日曜早朝、コンビニで買った新聞を眺めつつコーヒーを飲む。
南の窓から朝晴天の光が注ぎこみ、吹き込む空気はまるでいま開封されたばかりといった新鮮さで薫って休日気分を更に彩る。
毎日新聞の「時代の風」の欄を切り抜く。
「日本経済は金融緩和では成長しない」、藻谷浩介さんの噛んで含めるような論述が非常に分かりやすく、また論への導入がお見事で、これは是非とも子らにも読ませねばならない。
2012年の株式時価総額が273兆円、それが15年には569兆円に高騰したにもかかわらず、消費増税程度では説明つかないほどに個人消費は前年比マイナスを続け低迷している、といった記述に考えさせられる。
この事実を正視すれば、アベノミクスが功を奏したとはとても言えない、となる。
富裕層すらお金を使わないとなれば、この国においてはもはや経済成長など期待できないということなのだろうか。
先日の金曜、松村嘉浩さんの「なぜ今、私たちは未来をこれほど不安に感じるのか?」を買って、土曜に一気に読み終えた。
身を乗り出すみたいに没頭する読書は久方ぶりのことであった。
歴史の流れと国際情勢を背景におさえつつ日本経済の現状について述べる考察にビシッと筋が通っていて、なるほどと強く納得させられた。
著者が言うように、五百年もしくは数千年に一度という未曾有の時代がすでに到来し始めている。
その一方で、わたしたちはまだ旧態依然としたシステムの残滓のなかに置かれたままだ。
もしわたしに子がないのであれば、残滓のまま終わってしまっていいのであるが、子が二人もいるのでぼんやりとはしていられない。
老いぼれたこの頭では策や指針を見いだせないまでも、せめて現状を子らにも分かるよう説明し、備えについて伝えねばならない。
いついつまでも勉強が不可欠だ。
まずは本書を読み返し、理解深めるところから始めねばならない。