績証明など学校の先生方には毎度毎度のことながら頭下がるほどの尽力を受けた。

医師所見や予防接種、最終的なメディカルチェックについては、阿倍野にあるが天王寺駅が最寄りの田中内科クリニック院長にたいへん力になってもらった。

たったの三ヶ月ではあっても、数々のバックアップあってこそ実現した留学である。
学び多く濃厚な84日間を過ごしてもらいたい。

春にまた会おう。

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