やや過密気味であった日々もようやく境に達した。
今日を区切りに千々乱れるような煩忙が収束していく。
昨夕、神戸での仕事を終え、いっとき心解き放たれた。
受け身なされるがままの翻弄からようやく脱せられる。
帰途、自然と灘温泉に足が向いた。
ぬるめの温泉にカラダを横たえる。
ほどよいあたたかみがじんわりとカラダの芯に沁みてくる。
続いて源泉の湯船につかる。
加温のない湯はひんやりとしているものの冷たくはなく快適で心鎮まる。
寝そべると源泉の流入口がちょうど耳元の位置に来る。
絶え間なく注ぐ湯のせせらぎが無を誘う。
とろけるような忘我となって、水の音、つまりは生命の脈動のようなものに静か包まれる。
交互に繰り返す。
風呂をあがる。
肌に触れる外気がどこまでも気持ちいい。
六甲山直送の緑含んだ風は清涼で、胸深く吸い込めば自らも清まるかのようで陶然となる。
帰り道、ミディアムボディの赤を買う。
晩酌のつまみは近所の名店の焼鳥。
家内とグラス傾けひととき過ごす。
かなり草臥れていたので耳リフレをしてもらう。
アロマオイルはミントの香り。
頭皮から首筋、肩をマッサージしてもらう。
そして、ポイントは耳。
耳は疲労という実体に直結している。
耳つぼを押し耳をほぐせば、疲れが溶けてほぐれて雲散霧消していく。
だからぐっすり眠れて、最良の寝覚めで朝を迎えることができる。
前日までの起きがけのつらさがウソのよう。
カラダは軽く、心さわやか。
朝の光がひときわ明るく感じられる。