夜八時、北新地の心屋。
一番乗りはオガワ君であった。
花見の席取りをするみたいに彼は座敷に陣取っていた。
続々と皆が集まり東京から戻ったばかりのグリの音頭で宴の幕が開いた。
料理はなかなか。
ビールを皮切りにしてハイボールやら焼酎やら日本酒やら思い思いの酒を皆が注文し続ける。
ハイピッチで飲みが進む。
地獄谷経由で六甲山に登って有馬の湯につかるという33期夫婦同伴企画がグリから発議され全会一致で可決をみ、一次会の審議は全て整った。
会計はもちろん会計士のアキオがとりまとめ、そしてシマダの一本締めで一次会終了。
午後十時半。
二次会は道を挟んだ真向いにあるマイノリティ。
オーナーがタコちゃんの古くからの友人。
ほぼ三十年ぶりの再会となったハネくんの合図で乾杯。
そしてあっという間。
日付変わる時間にて解散。
その後、それぞれ別れ三次会に向かったのだろうか。
わたしは天六のいんちょに連れられ天満の飲み屋へ向かい、ラストは餃子での〆となった。
お盆も年末も休まずに精が出るね。
私がそう言うと天六のいんちょは言った。
世のため人のため。
何のために勉強してきたのかと自分に問えば、答えは簡単。
社会に貢献するだけのこと。
インプットはアウトプットのためにある。
まさに地の塩、世の光。
どこであっても星光生。
天満場末の飲み屋にあって、ならではという言葉を噛み締める。
上機嫌なタクシーの運転手の話を聞きながら家路につく。
雨の日は書き入れ時、京都大阪を二回往復し今日は6万売り上げたという。
料金は6800円。
楽しい話に礼を述べ7000円を渡す。
全身脱力の愉悦にひたってリビングでそのまま横になる。
時刻は未明の三時過ぎ。
朝帰りなど何年ぶりのことだろう。